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魂の記憶 の商品レビュー

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2010/05/13

 本書の中心は、ゲリー・シュワルツの「シュワルツの仮説」。興味深い具体例を散りばめながら面白くこの仮説を紹介する科学読み物だ。「シュワルツの仮説」とは「私たちの住むこの世界は様々なシステムにより構成されており、それらすべてのシステムは、なんらかの情報を発したり受け取ったりしている...

 本書の中心は、ゲリー・シュワルツの「シュワルツの仮説」。興味深い具体例を散りばめながら面白くこの仮説を紹介する科学読み物だ。「シュワルツの仮説」とは「私たちの住むこの世界は様々なシステムにより構成されており、それらすべてのシステムは、なんらかの情報を発したり受け取ったりしている。その情報のやり取りのなかで、システムに記憶が宿る」というもの。 この本の面白さは、「シュワルツの仮説」を傍証する興味深く分かりやすい事例を次々にとりあげて展開されていく点。とくにホメオパシーの事例と、心臓移植患者にその提供者(ドナー)の人生の記憶が入り込む「心臓の記憶」の事例とが興味深かった。 ヨーロッパの代表的な代替医療であるホメオパシーの治癒原理を「シュワルツの仮説」から考察。ホメオパシーとは何か、ホメオパシーでなぜ治るのかを知るための読み物としても面白い。心臓移植患者に、そのドナーの記憶が甦るという事例が、これほどに多く、無視できない事実として研究され、複数の出版物があることまでは知らなかった。

Posted byブクログ