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環境が大学を元気にする の商品レビュー

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2010/08/29

サブタイトルは「学生がとったISO14001」。千葉商科大学のISO14001取得の取組。消極的な学生群を確認した著者は、学生主導でエコキャンパス作りに挑戦できないか、具体的な取組としてISO14001を取得し、その活動・経験を日々の生活の場で活かし、卒業してからもそれぞれの職場...

サブタイトルは「学生がとったISO14001」。千葉商科大学のISO14001取得の取組。消極的な学生群を確認した著者は、学生主導でエコキャンパス作りに挑戦できないか、具体的な取組としてISO14001を取得し、その活動・経験を日々の生活の場で活かし、卒業してからもそれぞれの職場で環境倫理に基づく生き方を実践することで職場を変えていくことができる信念を持った学生を育てることができないか、という実験にとりくんだ。 これは学生の成長物語である。最初はたった2人の学生から始まった活動が、多くの学生を巻き込んで発展していく物語である。企画書を書くことすら出来なかった学生が、次第に成長し、シンポジウムを計画し、エコクイズで環境キャンペーンを行い、エコシンボルマークの公募をし、教官や地域住民をも巻き込んで様々な課題を現実化していく物語である。教授会で教官に対して、入学のオリエンテーションで新入生を前にパワーポイントでプレゼンをする。ゼミですら自分の意見をきちんと伝えることが出来なかった学生が、こんなふうに成長していく物語なのである。 学生と教官のコラボレーションとして、ISO14001を取得する。大学の教職員と学生の幸せな関係。著者も含めて、教官の学生に対する眼差しが優しい。大学生なんだからもっと自分で考えて、自律して活動しろ、なんてことを思うのはもう古い人間で、今時の学生との付き合い方としてはこれは一つのモデルなのだろう。 学生が成長していく様は、読んでいるだけで涙が出てきてしまった。うれしいのである。

Posted byブクログ