童謡の秘密 の商品レビュー

合田道人(著者)

2024/05/21

筆者はシンガーソングライターで、本署の前に2002年に「童謡の謎」を出版してベストセラーになり、当時の童謡ブームの火付け役になったらしい。本署はその続きのような位置付け。

どんぐりころころ、桃太郎、サッちゃんなどの歌詞に隠された秘密を分析している。筆者の解釈で書かれてるものもあれば、実際に作詞家にインタビューして確かめたというものも。

なかなか面白かったのはグリーン・グリーンだ。元はアメリカの歌で、放浪癖のある母親とそれを受け継いでしまった子供が自由を求めて旅立つという内容で、それを日本の訳詞家が明るい曲調に合わせて別の物語を充てたのだとか。

ただ、その訳詞の解釈は筆者の見解で書かれている。パパが去ってしまう理由を、訳詞された頃の世界情勢(ベトナム戦争など)に重ね合わせた悲しいものだった、という解釈だ。

聴く人や曲のできた背景を辿ると、童謡はいろんな解釈ができるもののようだ。