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「眠れる巨象」が目を覚ます の商品レビュー

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2010/07/02

創業100年を超える印刷業界の老舗・凸版印刷。 45年前に業界トップの座を大日本印刷に奪われてから 2位の座にとどまっている同社を著者は「眠れる巨象」と表現する。 2000年6月に就任した足立直樹社長の下、「印刷業界のナンバー1」 を目指して同社が進める経営改革の内容を描く。 凸...

創業100年を超える印刷業界の老舗・凸版印刷。 45年前に業界トップの座を大日本印刷に奪われてから 2位の座にとどまっている同社を著者は「眠れる巨象」と表現する。 2000年6月に就任した足立直樹社長の下、「印刷業界のナンバー1」 を目指して同社が進める経営改革の内容を描く。 凸版印刷は受注産業、装置産業、労働集約型産業というこれまでの 印刷会社の宿命から脱して、21世紀型の情報コミュニケーション 産業を創造しようと試みる。 この挑戦の核心となるキーワードがリーダーシップ、 ベンチャー性、ミッションの3つ。 まずは「公家集団」とも言われる社風を変革すべく、 人材育成に力を注ぐ。 「トッパンMBA」と呼ばれる全社員が自由に参加できる講座を 設けるほか、2000年からは幹部育成を狙い、各役員が「役員塾」を 開催している。 売上高1兆円を超える大企業でありながら、新しい商品、 サービスに果敢に取り組むベンチャー性を備えているのも 同社の特徴であると著者は指摘している。 インターネット地図検索サービスの「マピオン」、 占いやゲーム、ビジネス情報などデジタルコンテンツを販売する 「ビットウェイ」、電子ペーパーなど、同社が離陸させつつある 新事業を紹介する。 伝統ある企業でありながら、ベンチャー精神を持ち、 絶えず挑戦していることに驚きました。 業界研究に良い一冊です。

Posted byブクログ