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デブの帝国 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2018/10/08

タイトルおよび表紙のおちゃらけ度合いに相反して、中身は意外と硬派な社会学的考察となっている。アメリカがどうしてこのような肥満が蔓延する社会になってしまったのか。様々な要因が挙げられている。 まずは、農業政策による食糧価格の下落である。トウモロコシや大豆の生産性向上に加えて、オレ...

タイトルおよび表紙のおちゃらけ度合いに相反して、中身は意外と硬派な社会学的考察となっている。アメリカがどうしてこのような肥満が蔓延する社会になってしまったのか。様々な要因が挙げられている。 まずは、農業政策による食糧価格の下落である。トウモロコシや大豆の生産性向上に加えて、オレンジや鶏肉と引き換えにマレーシアからのパーム油の関税撤廃によって代替の油脂である大豆価格が下落するなどの外交的な変化もあった。これらをもたらしたのは、ニクソン政権からフォード政権で農務長官を努めたアール・バッツによる功績であるということである。 そして、低価格な食糧がファストフードの台頭を後押しする。さらに それが恒常的に食する社会階層の下層に属する人達への食の提供へと連鎖する。黒人やヒスパニックの肥満率は、白人よりも常に高いという。ある意味、格差社会論を別の側面から描き出しているともいえる。 また、育児や教育面での変化も挙げられている。70年代以降の、女性の社会進出や人権運動の流れの中で、子供の自主性尊重という価値観が台頭した結果、子供に食べ物を押し付けるのではなく、好きなものを好きなように、場合によっては好きなだけ食べさせることが、子供のためにはよい教育であるという風潮が出来上がってしまったという。そして、ファストフードの学校周辺への進出や、体育の削減など、学校教育の場で、健全な食生活と運動の機会が失われていったことも理由に挙げられている。 もはや、アメリカの肥満は国家的な問題までになっているが、生活習慣だけではなく、社会構造、教育から人種・移民問題といったアメリカが抱える広範かつ旧来からある問題の結果であり、解決は簡単ではないという印象を受ける。

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2014/09/16

タイトルとは裏腹に真面目な本です。初めて行った外国がアメリカ。そこには今まで見たこともないような太った方が五万といました。ぽっちゃり目の私はこの国では痩せた部類に入るのだと確信しました。

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2013/06/11

アメリカの食品が大きくなっていく過程、肥満大国となっていく過程が良く分かります。不都合なことに目を瞑り、大きな組織に迎合し、怖い食がTPPにより日本にも安く大量に入ってくるかも。それ以前に、自制心ときちんとした情報を持って、自身のお肉と戦わないとなぁとも思ったり。きちんとダイエッ...

アメリカの食品が大きくなっていく過程、肥満大国となっていく過程が良く分かります。不都合なことに目を瞑り、大きな組織に迎合し、怖い食がTPPにより日本にも安く大量に入ってくるかも。それ以前に、自制心ときちんとした情報を持って、自身のお肉と戦わないとなぁとも思ったり。きちんとダイエット始めたくなる一冊でした。糖尿病怖えぇ。

Posted byブクログ

2012/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 アメリカには、誘惑が日常生活にあふれているので、よほどヘルシーなライフスタイルに気を使うか、所得水準の高い人でもない限り、手軽に安く手に入る飲食物に依存することになる。例えば、砂糖と人工着色料で厚化粧した「ケバイ」ドーナツやジュース。1.5人前あるいは2人前はあるのになぜか標準サイズの炭酸飲料、フライドポテト、持ち帰り形式の中華料理。このようなものを財布にやさしいからといって大量にムシャムシャ食べていると、日頃の積み重ねが功を奏して立派な「エアバッグ」を標準装備となってしまう。あのミシュランガイドで有名なミシュランタイヤのキャラクターのように脂肪のかたまりがスペアタイヤのごとく身体にまとわりつく結果になる。  ジャンクフードを発売している企業にとっては、マーケティングで勝利して脂肪に負けることになっているのではないかとふと思う。その一方で、ダイエット業界は、笑いが止まらない。「天然の毛皮のコート」を身につけている方が増えれば増えるほど、業界にとっていいお客、はっきり言えばカモになる。  これだけいろいろな飲食物があふれる時代に生きているので、1日3食、おやつは何を食べるか、バランスを取ることが必要になる。誘惑に駆られてチョコをチョコっと食べていると、5年、10年後には高利回りの利息が脂肪となってたまるうれしくない結果となってしまう。アメリカが肥満中国、あるいは肥満小国になる日が来るかといえば、ジャンクフードやラージサイズがある限り、ダーク・ベイダーならぬデーブ・ベイダーが暗躍する時代がこれからも続く。

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2012/03/03

肥満はもはや個人のものではなく、社会問題であると考えさせられた。日本人にとっても対岸の火事では決してないと思う。

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2011/03/16

タイトルおよび表紙のおちゃらけ度合いに相反して、中身は意外と硬派な社会学的考察となっている。アメリカがどうしてこのような肥満が蔓延する社会になってしまったのか。様々な要因が挙げられている。まずは、農業政策による食糧価格の下落である。トウモロコシや大豆の生産性向上に加えて、オレンジ...

タイトルおよび表紙のおちゃらけ度合いに相反して、中身は意外と硬派な社会学的考察となっている。アメリカがどうしてこのような肥満が蔓延する社会になってしまったのか。様々な要因が挙げられている。まずは、農業政策による食糧価格の下落である。トウモロコシや大豆の生産性向上に加えて、オレンジや鶏肉と引き換えにマレーシアからのパーム油の関税撤廃によって代替の油脂である大豆価格が下落するなどの外交的な変化もあった。これらをもたらしたのは、ニクソン政権からフォード政権で農務長官を努めたアール・バッツによる功績であるということである。そして、低価格な食糧がファストフードの台頭を後押しする。さらにそれが恒常的に食する社会階層の下層に属する人達への食の提供へと連鎖する。黒人やヒスパニックの肥満率は、白人よりも常に高いという。ある意味、格差社会論を別の側面から描き出しているともいえる。また、育児や教育面での変化も挙げられている。70年代以降の、女性の社会進出や人権運動の流れの中で、子供の自主性尊重という価値観が台頭した結果、子供に食べ物を押し付けるのではなく、好きなものを好きなように、場合によっては好きなだけ食べさせることが、子供のためにはよい教育であるという風潮が出来上がってしまったという。そして、ファストフードの学校周辺への進出や、体育の削減など、学校教育の場で、健全な食生活と運動の機会が失われていったことも理由に挙げられている。もはや、アメリカの肥満は国家的な問題までになっているが、生活習慣だけではなく、社会構造、教育から人種・移民問題といったアメリカが抱える広範かつ旧来からある問題の結果であり、解決は簡単ではないという印象を受ける。

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2010/03/01

健康志向の世代がリードするこの時代、そして世界最先端をいくアメリカがなぜこんなに肥満が多いのか以前から疑問がありとても興味があった。この本を読んで時代背景がわかった。 バッツの改革により、高果糖シロップ、パーム油が出回り安価で高カロリーが豊富となった。 そしてジャンボサイズ、バリ...

健康志向の世代がリードするこの時代、そして世界最先端をいくアメリカがなぜこんなに肥満が多いのか以前から疑問がありとても興味があった。この本を読んで時代背景がわかった。 バッツの改革により、高果糖シロップ、パーム油が出回り安価で高カロリーが豊富となった。 そしてジャンボサイズ、バリューセットの登場。人は大きいという概念に取り付かれてしまう。それが権力に関わるからだという言葉がとても印象的だった。 際限の無い食品消費の文化が最も根付いたのが家庭であり、女性の社会進出に伴い時間が犠牲となった。 合理主義の大人は子どもと過ごすため外食や宅配サービスを利用するのだ。 ラッパーのライフスタイルも肥満蔓延の影響力大であった。 そして、年をとれば太っても構わないという風潮もあり、アメリカ人はどんどん太っていた。 子どもの肥満も大問題であるが、背景には犯罪への不安から子どものTV時間が増えているという原因がある。 日本で平和ボケしている自分にはあまり現実的ではないが事実であり、その原因はすごく大きいと思う。 私も自分の子が事故、犯罪などに巻き込まれる恐れがあれば肥満を選ぶだろう。 肥満に影響することは貧困、階級、そして収入。 日本もあらゆる面でアメリカ化していると思う。 社会のために自分には何が出来るのだろうか。 疾病を予防し健康的な生活おくるために、私たちの果たすべき役割はとても大きい。 疾病予防に努めたいと強く感じた。

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2009/10/04

図書館で借りた。 アメリカ人で肥満の人がどれだけ増えているか、 その原因にはどういったことが関係しているか、が書かれている。 太りやすい油の方が安くなるように外交を していた政府のこと、清涼飲料水や油脂を大量に含む ジャンクフードを子供に食べさせるよう苦心している企業のことが載っ...

図書館で借りた。 アメリカ人で肥満の人がどれだけ増えているか、 その原因にはどういったことが関係しているか、が書かれている。 太りやすい油の方が安くなるように外交を していた政府のこと、清涼飲料水や油脂を大量に含む ジャンクフードを子供に食べさせるよう苦心している企業のことが載っていた。

Posted byブクログ

2009/10/04

タイトルに比して内容はまじめだが、豊富な取材に裏打ちされて楽しく読める。パーム油(飽和脂肪酸)の問題をいち早く打ち出した点でも先見の明あり

Posted byブクログ

2009/10/04

副題どうり、アメリカ人がいかに肥満国になったか、よーくわかった。食育がいかに大切か、子供の頃から教えねば

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