「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
軍隊の訓練は朝五時に起床し1時間ランニングなのか。 すごい。 戦争の生々しい描写が圧倒的で、それ故に戦争の悲惨さが痛烈に伝わった。 戦争における兵士の育成とは、興奮状態にもちこませ、洗脳させ 殺人マシーンとすること ベトナム戦争とは、ベトコンの勝利であった。 黒人兵に対し、「あなた方黒人は歴史的に自由を勝ち取る戦いをしてきた。我々ベトコンも自由を勝ち取る戦いをしている。つまり同士なのでは?なぜ今争っている?」 と疑問をなげかけ、アメリカ黒人兵の洗脳をとかせ、戦意喪失させた。 すごい。 」
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図書館でみかけて、ちょっと中身を確かめるつもりがそのまま最後まで読んでしまった。 ベトナム帰還兵が語る戦争の話。講演をまとめたのかな? 著者は十代のときに海兵隊に入ってベトナム戦争に行った。 ベトナムに送られる前にはしばらく返還前の沖縄基地にいた。 まだキング牧師が生きていたこ...
図書館でみかけて、ちょっと中身を確かめるつもりがそのまま最後まで読んでしまった。 ベトナム帰還兵が語る戦争の話。講演をまとめたのかな? 著者は十代のときに海兵隊に入ってベトナム戦争に行った。 ベトナムに送られる前にはしばらく返還前の沖縄基地にいた。 まだキング牧師が生きていたころの話。 2~3年前に見た海兵隊のドキュメンタリー映画を思い出した。 今世紀に撮られたもので、しかも部外者が入り込んで撮影できる範囲のものであったけれど、訓練風景はここに書かれているものと変わらない。 思考を奪い、人を殺せる人間を作る。 沖縄は米軍人にとっての遊園地のような場所だったと著者はいう。 しかし沖縄人にとっては屈辱的な場所だっただろうともいう。 新兵一人をつくるためにかかる値段を考えたら、米軍人がジャップに犯罪行為を働いたくらいで捕まえるなんてとんでもない。 これが全然「昔の話」じゃないなんて。 きっと、沖縄人に暴力をふるえないようなできそこないの兵士はベトナム人を殺せない。 その後、しばらくしてベトナムへ行って、人を殺す。 ベトナム人という生き物を殺すことに慣れて、そのあとベトナム人という人間に気がつく。 ベトナムの宣伝ビラに「今米国では自由のために黒人が闘っている。私たちも自由のために闘っているのだとわかってほしい」といったことが書かれていたとある。 それで『対日宣伝ビラが語る太平洋戦争』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4642080643を思い出した。 日本も黒人兵に向けてお前ら鉄砲玉に使われてんぞ的なことを書いたビラを配ったけれど鼻で笑われた、みたいなことが書いてあった。 あれは日本の書き方が下手だっただけじゃなくて、心理的に認められないっていうのもあったのかもしれない。(黒人兵への調査結果じゃないから、実際にどう読んだのかはわからないけれど) この人は命の重さに苦しんでいる。 それでも「村に子供と老人以外の男がいないのはベトコンだから」「村人が地雷原の情報を隠したので」といった言葉を普通に使う。 米兵に殺されないように隠れたとは考えないのかな。 イラクの米兵も「やつらは地雷の場所を知っている。でなければ畑で働けるはずがない」みたいなことを言っていた。 危なくたってそこで生活しているなら行くしかないのに。 考えないようにしているのか、思いつかないのか、たまたまこの本の中では触れられていないだけなのか。 アメリカにもどり、PTSDに悩まされてホームレスになっていた23歳のときに高校の同級生とばったり会って、教員になっていたその人に小学校で講演をしてくれと頼まれる。 そこで表題の質問をされ、「経験を語る」ということを始める。 著者は2009年に亡くなったそうだ。それまで日米で戦争の悲惨さを訴えていたらしい。 9.11のとき、星条旗を配られたけれど家に掲げなかった。 近所の人になぜと問われて理由を述べたら近所の人たちも星条旗を下してくれたという。 あの空気の中でそれができる人はどんな人なんだろう。 この人が生きている間に知りたかった。名前は知ってたのに。
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二年前にネルソンさんに実際に会ってお話を聞いたことがある。 「少年マガジン」でもネルソンさんの話が漫画になっていたと思う。 ネルソンさんは、ベトナム戦争に参加した黒人の方。 アメリカの軍隊から人を殺すよう「洗脳」され、沖縄で訓練、ベトナムに赴く。 ベトナム人は「グークス」であ...
二年前にネルソンさんに実際に会ってお話を聞いたことがある。 「少年マガジン」でもネルソンさんの話が漫画になっていたと思う。 ネルソンさんは、ベトナム戦争に参加した黒人の方。 アメリカの軍隊から人を殺すよう「洗脳」され、沖縄で訓練、ベトナムに赴く。 ベトナム人は「グークス」であり魂もない人間でない存在だと思っていた そしてネルソン氏は実際に多くの人を殺す。 しかし、ベトナム人女性の出産に立ち会ったこと、最後に殺したベトナム人の家族の写真を見たことが、ネルソンさんを変える。 戦争は決してカッコいいものではないし、人間は人間でなくなってしまう。 「戦争はダメだ。平和を実現しよう」という聞きなれたスローガンよりも、遥かに説得力のある体験談。 思わず泣きそうになってしまった。
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過酷な環境の中で、人間としての超えてはならない一線を越えてしまう人と超えない人、人間性の最後のひとかけらを失ってしまう人と失わない人。 この違いはなんなのだろうか。
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新兵としてベトナム戦争を体験した著者は 帰国後PTSDを発症して実家を追い出され、 ホームレスとして生活していたが 知人にその経験を子供たちに語るという仕事を紹介される。 その中で少女が発した一つの質問。 これがタイトルの質問です。 アフリカ系アメリカ人であること...
新兵としてベトナム戦争を体験した著者は 帰国後PTSDを発症して実家を追い出され、 ホームレスとして生活していたが 知人にその経験を子供たちに語るという仕事を紹介される。 その中で少女が発した一つの質問。 これがタイトルの質問です。 アフリカ系アメリカ人であることの差別と貧困、 脱却するためのあがき、 命令に疑問を抱かない殺人のためだけの教育、 ベトコンたちとの戦い、 一方的な殺戮、 その中で彼を変えた (正確には一キリングマシーンになってしまった彼を人間に戻した)のは 掃討作戦中に出会った一つの奇跡的とも言える場面でした。 子供向けの本ですが一読の価値があります。 戦争を知らない私たちのために。 なぜ戦争はなくならないのか。 なぜ兵士に志願する人がいるのか。 ちなみにタイトルの質問ですが、 ネルソン氏の回答は長い葛藤の末での「YES」でしたが 実際本を読んだ感想では「YES」であり「NO」だと思います。
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副題は”ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」”。「ほんとうの」というのは、この本を読んでみるとわかる。「戦争」と聞いても、多くの人は、そのほんとうの姿をイメージできないのではないだろうか。たとえば、今日の朝刊一面に「イラク交戦 172人死亡」と出ている。今までの私だったら、「な...
副題は”ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」”。「ほんとうの」というのは、この本を読んでみるとわかる。「戦争」と聞いても、多くの人は、そのほんとうの姿をイメージできないのではないだろうか。たとえば、今日の朝刊一面に「イラク交戦 172人死亡」と出ている。今までの私だったら、「なんてたくさんの人が...」とは思っただろうけど、今日は、そのひとりひとりのことが思われてしまった。 著者は、アフリカ系アメリカ人のベトナム帰還兵。知人に頼まれて、ベトナムでの経験を小学校で話した時に、ある女の子から、タイトルとなっている質問を受けた。その時の著者の思い、そして子どもたちの反応...読んでいて涙が出てきた。 涙が出てきたのはそこだけではない。これは「シリーズ 子どもたちの未来のために」の一冊で、子ども向けに易しい文で書かれているが、胸に響く話だ。ぜひ、多くの子ども達に、そして大人にも読んでほしい。
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この本は小中学校の教科書に載せるべきだと思う。 ネルソンさんは海兵隊の訓練で殺人マシーンへと変貌し実際に戦場で 人間を殺すことに抵抗を感じなくなるが、とあることがきっかけで、 人間らしい感情を取り戻す。しかし帰国したあとある少女の言葉がきっかけでベトナムでの経験と戦場がいかに悲惨...
この本は小中学校の教科書に載せるべきだと思う。 ネルソンさんは海兵隊の訓練で殺人マシーンへと変貌し実際に戦場で 人間を殺すことに抵抗を感じなくなるが、とあることがきっかけで、 人間らしい感情を取り戻す。しかし帰国したあとある少女の言葉がきっかけでベトナムでの経験と戦場がいかに悲惨かを語ろうと決意する。 ネルソンさんの講演を実際に聞いたことがある。 実際に見たネルソンさんは、とても戦場で人を殺した人間には見えなかった。 しかし、彼はベトナムで実際に人を殺したのである。 この事実が自分にとってとても残酷に感じた。
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戦争と戦争映画の区別,私たちはそれができているだろうか。 市民が兵士になるシステム。戦争時の異常。 本当の戦争とは何か 考えさせられる一冊。 (図書館で借りて,一気に読みました。)
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この本は子供にも読める文体で、難しい資料から見る戦争ではなく、人の生暖かい声が見えてくる。 この本の評価については、入りやすく、兵士の人生を解り易く捉えることができるという事。 オススメしたい本が、ここの検索にはなかったので関連図書をここに記します。 1972年発行の『ベトナ...
この本は子供にも読める文体で、難しい資料から見る戦争ではなく、人の生暖かい声が見えてくる。 この本の評価については、入りやすく、兵士の人生を解り易く捉えることができるという事。 オススメしたい本が、ここの検索にはなかったので関連図書をここに記します。 1972年発行の『ベトナム戦争 サイゴン・ソウル・東京 』著:亀山 旭 この本は、日本人ジャーナリストがベトナム戦争終結直前に書いた本。 他の本と違うところは、まだ戦争が終わっていない時点での視点であること。終わった後に情報が氾濫し、また、かき集めることは容易ですが、リアルタイムでの戦争の結末をつづるというのは、少ないと思う。また『日本人』という視点からみる・関るベトナム戦争が書かれているのも注目のところ。戦争は、そのときだけで事ではない。前にも原因があり、後にも問題が積もるもので、平和をもたらすものでない。 薄い文庫本に期待をしてなかったけれど、この少しの紙束に、こんなに重い重要な事実が書かれているとは『本』とは、人間が作り出した凄い道具だと思った。 ページ数がすくないので、ちょっと読んで見たい方にもオススメです。
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いや別に、著者名に惹かれたわけじゃないですよ。ページを捲るのが、何だろう…重いっていうか。本当に、戦争ってあったんだ。人間ってそこまで残酷に出来るんだ、と考えさせられました。
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