人道危機と国際介入 の商品レビュー
▼『人道的介入』と言われると、コソボ紛争の際のNATO軍の空爆が記憶に新しい。後にこの空爆は「違法だが正当」という評価を下されるようになった(この言い回し、日本でも聞いたことがあるだろう)。 ▼「目的が正しければ、その手段・過程(プロセス)が正当化される」という論理を手放しに認め...
▼『人道的介入』と言われると、コソボ紛争の際のNATO軍の空爆が記憶に新しい。後にこの空爆は「違法だが正当」という評価を下されるようになった(この言い回し、日本でも聞いたことがあるだろう)。 ▼「目的が正しければ、その手段・過程(プロセス)が正当化される」という論理を手放しに認めれば、恣意的な軍事介入の絶好の口実となってしまいかねない。だが、介入の必要な場面があることも認めざるを得ないだろう。 ▼そこで意識すべきは、実は「正しい結果」なのかもしれない。だが、介入後の平和構築ほど骨の折れる任務はない。そこでは供給側だけでなく需要側の視点にも立った「良き統治(グッド・ガヴァナンス)」が模索されなければならないのだ。 ▼国連を介してどのようなアプローチを採り得るのかを検討しつつ、国家自身も国益とのバランスのとれた協力の在り方を探っていく努力が求められている。
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