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ウィトゲンシュタインはこう考えた の商品レビュー

4.1

14件のお客様レビュー

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『論理哲学論考』か…

『論理哲学論考』から最晩年の思索まで、すべての「遺稿」をあらたに読み直す力作です。 お薦めは、第4部 『哲学探究』の思想についてです。本書は入門書ですので、是非ウィトゲンシュタインの原典に。

文庫OFF

『論理哲学論考』か…

『論理哲学論考』から最晩年の思想まで、すべての「遺稿」をあらたに読み直す力作です。 お薦めは、第4部 『哲学探究』の思想についてです。本書は入門書ですので、是非ウィトゲンシュタインの原典にチャレンジしてみてください。ちくま文庫の 『論理哲学論考』をお薦めします。

文庫OFF

2020/01/22

P7 ある男が奇妙で複雑な哲学的問題について 生涯考え続けたとしよう。 彼の思考が生み出したものは なんの役にも立たず、 誰の関心も惹かなかったが、 彼は哲学的思考のおかげで生きることができ、 その果てに安らかに死ぬことができた。 この男の生涯は幸福だったのであり、 男の哲学的思...

P7 ある男が奇妙で複雑な哲学的問題について 生涯考え続けたとしよう。 彼の思考が生み出したものは なんの役にも立たず、 誰の関心も惹かなかったが、 彼は哲学的思考のおかげで生きることができ、 その果てに安らかに死ぬことができた。 この男の生涯は幸福だったのであり、 男の哲学的思考は彼にとって比類なき価値を 持っていたのである。 … 男が生み出したものが、 実は人々のものの見方や生き方を根本的なところで 動かす力を持っていることが後になって判明したとしよう。 男の存在はにわかに我々の心を激しく揺さぶるような 属性を帯びはじめるだろう。 それは「時に背を向けながらも、 そのことによって時を超える者」という属性である。 こうした者をある種ヒーローと呼ぶことができよう。

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2019/01/04

感想も何もない。 新書サイズとはいえ、ウィトゲンシュタイン初心者にとって十分に丁寧に解説した内容にただ驚くばかり。 かなりのページ数で読み終えるまでにかなりの日数がかかったが、再読欲かなりある。「手っ取り早く」理解するにはこれか。

Posted byブクログ

2017/04/30

ウィトゲンシュタインをテクストから丁寧に読み解いていく入門本。 といっても、テクスト自体の論理に忠実に読むというより、テクストの生成過程、つまり日記やメモなど膨大な遺稿を年代的に分析していくことから、その思想がどのように生み出されたかを丁寧に推察していくという文献学的なスタイ...

ウィトゲンシュタインをテクストから丁寧に読み解いていく入門本。 といっても、テクスト自体の論理に忠実に読むというより、テクストの生成過程、つまり日記やメモなど膨大な遺稿を年代的に分析していくことから、その思想がどのように生み出されたかを丁寧に推察していくという文献学的なスタイル。つまり、ウィトゲンシュタインという人の思想のプロセス・ドラマを追っかけるというもの。 一般論としては、過度に人とテクストを結びつけて読むのはどうか、という気もするが、ウィトゲンシュタイン特有の結論だけが脈絡なしにならんだ(ようにみえる)テクストを解読するには、こうしたアプローチは重要だろう。 そして、結論的には、これは、画期的に分かりやすいウィトゲンシュタイン本となっている。ウィトゲンシュタインの最後の言葉「私の人生は幸せだった」が、不可解な謎めいた言葉ではなく、哲学的人生を全うした人間のまさに必然的な言葉であったことが分かる。 といっても、もともと訳が分からないウィトゲンシュタインについての本なので、分かりやすさにも限界がある。でも、この本を丁寧に読みながら、ウィトゲンシュタインを読めば、いつの日にか、理解できる日がくるのではないか、というほのかな希望が持てた。 まあ、そこまでして、理解しよう、という根性はないけど、長年の課題「哲学探究」にチャレンジするか、という気にはなった。

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2017/03/26

読み助2017年3月26日(日)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2017/03/post-ea4e.html

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2013/08/22

ウィトゲンシュタインの前期から後期までを紹介。文献学的な感じなのかな? 個人的には相変わらずウィトゲンシュタインの良さはわからなかったが、後期にはあまりふれたことがなかったので、ちょっと考えは変わった。 個人的にはGOFAIの黎明期的な思想から、つまり、フレーゲ的な世界から後...

ウィトゲンシュタインの前期から後期までを紹介。文献学的な感じなのかな? 個人的には相変わらずウィトゲンシュタインの良さはわからなかったが、後期にはあまりふれたことがなかったので、ちょっと考えは変わった。 個人的にはGOFAIの黎明期的な思想から、つまり、フレーゲ的な世界から後期に向かって呪いが溶けて行って、普通の思考になっていった(僕的な意味で)ってかんじなのかな それにしてもなんでこの頃の哲学者はこうも執拗にシンボルグラウンディングを避けるんだろうな。

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2012/06/17

ウィトゲンシュタインの全著作を、手稿も含めて時系列に正確に考察していき、思考の変化を追いかけていきます。 印象に残ったフレーズ: 概念に関する新しい概念 魂を持った「私」 死の直前、六日前に「確実性」について明瞭な言葉で述べたり、ホントに死ぬまで哲学をした人だった。 「論考...

ウィトゲンシュタインの全著作を、手稿も含めて時系列に正確に考察していき、思考の変化を追いかけていきます。 印象に残ったフレーズ: 概念に関する新しい概念 魂を持った「私」 死の直前、六日前に「確実性」について明瞭な言葉で述べたり、ホントに死ぬまで哲学をした人だった。 「論考」と「青色本」しか読んだことなかったが、いずれ全集を読みたいと改めて思った。

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2012/01/01

内容の濃さに比して値段は御値ごろな良書!ウィトゲンシュタインについて、徹底的な読解を試みる本。それでいてじっくり読めば全部理解できそうなくらいの難易度にまとめているのが素晴らしい。 ただぼくは、じっくり読まなかったので、理解できてないところがたくさんあるけども。。 個人的に、後...

内容の濃さに比して値段は御値ごろな良書!ウィトゲンシュタインについて、徹底的な読解を試みる本。それでいてじっくり読めば全部理解できそうなくらいの難易度にまとめているのが素晴らしい。 ただぼくは、じっくり読まなかったので、理解できてないところがたくさんあるけども。。 個人的に、後期思想の言語ゲームについては特別な関心がある。たまに感じる感覚なのだけど、自分というものが言葉のカタマリ、と思うときがあるからだ。そして、本を読む、人の話を聞くと言った行為が、自分という書物を書き換えていく行為に感じる時がある。そうした感覚に、言語ゲーム論がしっくり来るのだ。あくまで個人的な感覚。その後期思想について余すところなく語ってくれているのがとても嬉しい一冊だった。

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2011/05/06

攻略本的。ウィトゲンシュタインのテキスト群をあまねくまとめ直し、手稿や草稿、その他遺稿から代表的なテキストである『論考』と『探究』を時系列な流れや論理構成を読み取って論じている意欲的な作品。かなり読んでいて著者の情熱を感じる。最後の『確実性』の部分で、「私」が魂を持つ存在であると...

攻略本的。ウィトゲンシュタインのテキスト群をあまねくまとめ直し、手稿や草稿、その他遺稿から代表的なテキストである『論考』と『探究』を時系列な流れや論理構成を読み取って論じている意欲的な作品。かなり読んでいて著者の情熱を感じる。最後の『確実性』の部分で、「私」が魂を持つ存在であるということを表明する言語行為が超越言明だ、という話は少し納得がいかなかった。本当にそうなのだろうか。そしてそれが異なる世界像の対立において一条に光を差し伸べるということなのか疑問。全体としてはウィトゲンシュタインが主に取り組んできたテーマとそのおおまかな内容を知ることができたので大変助かった。ウィトゲンシュタインがもっと長命であったなら、相対主義の克服に対してどのような解を与えたのだろうか、『確実性』や『探究』をどのようにまとめ直したのだろうか、ということがやはり気になって考えずにはいられない。

Posted byブクログ