分岐点 の商品レビュー
戦争の不条理さと理想しか知らない少年。生と死が身近にあっても人間として生きるとはどういう事なのかを考えたりなんかした。
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今回は内地でアメリカを迎え撃つための拠点作りに駆り出された中学生の視点を通しての、日本人と戦争、そして終戦の物語。 他の作品と比べると、主張もそれなり、展開もそれなりで、正直いって衝撃を受ける読後感ではなかった。皇国の信念を持ち続けることに自分の存在意義を見出す少年と、それよりも...
今回は内地でアメリカを迎え撃つための拠点作りに駆り出された中学生の視点を通しての、日本人と戦争、そして終戦の物語。 他の作品と比べると、主張もそれなり、展開もそれなりで、正直いって衝撃を受ける読後感ではなかった。皇国の信念を持ち続けることに自分の存在意義を見出す少年と、それよりも自分の感情のあるがままに現実を見つめる少年との対比でこの物語は成り立っている。古処作品ではありがちな設定だが、やはり切ない。 少女と友人が銃撃され、動きを止める描写が生々しかった。
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戦争を知らない世代の目で見ると、かなり理解しがたいところは多い。感情移入もしにくいかなあ。だけどこの「衝撃の動機」ってのは、たしかに衝撃かも(新聞に載ってたキャッチコピーはちょっと大げさだと思うけれども)。
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終戦直前の日本が舞台。中学生までもが軍の下で働かされ、誰もが日本の敗戦を感じ取っているのにまだ『皇国』としか口にも態度にも出せない世界。そして、それによって抑圧され麻痺した精神状態が怖かったです。「理想的」なのであろう成瀬の姿は薄ら寒くさえありました。著者の作品を読むのは三作目で...
終戦直前の日本が舞台。中学生までもが軍の下で働かされ、誰もが日本の敗戦を感じ取っているのにまだ『皇国』としか口にも態度にも出せない世界。そして、それによって抑圧され麻痺した精神状態が怖かったです。「理想的」なのであろう成瀬の姿は薄ら寒くさえありました。著者の作品を読むのは三作目ですが、戦後生まれとは思えないくらいの作品を書く方ですね。
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太平洋戦争末期の沖縄戦。皇国少年が兵士を殺害した動機をめぐるミステリー仕立てになってます。古処誠二の現代物も好きなのですが、文章に品がありますよね。カノン砲とか書いてるくせに。
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この本に出合えたことがとてもしあわせです。 この作品では終戦間近の少年と大人を描いています。 ラストの成瀬の台詞が本当に本当に、ぎゅってきました。 日本が勝つと信じて信じて、本当はわかっているんだけどそれでも信じて。 ノンフィクション的な作品です。きっと同じような心理の方は実際に...
この本に出合えたことがとてもしあわせです。 この作品では終戦間近の少年と大人を描いています。 ラストの成瀬の台詞が本当に本当に、ぎゅってきました。 日本が勝つと信じて信じて、本当はわかっているんだけどそれでも信じて。 ノンフィクション的な作品です。きっと同じような心理の方は実際にいらっしゃると思います。
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通り一遍の戦争を書いた作品でもなく、掲載誌から考えられるようなミステリというわけでもない。皇国民が兵士を殺したことのホワイダニットミステリという形で、「軍とは何なのか」「戦争とは何なのか」「信念とは何なのか」を描き出そうとしていると思う。物語は本土決戦のための防空壕掘りに借り出さ...
通り一遍の戦争を書いた作品でもなく、掲載誌から考えられるようなミステリというわけでもない。皇国民が兵士を殺したことのホワイダニットミステリという形で、「軍とは何なのか」「戦争とは何なのか」「信念とは何なのか」を描き出そうとしていると思う。物語は本土決戦のための防空壕掘りに借り出された中学生を中心に若い将校の話が交差する。淡々と進んでいき、クライマックスですべてが明らかになる。なるほど、こういう動機か…。ありえる動機なんだよね。この時代なら。
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読んでいる期間、ずっと肌身離さず持ち歩いていた。どうしても物語の世界に浸っていたくて、わざとゆっくり読んだりした。戦争を主人公たちのような年代の視点から読むのは初めてだったから。
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