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伊豆の国 改訂版(第1集) の商品レビュー

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2009/10/04

伊豆は美しい。気候は温暖で、緑に溢れ、花咲き乱れ、果物もたわわに実る。温泉があり、海に囲まれ、海の幸、山の幸にも恵まれている。問題は交通手段だ。そもそも、下田が条約港に選ばれたのは一見、江戸に近いように見えても天城を越えて江戸まで辿り着くにはずいぶんと日数が掛かる。海路は三浦半島...

伊豆は美しい。気候は温暖で、緑に溢れ、花咲き乱れ、果物もたわわに実る。温泉があり、海に囲まれ、海の幸、山の幸にも恵まれている。問題は交通手段だ。そもそも、下田が条約港に選ばれたのは一見、江戸に近いように見えても天城を越えて江戸まで辿り着くにはずいぶんと日数が掛かる。海路は三浦半島の浦賀で止められると思っての洗濯だった。昭和三十年代に伊豆急行(今日もなお単線のまま)が開通するまでは陸の孤島だった。それゆえ、自然も風物も江戸の頃のまま残されている場所が少なくない。川端康成は伊豆の里山と温泉を愛し、三島由起夫は伊豆の海を愛でた。私もこよなく伊豆を愛す。しかし、日本中の田舎がそうであるように伊豆も少子高齢化と都市への一極集中により疲弊している。それを何とかすべく伊豆に足を運び、伊豆に学んでいるのだ。『伊豆の国』シリーズは恰好の入門書である。

Posted byブクログ