三つの花(4) の商品レビュー

吉屋信子(著者)

2013/04/16

ときは昭和始め、神戸に生まれ育った裕福な三姉妹が父を突然の病で亡くし生活の変化を余儀なくされる。美貌の長女を嫁に取ろうと画策する叔母、学校でなにくれとなく三女に張り合う同級生などの意地の悪いキャラクターの描写も生き生きして楽しい。
序文で著者自身がかつてはバーネットとオルコットを理想像として少女小説を書いていたこと、文筆のキャリアを積むうちにいつしか彼らの範疇を超えて大人向けの小説を書きたいと望むようになったことを述べている。それを踏まえた上で本作とオルコット「若草物語」を対比するのも興味深い。

2009/10/04

タイプのまったく異なる山内家の花の様な美しい三姉妹があらゆる不幸や困難の中でもけなげに明るく育って行く物語。百合的要素はあんまりありません。表紙・挿絵は松本かつぢ氏。