香水 の商品レビュー
嗅覚に取り憑かれた男性の物語。 主人公は、嗅覚で全てのものを認識するので、暗闇や壁の向こうのものも見えずとも認識できる。 人は視覚や聴覚で事物を認識していると思っていたが、嗅覚も侮れない感覚器官だなと感じた。
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おもしろかった!けっこう時間かかってしまったけど、グルヌイユの人生がどの方向に進んでいくのか、ずっと予想できないまま読めて楽しめた。 香りの力って本当にすごい。「体臭がない」=「存在しない」みたいにあらわされてて、匂いに狂う人たちが描かれてて怖かった。 あとがきにあったけどフラン...
おもしろかった!けっこう時間かかってしまったけど、グルヌイユの人生がどの方向に進んでいくのか、ずっと予想できないまま読めて楽しめた。 香りの力って本当にすごい。「体臭がない」=「存在しない」みたいにあらわされてて、匂いに狂う人たちが描かれてて怖かった。 あとがきにあったけどフランス革命前のパリってめっちゃ臭かったんやな。。今の私にはそんな生活考えられません。香りって実は外見とか中身よりある意味大切で強烈で、その人を判断する基準になる時がある。 実はグルヌイユがもっとバンバン人殺しすると思ってたら全然そうじゃなくて、って思ってたら後半にいっきに殺してたな。笑 タイトルに騙されたけど「殺人」とかがテーマじゃなくて、本当にただ「香り/香水」の話だった。 グルヌイユが関わった人がことごとく死んでいくのが怖くて良かった。本当に人間か、はたまた悪魔か神様か。 香水によってたくさん愛や欲しいものを手に入れても、においのない自分は満たされなかった。最後は自分をニオイで覆って、香りのようにこの世から消えてしまった。処刑台のあたりとか、本当に奇想天外、不思議なお話。
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匂いで人操るのすご、てか発想がすごい 体臭しないだけで存在感てなくなるんだ この本を読んでる間、主人公のことを果たして人間だと思って読んでいたのかどうか怪しい かと言って何と表現するのも難しい 激しい違和感があったのは確かだからきっとずっと忘れられないと思うけど人に説明するのが...
匂いで人操るのすご、てか発想がすごい 体臭しないだけで存在感てなくなるんだ この本を読んでる間、主人公のことを果たして人間だと思って読んでいたのかどうか怪しい かと言って何と表現するのも難しい 激しい違和感があったのは確かだからきっとずっと忘れられないと思うけど人に説明するのが難しいと思う 本筋に関係ない人物がもう登場させることは無いからって作者によって殺されてるのがツボだった
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匂いのない無個性な男であるときは、彼の人間性に何の親しみももてないように描かれている。しかし、人間の体臭を放つ香水を手にしたあとの、(覚醒とも思われる)変貌ぶりを読むと、匂いというのがいかに、この作品に置いて重要であるかが伝わってくる。古典のような単純な構成ではあるが、匂いの描写が緻密で、とても面白い小説であった。
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異様に優れた嗅覚を持つ男、グルヌイユが理想の香りを追い求めるがあまりに殺人を繰り返す。 最初から最後まで、噎せ返るような匂いに溢れている。
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※このレビューにはネタバレを含みます
まず記しておきたいことが、翻訳の素晴らしさ。 文章から、この物語をつかさどるにおい/香りだけでなく、触感、目の前の景色、登場人物達の体にあらわれる心拍数や体温の変化まで自分の五感でもって追体験しているような感覚になった。 香りに取り憑かれてねじれていくグルヌイユ。 生みの親からも愛されず、彼を利用し搾取する者はいても彼にあたたかな感情を向ける者はいない。 そんな彼の歪みは第一として、グルヌイユに関わった人間たちにも、誰の心の底にもあり得るぎらついた欲望や卑しさが曝されえがかれている。 良くも悪くも、人間くさい人々。 グルヌイユの所業はグロテスクで、人を殺めることに対して罪悪感という概念をもたないゆえにことさら残酷であることは間違いない。 しかし、香りが喚び起こす衝動を類稀な才能と感覚で精製した彼の所業は無駄が無い。 歪な美学があるそれから目をそらしきれない。突き詰めた純粋と狂気は紙一重であるのかもしれない。 体臭を持たず、万人の心を虜にし操ることのできる香りをつくりあげても彼そのものが愛されることは終ぞなく、他人からもそして自分自身からも人間として愛し尊重されることのなかったグルヌイユ。 そんな彼がえらんだ結末は、ねじれゆがんでいても愛を求めた、人間くさい願望を持った一人の人間としての、愛おしさすらおぼえてしまう哀れさがあった。
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ジャン・バティスト・グルヌイユという名が忘れられなくなるほどに強烈な個性と才能をもった主人公でした。
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面白かったです。映画を先に観てしまったけれど原作のこちらも凄かった…削られてるエピソードあったんだな。。 天才的な嗅覚を持ってて香りで何もかも知る事ができるけど、自分自身には匂いが無い…それをグルヌイユが思い知るシーンが何度かあって、それも至高の香りを求めることへ拍車をかけたのか...
面白かったです。映画を先に観てしまったけれど原作のこちらも凄かった…削られてるエピソードあったんだな。。 天才的な嗅覚を持ってて香りで何もかも知る事ができるけど、自分自身には匂いが無い…それをグルヌイユが思い知るシーンが何度かあって、それも至高の香りを求めることへ拍車をかけたのかなと思いました。 確かに、見たくないものは目を瞑れば見えなくなるし、聞きたくないことは耳を塞げば聞こえなくなる。でも臭いを完全に遮断する事は難しくて、良い匂いも悪い臭いもダイレクトに心に影響を及ぼしてくる。そう思うと臭いを掌握することで人を支配できるというのは強ちトンデモでもないのかも。 「神はこの程度の香り」みたいなグルヌイユの思考にハッとしました。 でも映画でも原作でも、ラストにグルヌイユが食べられるのが分からないです。キリスト教には聖体拝領があったりするから、聖なる高貴なもの=取り入れたい体内に、という考えで捉えるのかな?と思っているのですが正しいのかわからなくてもやもや。(キリスト教徒の人にこの辺の教えを請うていますが無教会派だった為カトリックは詳しくないようで、まだ答えがない為後々追記しにくるかも)
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映画を2年半ほど前に見て、1年半ほど前にドイツ語の原作を読み、やっと邦訳原作を読むに至る。訳者は文庫版あとがきにて映画化に際してどう匂いを表現するのかと書いている。先に映像を見てしまったから言えるが、なるほど視覚的に表現するために苦労したものだなと思う。もう一度映像を見てみないと...
映画を2年半ほど前に見て、1年半ほど前にドイツ語の原作を読み、やっと邦訳原作を読むに至る。訳者は文庫版あとがきにて映画化に際してどう匂いを表現するのかと書いている。先に映像を見てしまったから言えるが、なるほど視覚的に表現するために苦労したものだなと思う。もう一度映像を見てみないと是非が分からない部分もあるだろう。しかしながら全体的には、「やはり映像よりも、活字を通しての想像にこそふさわしい。」という訳者の言葉に賛同せざるを得ない。
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人殺しの物語という副題は少し合わないと思う。 天才香水調合師の数奇な生涯といったところか。 匂いにしか存在価値を見いだせない主人公が最高の香りを求めて旅する。土地も取り巻く人々もころころと変わるが、一番の見所は主人公の心の変化。 香りの表現がこれでもかと押し寄せ、思わず身の周...
人殺しの物語という副題は少し合わないと思う。 天才香水調合師の数奇な生涯といったところか。 匂いにしか存在価値を見いだせない主人公が最高の香りを求めて旅する。土地も取り巻く人々もころころと変わるが、一番の見所は主人公の心の変化。 香りの表現がこれでもかと押し寄せ、思わず身の周りの匂いを嗅いでしまう1冊。お気に入りの香水を用意して読むもよし、無臭の空間を探して読むも良し。
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