カントを読む の商品レビュー
著者が明言しているように、いわゆる通説的カント読解を示した入門書ではないため、そもそもカントはどういった読まれ方をしてきたか、また他の著名な哲学者達はどう扱ってきたかという思想史的理解が必要である。 そのため、門外漢である自分のような者にとっては非常に難解で、あとがきの「自分の...
著者が明言しているように、いわゆる通説的カント読解を示した入門書ではないため、そもそもカントはどういった読まれ方をしてきたか、また他の著名な哲学者達はどう扱ってきたかという思想史的理解が必要である。 そのため、門外漢である自分のような者にとっては非常に難解で、あとがきの「自分の言葉とふつうの日本語で語り、批判哲学の思想が著者および読者の方々が生活している現代社会の文脈のなかでどのような意味をもっているかを忌憚なく率直に表現し綴った記録」という言葉を鵜呑みにして気軽に読もうと思うと痛い目を見る。 <第3講 カントの多元主義と可謬主義>、<第4講 多元主義の立場と政治哲学>の一部分はおぼろげながらも理解できるところがあったのは、割と例示しやすい実践的事項に触れているからだろうか。 とにかく、まだしっかりと受け止めるには困難であるので、一応☆評価はするが、これはあくまでフラットな意味でしかないので注意して欲しい。
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