ザッカリー・ビーヴァーが町に来た日 の商品レビュー
ある夏の日、トビーの住む何もない町に「世界一太った男の子」が来てからの数週間の話。 楽しいだけの毎日のはずが、なんだか冴えないこと続き。「見せ物」の少年が来たことをきっかけに、町の人それぞれの新しい一面に気づき、トビーもまた自分が永遠に子供では居られないとうっすら気付き始めるそ...
ある夏の日、トビーの住む何もない町に「世界一太った男の子」が来てからの数週間の話。 楽しいだけの毎日のはずが、なんだか冴えないこと続き。「見せ物」の少年が来たことをきっかけに、町の人それぞれの新しい一面に気づき、トビーもまた自分が永遠に子供では居られないとうっすら気付き始めるそんな時期。 この時期に、親友に許してもらえる失敗をするのは、きっとその後の大切な糧になるだろうな。それに、生きていくと悲しいこともたくさんあるんだ、と知ったトビーは、きっと素敵に年をとっていけるでしょう。 隣家の憧れのお兄さんとか、素敵な女の子とか、麦畑とてんとう虫とか、情景が目に鮮やか。
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1971年 テキサスの田舎町で、変化のない退屈な夏を過ごしていた 13歳の主人公は、派手なトレーラーで見せ物としてやってきた 「世界一ふとった少年」をなんとなく見に行く。 その小さな出来事が、小さな町に、退屈な毎日に、ゆっくりと波紋を作り・・・ ゆったりとカントリーミュー...
1971年 テキサスの田舎町で、変化のない退屈な夏を過ごしていた 13歳の主人公は、派手なトレーラーで見せ物としてやってきた 「世界一ふとった少年」をなんとなく見に行く。 その小さな出来事が、小さな町に、退屈な毎日に、ゆっくりと波紋を作り・・・ ゆったりとカントリーミュージックが聞こえるような背景の中で、 登場人物(登場しない人物も含めて)ひとりひとりの 人生が進んでいく。 わたしの目に入る風景すべてが、 それぞれに意味をもち、背負う人生をもち、 すこしずつ関わりあって、そこにある。 <理解し、ゆるし、受け入れる>ことで、 薄い幕があがるように、それがはっきりと見えてくる。 ずっと心にあったけれど まじまじと取り出したことのなかった想いが 目の前に広げられたようで、物語のおわりには、胸がつまってしまいました。 これが人生さ。
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「ルイジアナの青い空」の作者の第2作。翻訳順は逆かな。 少年が主人公で、児童書もしくはヤングアダルトとしても読めます。 テキサス州アントラーという何もない?田舎町が舞台。 トビーは素直で好奇心の強い13歳の男の子。 親友のキャルと一緒に毎日元気いっぱいに遊び回っている…はずでした...
「ルイジアナの青い空」の作者の第2作。翻訳順は逆かな。 少年が主人公で、児童書もしくはヤングアダルトとしても読めます。 テキサス州アントラーという何もない?田舎町が舞台。 トビーは素直で好奇心の強い13歳の男の子。 親友のキャルと一緒に毎日元気いっぱいに遊び回っている…はずでした。 けれども、母親が歌手のコンテストにナッシュビルに出かけていて長く留守になっています。町には応援の幕も掛かっているのですが、優勝なんかして欲しくないのがトビーと父の本心。 それにキャルの兄でトビーも大好きなウェインが、ベトナムに行っているのです。 そんなとき、町に「世界一太った少年」という触れ込みのショーがやってきます。トレイラーの中には巨大な同じ年頃の男の子… 少年の夏に影を落とすいろいろな出来事がありありと描かれ、痛みを覚えつつもみごとに成長していきます。 十分大人の鑑賞に堪える内容。 ザッカリー・ビーヴァーは実在したそうです。作者自身が13歳の時に出会い、優しくしたいと思いながら何も出来なかったのだとか。
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1999年度全米図書賞受賞作。この賞の受賞作には、はずれが少ない。テキサス州の何もない町に住む少年のひと夏の話。見世物である、‘世界一太った少年’ザッカリー・ビーヴァーとの出会いと別れ。『たんぽぽのお酒』のようで、人生の苦味がちらちら見え隠れする。登場する大人たちも、それぞれが印...
1999年度全米図書賞受賞作。この賞の受賞作には、はずれが少ない。テキサス州の何もない町に住む少年のひと夏の話。見世物である、‘世界一太った少年’ザッカリー・ビーヴァーとの出会いと別れ。『たんぽぽのお酒』のようで、人生の苦味がちらちら見え隠れする。登場する大人たちも、それぞれが印象深い。気が優しすぎて、職務上言わねばならないきついことが、なかなか言えず、チックになってしまった保安官のリーヴィが特に。
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何も起こらないテキサスの田舎町にトレーラーがやってきた。2ドルで世界一太った少年を見せる見世物のトレーラーが。ザッカリー・ビーヴァーがやってきて、退屈な13歳の夏に変化がおとずれる。
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何も起こらないテキサスの田舎町にトレーラーがやってきた。2ドルで世界一太った少年を見せる見世物のトレーラーが。ザッカリー・ビーヴァーがやってきて退屈な13歳の夏に変化がおとずれる。
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1971年夏。 アメリカテキサスの片田舎に住む13歳の少年トビー。 少年の母はカントリーシンガーになるための コンクールに出場しにベガスへ行ったきり 少年と父親を捨てて、帰ってこなかった。 また大好きな親友の兄もベトナム戦争へ出征してしまった。 そんな人生の悲哀...
1971年夏。 アメリカテキサスの片田舎に住む13歳の少年トビー。 少年の母はカントリーシンガーになるための コンクールに出場しにベガスへ行ったきり 少年と父親を捨てて、帰ってこなかった。 また大好きな親友の兄もベトナム戦争へ出征してしまった。 そんな人生の悲哀を味わうトビーの町に 世界一太った少年「ザッカリー・ビーヴァー」を乗せた 見世物トレーラーがやってきた。 やがて彼を連れてきた小屋主が行方をくらます。 大きな身体で、じっとトレーラーから出ようともしないザッカリー。 自分よりも惨めな少年がいることに トビーはなにかと世話を焼きだす。 やがて、そこには友情が…。 基本的には児童書であるが 大人が読んでも 十分読み応えのある作品だ。 切なく、心が温まる。 湾岸戦争、イラク派兵 そしてまたイラン核整備への牽制など アメリカの状況は 70年代ベトナム戦争の頃とあまりに似かよっている。 そんな今こそ、の1冊かもしれない。
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