関東に大王あり の商品レビュー
本書はもともと1987年発行の古い本であり、著者は古代史の専門家ではないとあるが、多くの古代史の著書を上梓している在野の権威である。 本書の、関東稲荷山古墳鉄剣の金石文についての古代史の考察は、現在読んでも古さを感じさせない。 一般人とのやりとりで、古代史をめぐる伝統的権威...
本書はもともと1987年発行の古い本であり、著者は古代史の専門家ではないとあるが、多くの古代史の著書を上梓している在野の権威である。 本書の、関東稲荷山古墳鉄剣の金石文についての古代史の考察は、現在読んでも古さを感じさせない。 一般人とのやりとりで、古代史をめぐる伝統的権威との違いを表現した本書の書き方もわかりやすく理解できて読みやすい。 本書の視点の一つは、現在でも多くの論議がある5世紀の日本において、大和朝廷の支配が関東にまで及んでいたのかの考察であるが、本書の関東の地方権力が独自にあったとの結論は、現在でも完全には否定できてはいないと思った。まさに古代史の謎である。 本書はリラックスして楽しめる謎とロマンに満ちた本であると思う。
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