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思い出のマーニー(下) の商品レビュー

4.2

46件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マーニーの正体がわかる瞬間、世界が逆転しミステリー小説のような驚きがあった。 めでたしめでたしの感動的ラストではあるけど、こうだったらなというような優しい世界だなあと思った。 本筋はアンネの混沌とした心の内側であったり、世界への向き合い方の変化であったりなので、生き辛さを抱えてる子どもや、かつてそんな子どもであった人には刺さる作品だと思う。 子どもって、イマジナリーフレンドを作ったりもそうだけど、現実と空想の世界が無理なく混ざり合ってるなかで生きてるんだなあ。 そんな子どもの心に寄り添って描かれている名作だと思う。

Posted byブクログ

2024/03/22

1980年の出版である。原題はWhen Marnie Was There? 1967である。書かれてから13年もたって翻訳された。もっと早く翻訳されていれば子ども時代にも読んで記憶があったであろうが、初めて読んだ気がする。  あとがきで著者から直接家の写真ももらったと書かれている...

1980年の出版である。原題はWhen Marnie Was There? 1967である。書かれてから13年もたって翻訳された。もっと早く翻訳されていれば子ども時代にも読んで記憶があったであろうが、初めて読んだ気がする。  あとがきで著者から直接家の写真ももらったと書かれている。  100分で名著では1回で結末まで説明されたが、話が急展開するのは下巻である。  小学生が今読んでも面白いと思われる。

Posted byブクログ

2024/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻を読んでみた。上巻の「よくわからない」を取り消したいくらい面白かった。 マーニーがいなくなって、それが幻だとアンナが気が付く。 しめっち屋敷の新しい住人『リンゼー家』の人々との交流が下巻のメイン。 アニメはマーニーとアンナの交流がメインで、マーニーが実は祖母だったという事までは分かったけど、『寂しい少女が見た幻』という認識しか持てず、バタバタと終わってしまった印象だった。見終わっても「だから、何?」と思ってしまった。 原作はマーニーとの交流の上巻。それと比較して下巻は『リンゼー家の人々』との交流がメインで、単なる『寂しい少女が見た幻』というだけではない事が分かってよかった。 アニメでは『自分が普通ではないと思っているアンナ』という描かれ方だったけど、原作は『自分は外側にいて、内側には入れないアンナ』が描かれている。 アニメはエンタメだからわかりやすく『普通』という単語を持ってきたのかなとも思うけど、私は『外側』という言葉の方がしっくり来た。 自分と外の世界との繋がりの物語。 「普通という誰かが作った枠」ではなくて、「自分が作ってしまった『内側』と『外側』」が原作の物語。 マーニーは『内側』の物語として語られていて、最終的に「マーニーが祖母で、祖母が元々しめっち屋敷に住んでいた」という繋がりが『外側』であるリンゼー家の人々と繋がっていく。この繋がりに読んでいて、震えてしまった。アニメではそこがなかった。 アニメではしめっ地屋敷の新しい住人「彩香」という少女が日記を見つけて、アンナに見せてくれる。それを見て、アンナはマーニーの存在に疑問を持つ……となっていたけど、原作ではマーニーとの出会いが終わってから、しめっち屋敷の新しい住人達との交流が始まる。だから、アンナは最後までマーニーの存在は疑っていない。二度と会えなくなるまでは。 新しい住人たちは『5人の子供たち』と『その母親+父親』で、彼らを通してアンナは「心をすり減らさずに人と接する事」を学んでいく。 日記を見せてくれたのは「プリシラ」という変わった少女。彼女の他に4人の兄弟たちがいる。どの子たちも魅力的に書かれている。人数が多いので若干うるさくも感じるけど、それもまた「一人きりのマーニー」との対比のような気がする。 リンゼー家の人々はすごく優しくて気さくで、アンナが「ボートの小さな錨」を黙って持ち帰っても怒ったりしなかった。何か理由があると考えてくれる思慮深い人たち。アンナは後からちゃんと謝って、錨が実は「マーニーのもの」と確定した時点でそれはアンナが所有してもおかしくないものとして、「キレイに塗り直す」ことまで提案してくれる。 リンゼー家の人々の優しさが、アンナの心を解いていくのが読んでいてわかる。そして、「おばちゃん」も彼女たちに会って、アンナに真実を話そうと決心する。実は「アンナはマリアンナという名前だという事」を。 この辺りはアニメでは一切なかった。(お金の話はあったけど)名前が実は変えられていたなんて……日本版で名前を変えるのは無理だろうけど。おばちゃんはアンナを「自分の子供にしてしまいたくて、元の名前の半分を消した」と。正直、それはないだろとは思うけど、そのありえない事をしてしまうくらいに「アンナが欲しかった」という気持ちは分かる。 アニメはなんだか、「アンナの自力と運」だけで「祖母の事を知って自分も頑張ろうと思った」と言う風に見えたけど、原作は「たくさんの人と関わる事で変わっていくアンナ」が描かれている。 最終的には「みんな自分が外側の気分になる事もある」という事にアンナ自身が気が付いてる。 「自分は一人ではなかった」という着地点ではなくて、「みんなそう思っている」「人と繋がれる瞬間はある」「そして、一人きりの気分の時もある」というのが原作だった。 私はこっちの方が好きだ。 安易な「みんな繋がっていて、一人ではない」というものよりも、「一人きりの気分(外側)のときもあるけど、繋がっている(内側)の時もある」のほうが感覚として分かる。でも、エンタメとしてはそんな中途半端な作りにしたら、売れないのかな……とは思うので、アニメはアニメで刺さる人には刺さるのだろうとは思う。私は無理だっただけで。 アニメにモヤんとした人は、原作読んで。特に下巻。マーニーと別れた後が本当に面白いし、アンナが成長していくから。とお勧めしたい。 素敵な物語、ごちそうさまでした。

Posted byブクログ

2023/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p199が印象的だった。 映画を見たときはまだ経験が少なくて、あまり心に響かなかったけど、いま大人になって本を読んだら感動できた。目から汗が出た。p206らへん。 アンナは血のつながった家族を早くに亡くしてしまったけど、優しいひとが周りにたくさんいて、周りに恵まれていたことを自覚できてよかったなと思う。

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2023/06/21
  • ネタバレ

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とっても悲しいけれども、心温まるお話でした。 そう、気づくでしょうけれども マーニーはあるとても悲しい経験をしていました。 なぜ風車小屋を怖がったのか… それと最後に思わぬ事実が突き付けられます。 大事な言葉がいっぱいあるので 大人でも突き刺さる要素は多いはずです。

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2023/06/05

下巻では、マーニーとの別れと新たなる出会いの話。 新たなる出会いの方でアンナの心もどんどん回復していきます。 新たなる出会いの家族がとてもいい家族で。 そしてマーニーの正体も明らかに。

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2021/08/18

そうか。マーニーはそうだったのか。奇跡の繋がり。でも必然。友達ができて信頼できる大人に出会えておばさんと想いを通わせることができて愛情を注いでくれた家族の存在を知って、心を開くことを自分に許したアンナ。内側も外側もあっていいしどちらも自分なんだと認められたアンナはきっともう大丈夫...

そうか。マーニーはそうだったのか。奇跡の繋がり。でも必然。友達ができて信頼できる大人に出会えておばさんと想いを通わせることができて愛情を注いでくれた家族の存在を知って、心を開くことを自分に許したアンナ。内側も外側もあっていいしどちらも自分なんだと認められたアンナはきっともう大丈夫だ。難しい年頃の子ども達はみんなこの本を読んでみたらいい。

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2020/11/26

かたくなに心を閉じている少女アンネが、不思議な少女マーニーとの交流を通して心を開いていく様子が見られる作品。スタジオジブリで映画化されているので、映画と楽しむことが出来る。この下で、アンネはついにマーニーの思いがけない秘密を知る。上に引き続き、ドラマティックな体験が出来る一冊。

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2018/10/29

ジブリ版との差異検証用の元ネタ下巻 風車小屋事件が冒頭で描かれた後は、追加の登場人物など趣を変えて謎解き編に続く。 ジブリ版は、事件と謎解きが同時進行してサスペンスを盛り上げる構成に脚色しているが、元ネタはいたってシンプル。 ?しめっち屋敷へ引越してくる子供は原作は何と5人兄弟...

ジブリ版との差異検証用の元ネタ下巻 風車小屋事件が冒頭で描かれた後は、追加の登場人物など趣を変えて謎解き編に続く。 ジブリ版は、事件と謎解きが同時進行してサスペンスを盛り上げる構成に脚色しているが、元ネタはいたってシンプル。 ?しめっち屋敷へ引越してくる子供は原作は何と5人兄弟(盛りすぎだなあ) ?発見されたマーニーの日記からエドワード関連のページが破り取られているというのはジブリ版のアレンジらしい。 ?最後の謎解き前に、アンナとおばちゃんの和解はあるが、「おかあさん」とまでは呼ばない。 ?アンナに盗癖が? 小銭、マーニーのボートの錨。前者はちょっと生々しく、ジブリ版ではどちらもオミットされている。 ?ワンタメニーが生き証人の役回りなのだが 物証的な迫力がなく、いまひとつ伏線になっていない。 ?結局、風車小屋事件の真相って エドワードに克服を迫られていたマーニーは遂にひとりで行くことに ↓ 2階スペースで怖くて?気を失う(風の強さに外に出られなくなる) ↓ マーニー行方不明の知らせを受けて、村で捜索隊が編成される。 ↓ 心当たりのあったエドワードは、いち早く風車小屋でマーニーを発見。ふたりで小屋を出る。 ↓ ばあや、ねえやのネグレクト、ライトないじめが明るみに ↓ マーニー寄宿学校行きに 原作では、アニメで印象に残った、風車小屋のマーニーに男性ものの外套がかけられているような描写(妄想、回想ともに)はなし。 こちらも、米田監督のフェチ的な絵作りと思われる。 (サイズの大きい男性もののコートで身体を隠してシクシク泣いている女性という画は、そういう連想しか湧きません。勘違いしました。本当にありがとうございました)

Posted byブクログ

2017/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

養母の元からとある老夫婦の元へ預けられることになったアンナ。 心を開くことのできる家族も友達もいない。 そんなある日、不思議な少女、マーニーに出会う。 みるみる打ち解け、強くひかれ合う二人だったが…。 スタジオジブリで映画化、『思い出のマーニー』の原作本を読んだ。 今年は児童書を色々と読んでみたいなと思っていたので、ぴったり。 児童書…本当にあなどれない。 海外文学&上下巻の壁にドキドキしつつミーハーな気持ちから読み始めたものの…面白かった! ざっくりあらすじのようなものを読んで何となくこういうこと?と考えていたよりももっと深く、切ないお話だった。 ミステリのようなドキドキ感も味わえるので、先入観をなるべく持たずに読まれる方がおすすめ。 映画を観る前に読んでしまって失敗したかも…!と若干後悔も。 映画を観てからこの本を読んだらどんな感想を抱くのか、今となっては味わえない感覚だけにそちらも気になっている。

Posted byブクログ