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黒い悪魔 の商品レビュー

3.7

10件のお客様レビュー

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2020/10/04

著者の作品を読むのは本当に久しぶり。フランス史の歴史小説。主人公のことは本作を読むまでは全く知識なし。それでも楽しく読めたのもいつも通り。主人公が理屈っぽく鬱屈するのもいつも通りだが、今回はちょっときつかった。共感半分、うっとおしい半分。現代の会社社会でもよくある感情。

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2019/03/29

奴隷から将軍になった男 カリブ海のコーヒー農園の白人農園主と黒人女奴隷との間に生まれた混血児が、父の祖国フランスへ渡り、軍人となる。 やがて膚の色と勇猛な巨躯から、敵に「黒い悪魔」と恐れられた。 皇帝ナポレオンも一目おいた文豪デュマの父親の破天荒な人生。 主な舞台はフランス...

奴隷から将軍になった男 カリブ海のコーヒー農園の白人農園主と黒人女奴隷との間に生まれた混血児が、父の祖国フランスへ渡り、軍人となる。 やがて膚の色と勇猛な巨躯から、敵に「黒い悪魔」と恐れられた。 皇帝ナポレオンも一目おいた文豪デュマの父親の破天荒な人生。 主な舞台はフランス、フランス革命の頃。 この時代を取り上げた作品はたくさんありますが、奴隷から這い上がった主人公の視線からの作品は面白いです。 この主人公の心の葛藤や不器用な生き様も、その魅力の1つであります。 ナポレオン・ボナパルトとの確執が非常に面白い。 一見すると出世物語のようですが、その半生から家族や息子(「三銃士」の作家であるデュマ)が希望となり後の文豪を誕生させることになるのですね。

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2017/05/29

強い。 ちょっと性格があれやけど、豪快さが気持ちいい。 息子の話も読まないと。 あ、三銃士読んでねえや。 まずそっち読まないと。 最後の方読みながら、今の息子が自分をどう見るのか考えてしまって、なんかちょっとへこんだ 笑 。さすがにここまでのヒーローにはなれまい 笑 。

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2013/10/14

アレクサンドル・デュマの父を描いた作品。 白人農場主と黒人奴隷の間に生まれたアレクサンドル・デュマが、将軍にまで上りつめる。 傲慢でコンプレックスを抱えた主人公は魅力があるとは言えないが、時代の流れと生き方は面白かった。 主人公の生き方が、後の作家デュマに影響していると思わせる...

アレクサンドル・デュマの父を描いた作品。 白人農場主と黒人奴隷の間に生まれたアレクサンドル・デュマが、将軍にまで上りつめる。 傲慢でコンプレックスを抱えた主人公は魅力があるとは言えないが、時代の流れと生き方は面白かった。 主人公の生き方が、後の作家デュマに影響していると思わせる描写も楽しい。

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2012/01/25

P.167  いかにも積極果敢で結構なかぎりであるが、それが例外ひとつ認められないとなると、現場は閉口せざるをえない。命令に従わない場合は無論のこと、あまりの困難に逡巡の態度を示しても、あるいは無茶を強行したあげくに惨敗を喫しても、すぐさま将軍は引責され、問答無用に更迭を言い渡さ...

P.167  いかにも積極果敢で結構なかぎりであるが、それが例外ひとつ認められないとなると、現場は閉口せざるをえない。命令に従わない場合は無論のこと、あまりの困難に逡巡の態度を示しても、あるいは無茶を強行したあげくに惨敗を喫しても、すぐさま将軍は引責され、問答無用に更迭を言い渡されてしまうのだ。人民を裏切る行為だとか、祖国の敵とみなさなければならないとか、さんざ誹謗中傷されたあげくに、ときには断罪されてしまうのだから、これでは堪ったものではない。 P.177 びくびく主人の顔を窺うばかりで、どうすれば気に入られるか、それしか考えられなくなってしまうからだ。  そんな自分は大嫌いだと思うのに、卑屈に言葉を選ばなければ済まされない。どれだけ従順な僕を演じても、心が救われるわけではない。生きるとも、死ぬとも、自分では明日を決められないからだ。他人に運命を握られながら、ただの一瞬も自由を感じられないからだ。その息苦しさが最近、やけに思い出されてならない。

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2011/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あのデュマの父上が、こんなにドラマティックな重い人生を生きた人だったとは知らなかった。庶子としての父との対立、黒人の血、軍での活躍、恋による改心、革命、ナポレオンとの対立、砒素。このドラマがなければ、デュマのあの作風も生まれなかった様な気がする。

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2010/03/21

佐藤賢一のアレクサンドルデュマ三部作?のその1. アレクサンドルデュマの父が軍人として活躍する部分を描いている。なにげに、三部作の最初の巻を最後に読むことになってしまった・・・ 父と子の関わりや思いを3部作で表現していて、しかも3人とも結構人生のすごしかたが結局にているのが印象的...

佐藤賢一のアレクサンドルデュマ三部作?のその1. アレクサンドルデュマの父が軍人として活躍する部分を描いている。なにげに、三部作の最初の巻を最後に読むことになってしまった・・・ 父と子の関わりや思いを3部作で表現していて、しかも3人とも結構人生のすごしかたが結局にているのが印象的。 結局、真ん中の褐色の文豪がメインで、本作は著作の元となった父の活躍を描き、象牙色の賢者は後日談を書いているような気がする。 一巻だけでもそれなりに読めるだけでなく、3つ全部よむとまた別の見えてくる側面もあると思う

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2009/10/04

適当に手に取った本なのにちょうど実習で教える内容についての本だった。すげー。 「はん」って言葉が鬱陶しい。 主人公がやたらと斜に構えてるあたりは読んでてイライラした。 が、内容はなかなかのスケール。

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2009/10/04

アレクサンドル・デュマの父の生涯。 フランス革命の背景を知らなかった私はナポレオンと出会ってからのフランスの時代背景が目の前に広がって、もっと知りたい!と思える一冊になった。

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2009/10/04

●かの大文豪アレクサンドル・デュマの父と子にかかる三部作の第1作。 これはデュマの父親、“黒い悪魔”と呼ばれたカリブ海生まれのトマ・アレクサンドルにまつわる物語。 なにゆえ黒い悪魔なのか。 それは、このアレクサンドルが、貴族と奴隷の間に生まれたコンプレックスを火種に革命期のフラン...

●かの大文豪アレクサンドル・デュマの父と子にかかる三部作の第1作。 これはデュマの父親、“黒い悪魔”と呼ばれたカリブ海生まれのトマ・アレクサンドルにまつわる物語。 なにゆえ黒い悪魔なのか。 それは、このアレクサンドルが、貴族と奴隷の間に生まれたコンプレックスを火種に革命期のフランス軍に身を投じ、おのれ一人の肉体を味方と恃んで獅子奮迅に戦う姿から。 コンプレックス。重要ですねえ。 やはり佐藤賢一は、ダメ男一代記を書かせたら、右に出るものはいないのです。 まあ、ダメ男ったって当人の自己認識の問題で、傍から見る分には十二分にすごいわけですが。 人によっては、そんなのただのイヤミだと思うのでは? しかし、どの主人公も、どうにも鬱屈を抱え込んでるんだよなあ・・・・。 それが最終的に昇華されるのが、ポイントと言えばポイントなんでしょうかね。 ●にしても今回は、多少食い足りない印象が。 ダメ男に喝を入れる豪儀な女もまた、佐藤作品のポイントだと思ってましたが、デュマの恋女房マリー・ルイーズのインパクトが普通すぎた・・・。 強くて男を感化したおす女と言うのは毎度なんですが、軍人のデュマを家庭でおとなしく待つ女性。 出奔して男を慌てさせるような女ではない。 それはそれでたいしたことではあるんですが、やはり佐藤作品のヒロインは、すっとんきょうでナンボ! い、いや、たまには男を落ち着かせてやれよと思うこともあるから、その意味じゃ合格点なんだけど。 うーん、どうでしょう・・・。

Posted byブクログ