変わる商店街 の商品レビュー
本書は「町おこし」の本であるが、単なるイベントを取材するだけの単調な本ではなく、商店街の興亡の歴史をも鳥瞰しつつ、高度成長期から現在までの状況の変化とその持つ意味までを考察している点が、著者らしいスタンスの本と思えた。 「シャッター通り」という言葉は、すでに誰もが知っているま...
本書は「町おこし」の本であるが、単なるイベントを取材するだけの単調な本ではなく、商店街の興亡の歴史をも鳥瞰しつつ、高度成長期から現在までの状況の変化とその持つ意味までを考察している点が、著者らしいスタンスの本と思えた。 「シャッター通り」という言葉は、すでに誰もが知っているまでに身近になっていると思う。繁華街の小さな商店街が寂れた現状は、すでにどこにでもあると思うが、それが生まれた歴史的経過とそれをどのように考えるべきかが、本書で考察されており、興味深く読めた。 「商店の盛衰と政策展開」「アメリカにおける大型店と商店街の興亡」等々を読むと、問題が単純な事ではではなく、構造的なものであるとはわかるが、本書でその解決策として取り上げられている「地域とともに生きる商店街」を読んでも、成功例はごく一部の事例ではないのかとも思える。 著者は「規制緩和論者ではない」とは語っているが、著者の著作は、どれも豊富な取材に基づく実例から導かれる考察が多いとは言えるものの、やはりどの成功例も一般化は難しいもののようにも思える。 要するに、成功例は数少ない有能な人間による特殊な例なのではないだろうかとの疑問もつきまとうのである。 しかし、本書で多くの奮闘する人々の姿を知ることは、興味深い。この世界をもっと知ってみたいと思わせる本であると思う。
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[ 内容 ] 衰退、空洞化が言われて久しい全国の商店街。 今、そんな各地の商店街に明るい兆しが見え始めている。 地域と一体化したイベントや「まちづくり会社」設立、SOHOとの連携、インターネットの活用など、新たな発想による再生に向けた多様な取り組みを丹念な取材でたどり、商店街復活...
[ 内容 ] 衰退、空洞化が言われて久しい全国の商店街。 今、そんな各地の商店街に明るい兆しが見え始めている。 地域と一体化したイベントや「まちづくり会社」設立、SOHOとの連携、インターネットの活用など、新たな発想による再生に向けた多様な取り組みを丹念な取材でたどり、商店街復活の方向性を探る。 [ 目次 ] 第1章 復活に向かうまちと賑わい 第2章 転身がつくる新しいまち 第3章 商店の盛衰と政策展開 第4章 店舗数が減少することの意味 第5章 バーチャル商店と商店街 第6章 アメリカにおける大型店と商店街の攻防 第7章 地域とともに生きる商店街 第8章 地域が賑わうということ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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地方の商店街は、壊滅状態なのかもと思っていたけれど、この本を読んで必ずしも壊滅状態じゃないことがわかった。 地方に産業がまだあるのかと思ったりもするけれど、人はまだ住んでいるし、生活基盤もまだあるようだ。ただ、その消費志向は変わっていて、駅前商店街→ロードサイド店と流れているよ...
地方の商店街は、壊滅状態なのかもと思っていたけれど、この本を読んで必ずしも壊滅状態じゃないことがわかった。 地方に産業がまだあるのかと思ったりもするけれど、人はまだ住んでいるし、生活基盤もまだあるようだ。ただ、その消費志向は変わっていて、駅前商店街→ロードサイド店と流れているよう。 消費者のニーズを無視して商店街を保護しようとしても、商店街は廃ってしまう。 現在、うまく行っている商店街の事例は、その殆どが地元店主のボランティアによる活動が多い。行政がもっている駅前復興レシピの中でも「駅前再開発」は乱発されてきたけれど、ソフトによる支援制度はうまく行っているとは言えない。「壊して作る」こんなふうにシンプルにはできないから、制度を把握するだけでも大変だ。 本書の内容に限って言えば、商店街について言えば、行政やコンサルといった部外者の助けは不必要なようだが、そこにはまだ可能性があるように感じる。
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