戦争報道 の商品レビュー
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報道機関、ジャーナリストの質や力量が問われるのは戦争報道に関して。この視点を軸に、第二次世界大戦、ベトナム戦争とその後。9.11後に時代相を分けて分析。ただ、戦争関連報道の主体を、ナショナル・ニュース・エージェンシーから敏腕ジャーナリスト、媒体を新聞、テレビから小説や映画、インターネットまで、方法論もPR会社のそれと範囲と対象が広すぎて、焦点がぼやけているようにも感じた。結果、一つ一つは興味をそそる切り口なのだが、突っ込み不足のようにも。戦争PR会社やインターネット論は別書の方が良さげ。2003年刊。
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「ジャーナリストがその最も優れた資質を発揮できる舞台が戦争であるとすれば、ジャーナリストの人間としての存在はどのような意味を持つのか」(ディビット・ハルバースタム) 読者や視聴者は、戦争で何が起きているか知りたがる。影響の及ぶ範囲やその程度も、交通事故や殺人事件などとは比べものにならないから、報道に対する要求はシビアになる。国民の知る権利を代理するジャーナリストがその責務を最もクリアカットに担えるのが戦争報道だろう。 (中略)だからこそ、ハルバースタムの言うように、そうした活躍の場を得るジャーナリストとは何者なのか、改めて問いかける必要がある。戦争がジャーナリストを鍛えると言われるが、戦争によって鍛えられるジャーナリストとはそもそもどのような人間なのか問われるべきなのだ。 (本書p.7-9) TVは放映時間中、何かの映像を放映し続けなければならないメディアだ。しかも他局との熾烈な視聴率競争に曝されており、視聴率の数字の僅かな上下がスポンサー収入に響くとあれば、どうしても刺激的な映像、多くの視聴者を魅了できる映像へと流れる。(中略)それらがすべてシーア派イスラム教徒ハイジャッカーの言い分を有利に見せる効果を担った映像であっても、そんなことは構っていられないのだ。 そして、考えてみればベトナム戦争のTV報道もそうだったのだ。反戦のメッセージは、実は後からついてきたのに過ぎない。とにかく死体を映すこと。それは映像のインパクトから必要とされた要請だった。TVメディアとは主義主張の如何を問わず、魅力的な映像には食いつかずにいられないメディアなのだ。(中略)それを苦い経験を経て学んだ政府はTVメディアの性を逆手に取る、より効率的な映像メディア管制方法を確立する。それがドゥ・リュデール記者が命名した「パッケージ」「洪水による操作」という方法である。 「パッケージ」とは報道メディアが飛びつきやすいように魅力的に構成された情報のこと。そして、そうした情報パッケージを洪水のように提供すれば、TVメディアはもはや自前の取材や検討を加えることは一切なくなり、そのパッケージに食いついて離れなくなる——。この方法論は(マイケル・)ディーバーの名を取ってディーバー・システムと呼ばれる。 (本書p.147-151)
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戦争報道を入り口として、ジャーナリズム全般にわたる、あり方を問うている。戦争を取り上げているのは、題材として分かりやすいからだろうと思われる。現場で発生した事件取材者の編集を行う。マスメディアを通じて報道は多くの意図(政治・広告主)により、都合よい様に編集されて、私たちに届く。そ...
戦争報道を入り口として、ジャーナリズム全般にわたる、あり方を問うている。戦争を取り上げているのは、題材として分かりやすいからだろうと思われる。現場で発生した事件取材者の編集を行う。マスメディアを通じて報道は多くの意図(政治・広告主)により、都合よい様に編集されて、私たちに届く。それは、私たちが、その情報により、コントロールされているかのような結果を生む。情報伝達機器は発達してきたが、作為者による囲い込みは変わらないだろう。インターネットにより、未来の姿に立ち返る可能性は見えてきたのだろうか? 同盟通信社、敗戦後には解散になる。米国の情報統制 BBCのジョージ・オーウェル、戦争中には検閲が行われていた。ベーシックイングリッシュ⇒ニュースピーク。言語の制限はそのまま、究極の検閲になる。 ベトナム戦争とは何であったのか?映画、地獄の黙示録で描かれたものは、リアリズムであるのか? 湾岸戦争以後、報道と宣伝の関連性が示される。報道管制、戦争広告代理店、ブティックプロパガンダ、テロ報道と報復。しかし、予定された侵略であったことが、発見される。その後には、ジャーナリズム批判、どれを信じるか?ビデオジャーナリスト、デジタル、インターネット、信頼。 米国は戦争が好きである。自国産業、国益のために兵器や爆弾を売らなければならない。大統領自ら指揮し戦争を起こす。何のために? キーワード イエロージャーナリズム 世界三大通信社 宣伝 プロパガンダ 情報の送り手が自分の利益を最大化するために様々なコミュニケーションスキルを駆使すること。受けての利益を一切考慮しない。
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[ 内容 ] ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。 このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか? 本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からイ...
[ 内容 ] ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。 このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか? 本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで射程を広げて丹念にたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。 [ 目次 ] 第1章 第二次世界大戦中の戦争報道(同盟通信社―ナショナル・ニュース・エージェンシーを目指して;BBC時代のジョージ・オーウェル―『紅茶を受け皿で』の背景) 第2章 ベトナム戦争の報道(ジャーナリズムと文学―ハルバースタム・岡村昭彦・開高健;ジャーナリズムと映画―『地獄の黙示録』という戦争報道) 第3章 湾岸危機以後の戦争報道(「報道と宣伝」再論―PR会社の台頭;戦争報道とインターネット―信頼の失墜;ビデオ・ジャーナリストの挑戦―今ある戦争報道の先へ) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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結構ややこしい、入り組んだことを書いているのに読みやすかった。 いくつかの内容は既に知っていたけれど、共同、時事、電通の関係とか 「地獄の黙示録」の解釈とかがかなり興味深かった。 公共性=滅私奉公→奉公=報国という戦前における日本での図式もわりとしっくりきた。 もっと英語勉強...
結構ややこしい、入り組んだことを書いているのに読みやすかった。 いくつかの内容は既に知っていたけれど、共同、時事、電通の関係とか 「地獄の黙示録」の解釈とかがかなり興味深かった。 公共性=滅私奉公→奉公=報国という戦前における日本での図式もわりとしっくりきた。 もっと英語勉強しようとおもった。 自らの見識を広める為には海外のソースももっとみないとだよなぁ。
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今の戦争というものが、情報戦略であること。 そしてその裏方として広告代理店がいることに衝撃でした。 嘘を流して、不必要になった際に真実を語るというその巧みな手法に 驚嘆し、それと同時に何を信じることが大事なのか、よくわからなくなります。 (例 湾岸戦争:イラクの石油プラント爆...
今の戦争というものが、情報戦略であること。 そしてその裏方として広告代理店がいることに衝撃でした。 嘘を流して、不必要になった際に真実を語るというその巧みな手法に 驚嘆し、それと同時に何を信じることが大事なのか、よくわからなくなります。 (例 湾岸戦争:イラクの石油プラント爆破と油まみれになった海鳥。 当初はイラク軍による破壊行為とのことだったが実は米軍の空爆によるもので その際の広告戦略と真実の公開まで手法が丁寧に書かれています。) 週刊誌SPAでも記事を見かける著者。かなりの実力者だと思います。
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ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか?本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで...
ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか?本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで射程を広げて丹念にたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。
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ベトナム戦争時は、世界中に反戦のうねりを作り出すきっかけとなった戦争報道。ところが湾岸戦争時においては全くそういった動きは見られず、米軍の管理下に置かれた。なぜメディアは敗北したのか。戦争時におけるメディア、ひいてはメディアの本来の役割を問う。
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