はるかな国からやってきた の商品レビュー
デビューした年若き…
デビューした年若き谷川さんを、ある先達の詩人は「はるかな星からやってきた」と、賞賛しうたった。そんな彼の生み出した数々の詩集からの選詩集。
文庫OFF
ぐっとひえこんでいよいよ冬だなという早朝、谷川俊太郎の訃報に接する。詩人・翻訳者として幅広い仕事があり、詩集もいろいろでているが私が手元で愛蔵しているのは童話屋の詩文庫シリーズの三冊(これもそのひとつ)。R.I.P.
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なんか谷川俊太郎さんって好きなようでいてあまり好きではなくて、でもふと折に触れて思い出す詩があるのよね。要素が好きです。
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『今年』 くだらぬことに喜ぶだろう 今年も ささやかな幸せがあり それは大きな不幸を 忘れさせることはできぬだろう けれど娘は背が伸びるだろう そして樹も 御飯のおいしい日があるだろう 新しい靴を一足買うだろう 決心はにぶるだろう今年も しかし去年とちがうだろうほんの少し 今年は …
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生きる 生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ 木もれ陽がまぶしいということ ふっと或るメロディを思い出すということ くしゃみすること あなたと手をつなぐこと 生きているということ いま生きているということ それはミニスカート それはプラ...
生きる 生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ 木もれ陽がまぶしいということ ふっと或るメロディを思い出すということ くしゃみすること あなたと手をつなぐこと 生きているということ いま生きているということ それはミニスカート それはプラネタリウム それはヨハン・シュトラウス それはピカソ それはアルプス すべての美しいものに出会うということ そして かくされた悪を注意深くこばむこと 生きているということ いま生きているということ 泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ 自由ということ 生きているということ いま生きているということ いま遠くで犬が吠えるということ いま地球が廻っているということ いまどこかで産声があがるということ いまどこかで兵士が傷つくということ いまぶらんこがゆれているということ いまいまが過ぎてゆくこと 生きているということ いま生きているということ 鳥ははばたくということ 海はとどろくということ かたつむりははうということ 人は愛するということ あなたの手のぬくみ いのちということ
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「傲慢ナル略歴」から始まり、およそ谷川俊太郎を愛する人が なぜこの詩人は詩を読むのか? 問いてくる詩集。正解を問いてくるのではなく、どう思うか、みんなで語り合いたいという問い。 「二十億光年の孤独」からはじまった詩人としての生き方は、実は、ただ、宇宙の壮大な摂理に気づいてしまった...
「傲慢ナル略歴」から始まり、およそ谷川俊太郎を愛する人が なぜこの詩人は詩を読むのか? 問いてくる詩集。正解を問いてくるのではなく、どう思うか、みんなで語り合いたいという問い。 「二十億光年の孤独」からはじまった詩人としての生き方は、実は、ただ、宇宙の壮大な摂理に気づいてしまった若者が、この世界に、そっとふれ、気配りをし、静かに語りかける優しさ。ひとりではできないことも、力を合わせ、役割を分かち合うことで、大きなことを成し遂げることができるというメッセージ。人のために、役立つ機会を探し、頼まれなくとも、必要としている人へ、そっと共感する心。 はるかな国からやってきた若者は、そういう人だと思う。 「おべんとうの話」 「芝生」 「夕焼け」 「帰郷」 行動すること、何かをすることよりもまず、願うこと、幸せについて語ろうと、問いかけてくるようだった。
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谷川さんの詩は、2500篇以上あると、何かで読みました。いくら読んでも読み切れないですね。 「沈黙」なんか、ただ、ただ、じーんとしました。 「冬に」死ぬために生まれてきたのではない 生きるために生まれてきたのだ 「Weddinng day」今まで読んだことのある結婚の詩の中で一番、美しいことばばかりでできていると思いました。 離れてゆくのではありません お母さん わたしは近づいてゆくのです あなたのやさしさに あなたのゆたかさに そうして あなたのーかなしみに 「旅」最近、どこにも旅はしていませんが、今、人生という旅をしているような気持ちがしました。 「生きる」これは何度も読みました。1冊の絵本にもなっていますね。 「魂のいちばんおいしいところ」この詩集の中では一番好きでした。 「明日」ひとつの小さな約束があるといい 明日に向かって (中略) ひとつのたしかな今日があるといい 明日に向かって 歩き慣れた細道が地平へと続き この今日のうちにすでに明日はひそんでいる 童話屋の田中和雄さんの「この詩人の気がついたことは、日本を超えて地球のあらゆるいのちを幸せにしてくれるにちがいありません」ということばが印象的でした。
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数年前の誕生日に友人からもらった詩集。 再読してみて、もらったその時よりもさらに、今のほうが心に響いたように思う。 詩は昔から好きでいくつか読んでいるけれど、今より若い時は難解なものを好んでいたような気がする。でも今は、谷川さんの詩のように、誰にでも理解できる言葉を使って、誰にで...
数年前の誕生日に友人からもらった詩集。 再読してみて、もらったその時よりもさらに、今のほうが心に響いたように思う。 詩は昔から好きでいくつか読んでいるけれど、今より若い時は難解なものを好んでいたような気がする。でも今は、谷川さんの詩のように、誰にでも理解できる言葉を使って、誰にでも理解できる意味のことが書かれているにも関わらず、引っ掛かりを覚えたり感銘を受けたりする、そういうものを書くのが実はいちばん難しいということを知っているので、純粋にすごいと思う。 折に触れて読み返したい詩集。
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お気に入り ・かなしみ ・二十億光年の孤独 ・地球へのピクニック ・心について ・おべんとうの歌 ・ぼく ・魂のいちばんおいしいところ ・帰郷
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読む度に、こころに残る言葉が違う。 ひとつひとつの言葉を大切に味わって読みたい詩ばかり。 谷川さんの詩集、大好き。
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