北朝鮮はるかなり の商品レビュー
絶望収容所を読んだ後…
絶望収容所を読んだ後これを読むと、同じ国なのか頭をひねり、信じられない程の差に唖然。金正日の日常が手にとる様に分かります。寿司好きで気にいった人にはとことん尽くす。人柄が分かります。
文庫OFF
同書は、金正日の妻の一人、映画俳優の成蕙琳の姉が書いた自伝である。ちなみに彼女の息子、李一男は韓国に亡命し、 「金正日が愛した女たち―金正男の従兄が明かすロイヤルファミリーの豪奢な日々」 http://booklog.jp/item/1/4198613699(レビュー) この...
同書は、金正日の妻の一人、映画俳優の成蕙琳の姉が書いた自伝である。ちなみに彼女の息子、李一男は韓国に亡命し、 「金正日が愛した女たち―金正男の従兄が明かすロイヤルファミリーの豪奢な日々」 http://booklog.jp/item/1/4198613699(レビュー) この本を出したあとに、北朝鮮のスパイとみられる者に射殺された。 私はこの息子の本を先に読んだため、この家族は最初から北朝鮮では非常に恵まれた成分(身分)に属し、なんの苦労もしていなかったのだ、と思っていた。 しかし、同書の著者の人生はそんなに楽なものではなかったようだ。 日本植民地下のソウルで生まれ暮らし、敗戦後、日本の地主が引き上げたあとは、日本人から家を引き受けるなど、知識人層である上に、非常に裕福な家庭に暮らしたようだ。 しかし、ブルジョアであったにも関わらず彼女の両親は共産主義を信奉し、人々に土地を分け与え、決して贅沢をすることはなかったという。 そんな中、朝鮮戦争が勃発。母は子供たちをおいて一足先に北朝鮮へと行ってしまう。著者は、体の弱い妹を連れて、大人に見捨てられ、苦労しながら必死で北へと移動する。 南にいたときよりも、いい生活が待っている、と思った彼女の目に映った北朝鮮は非常に貧しそうだったという。そんな中でも、必死で生きていく家族だが、「南から来た」共産主義者らに対する粛清の嵐の中、ブルジョアでもあった彼女らはどんなにがんばっても非難の対象になった、という。 生活の苦しさのため、妹は俳優養成学校に入れられる。そこで人目を惹く美人だったという妹は、映画好きだった金正日の目をつき、同居生活を始める。 そこで妹は、著者と母を官邸に呼び、息子「正男」の家庭教師にするのだった。 官邸での生活は、北朝鮮の生活からすれば、非常に恵まれたものではあっただろう。しかし、「贅沢」よりも「教育」を重視して苦しい生活を送ってきた家族にとって、それは決していい生活ではなかったようだ。 著者の母(当時としては非常に有名な知識人だったらしい)が金正日の官邸に、日本や韓国のものを含む、世界の名著を集め続けた、というエピソードがある。それは、金正日をはじめとして孫である正男に読ませたいという気持ちもあっただろう。しかし、本当の理由は、金日成、金正日への個人崇拝が始まり、それと相いれない書籍が処分されてしまうという国で、また国の機関が海外の本を購入する能力がない状況で、せめて官邸にそういった本を集めておけばいつか北朝鮮の人々が読めるようになる、と考えたらしい。実際に、官邸に集められた本は、北朝鮮の図書館に送られることもあったという。 同書は共産思想に心酔しながらも、北朝鮮で苦労を重ねた知識人の自伝だ。彼女もまた、不自由な国から亡命した。しかし、息子のいる、そして息子が殺された韓国にはいかなかった。今でもヨーロッパの某国に住んでいるという。
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日本占領中韓国に住み、戦後北朝鮮へ渡り、金正日の家庭教師、金正日の妻の姉である著者の話。 北朝鮮の様子を知ることができるが、メディアを通してできているイメージとあまり変わらないような印象を受けた。人に対する評価は違いはあり、そこは直接接していた著者だからこそ感じられるところなのだ...
日本占領中韓国に住み、戦後北朝鮮へ渡り、金正日の家庭教師、金正日の妻の姉である著者の話。 北朝鮮の様子を知ることができるが、メディアを通してできているイメージとあまり変わらないような印象を受けた。人に対する評価は違いはあり、そこは直接接していた著者だからこそ感じられるところなのだと思う。
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著者は金正男の義理の伯母。母の代からの激動の家族史。文章は少し分かりにくいけど時代に翻弄された人生の記録は貴重。 日帝時代の1935年にソウルの地主の家に生れた著者が,解放後,共産主義に傾倒し,北朝鮮に渡り,その後,女優になった妹が金正日に見初められて正男を産んだために,ロイ...
著者は金正男の義理の伯母。母の代からの激動の家族史。文章は少し分かりにくいけど時代に翻弄された人生の記録は貴重。 日帝時代の1935年にソウルの地主の家に生れた著者が,解放後,共産主義に傾倒し,北朝鮮に渡り,その後,女優になった妹が金正日に見初められて正男を産んだために,ロイヤルファミリーの一員として長く過ごすことになる。自分の結婚は十年に満たずに死別している。 家が地主だったことで,父も母も思想闘争で大変な苦労をしてきた。母も烈女で,女性が虐げられる世の中を打開してくれる共産主義に魅了されて,ソウルに娘たちを残して北へ渡るとか,すごい意気込みだ。それなのに共産党には裏切られてばかりなのはつらい。 朝鮮戦争の時に母と妹とともに北朝鮮へ渡った。後半のロイヤルファミリーの一員としての生活。物質的には満たされても外部との接触を抑えられ,絶望の高級監獄生活。 息子の一男が南朝鮮へ亡命したのも,それに我慢が出来なくなったからだし,著者自身も最終的には西側へ脱出している。行方知れずになった一男から13年ぶりに電話がかかってくるが,南朝鮮の情報機関(安企部)の影を感じ,素直に喜ぶこともできない。結局一男は暗殺され,著者は南朝鮮の仕業と断定してた。
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朝鮮半島の問題について考える際に役に立つ。 南がより発展して、北を受け入れる余裕が出来るまで 待つしかないという著者の諦めを感じる。
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