『ターミネーター』解剖 の商品レビュー
2019年11月26日読了。批評では語られない「ターミネーター」の凄さを、主にジェームズ・キャメロン監督の演出手腕の観点から語る本。ターミネーター2後・タイタニック前の96年刊行の本であり、3以降のターミネーターシリーズおよびシュワルツネッガーの紆余曲折などは範囲外だが、ターミネ...
2019年11月26日読了。批評では語られない「ターミネーター」の凄さを、主にジェームズ・キャメロン監督の演出手腕の観点から語る本。ターミネーター2後・タイタニック前の96年刊行の本であり、3以降のターミネーターシリーズおよびシュワルツネッガーの紆余曲折などは範囲外だが、ターミネーターが「筋肉男がバーンと出てくるB級映画」に終わるものではなく、シュワという強烈な素材を生かして、観客の感情を見事にコントロールした優れた映画であることを詳細に解説してくれている。同時に、予算もスケールもパワーアップした「2」が構造的には非常に「1」の斬新さ・不穏さに依存しており、演出的には「ヌルくなった」ことも解き明かしてくれている。シュワが立っているだけで生まれる「ユーモア」が単に怖いだけの映画ではない深みを本作に与えている、という指摘は非常に腑に落ちた。最新作「ニューフェイト」も何もかも、「1」の衝撃がなければ生まれなかったものだものな…。
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