異神(上) の商品レビュー
神は人の思念の中で縦横無尽に変化していく。新羅明神、摩多羅神など、その習合と変化を丹念に追った名著。久しぶりに再読。下巻もまた読む。
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常ならざる神々、即ち「異神」。文化の終着点である我が国では、流伝する異国の思想と我国固有の信仰とが渾然一体となり独自の精神世界が構築されていった。白蛇の老翁を頭上に掲げる宇賀弁財天、比叡山常行三昧堂の後戸にひっそりと祭られる摩多羅神、異形の行疫神牛頭天王……動乱の歴史の中で忘れ去...
常ならざる神々、即ち「異神」。文化の終着点である我が国では、流伝する異国の思想と我国固有の信仰とが渾然一体となり独自の精神世界が構築されていった。白蛇の老翁を頭上に掲げる宇賀弁財天、比叡山常行三昧堂の後戸にひっそりと祭られる摩多羅神、異形の行疫神牛頭天王……動乱の歴史の中で忘れ去られてしまった異神たちを、中世の儀軌を頼りに再び蘇らせる。密教のテキストが引用されるので、そういうものに親しんでいない人には辛いかも。
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