日本の神々 の商品レビュー
八百万の神ともいわれ…
八百万の神ともいわれる日本の神々について。
文庫OFF
谷川健一 「 日本の神々」 民俗学の本。アイヌ、奄美、沖縄などの神話や伝承から 日本民族の原初的な精神を紐解いている。日本民族の原初的な精神の中心である神々は、畏敬すべき先祖や先祖の魂のことだと思う 神話や伝承の凄さは、人の一生の中で 誕生を最大の危険と捉えていること。「誕...
谷川健一 「 日本の神々」 民俗学の本。アイヌ、奄美、沖縄などの神話や伝承から 日本民族の原初的な精神を紐解いている。日本民族の原初的な精神の中心である神々は、畏敬すべき先祖や先祖の魂のことだと思う 神話や伝承の凄さは、人の一生の中で 誕生を最大の危険と捉えていること。「誕生は 先祖が現世に再生する行為であり〜生と死の曖昧な境界であり、新しい生命をうかがう邪神が徘徊している」 出産のとき便所神が立ち会うというのも凄い。糞の力で邪神を撃退するところに驚く
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幅広く神々を取り扱っているが 少々散漫な印象的はあるかもしれない。 最初は言葉のつながりから語彙にイメージを与えていき。 中盤では歴史的な趨勢をおさえながら 神や霊的なものがどのような意味を持っていたか見せる。 終盤では実地の取材に即して展開する。 どうも、それぞれの部分だけ...
幅広く神々を取り扱っているが 少々散漫な印象的はあるかもしれない。 最初は言葉のつながりから語彙にイメージを与えていき。 中盤では歴史的な趨勢をおさえながら 神や霊的なものがどのような意味を持っていたか見せる。 終盤では実地の取材に即して展開する。 どうも、それぞれの部分だけでも ひとつの本に出来るだろうという気がするので 新書にまとめようとしたのが間違いかね。 八幡信仰のあり方から 沖縄の尚氏が九州から来たのではないかという話は 面白いけど、やっぱり脱線してるんじゃないかな。 とはいえ、沖縄でのユタの事例などは 死のあまりの近さを考えると 取材する信用を得るだけでも大変なものだろうと思う。 実直で地道な学者だ。
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「記紀」や「記紀」以前に興味を広げると、急に手探りの世界が広がります。 例えば、神社を訪ねたり、書籍を読むと、アラハバキ、ミシャグジ、蛇身信仰という言葉が説明もなしに、いきなり出たりします。少しでも知識を深めたいと本書を手にとりました。さすがに、泰斗と言われるだけあって、知らない...
「記紀」や「記紀」以前に興味を広げると、急に手探りの世界が広がります。 例えば、神社を訪ねたり、書籍を読むと、アラハバキ、ミシャグジ、蛇身信仰という言葉が説明もなしに、いきなり出たりします。少しでも知識を深めたいと本書を手にとりました。さすがに、泰斗と言われるだけあって、知らない話を多く聞けました。 イザナギ・イザナミとナーガの関連や天日槍と息長氏の接点などの指摘は、個人的に興味深いものでした。 やがて、こういった点の知識が線となり、小さくても面となる日が楽しみです。(来るのかな〜?)
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高田崇史「QED」シリーズの影響で読んだ。「QED」シリーズで取り上げられていたようなことがたくさん書かれていた。あと、作者の文章が読みやすい。沖縄について詳しく書かれていたので、今度は違う地方のも読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] かつて日本列島に住みなした人々は、風も樹も山もすべて「可畏きもの」をカミと考えた。 すなわち災いをもたらすものも、稔りや大漁をもたらすものも、およそ人の力の及ぶべくもないすべての自然が畏怖の対象であったのだ。 やがて天つ神に駆逐され、流竄の姿となっていくこれら神々の運命を辿りつつ、人々の暮らしの原像に迫る。 [ 目次 ] 第1章 神・祖霊・妖怪 第2章 外来魂と守護神 第3章 流竄の神々 第4章 創世神話の展開 第5章 生き神の思想と御霊信仰 第6章 神観念の拡大 第7章 神々を運ぶ海上の道 終章 回想の神々 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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カミは原初的には祖霊、死霊、妖怪の三者とも区別つかぬ存在であった。可畏きもの。 祭場と葬地 神社をモリと訓ませる。神の依代。ヒモロギからヤシロから神社。 ミヤと庭。 マナ、ゼチ、ケ モノに活力を与える外来の威霊、食物をケ、枯れるケガレ。 ウブ、ウム 魂、守護霊の役割。 赤...
カミは原初的には祖霊、死霊、妖怪の三者とも区別つかぬ存在であった。可畏きもの。 祭場と葬地 神社をモリと訓ませる。神の依代。ヒモロギからヤシロから神社。 ミヤと庭。 マナ、ゼチ、ケ モノに活力を与える外来の威霊、食物をケ、枯れるケガレ。 ウブ、ウム 魂、守護霊の役割。 赤子のウブワライ。 ウブガミ、山の神、狼と熊。 ウブスナ。砂から土へ。産屋、卵、籠る、先祖の再生。渚、常世、ニライカナイ。 荒ぶる国、葦原の中国、邪鬼へ 山人と鬼、天狗、ダイダラ坊、天邪鬼 伏儀と女禍、イザナギとイザナミ ナキ、ナミはナーガ 洪水神話。日本神話には原罪の発生となる洪水の原因が描かれていない。原罪観念の責任はスサノヲへ。楽園時代の郷愁は無く、ハハの国という原郷がある。 ヒルメは太陽の妻 からアマテラスへ エビス、ヨナタマ、ワタツミ、海霊 南への志向、それは日本民族渡来の道でもあった。常世の観念には、祖霊の住む島、または、穀物、果実の常熟する島がある。無限に遡行する祖霊たちの時間であり他方、南に繋がる遥かな空間である。
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国策や仏教その他の影響によって変容してきた日本の神々。その原型を探る。 日本の歴史を、人間として物心ついた弥生時代から現在までの長いスパンでとらえた場合、古事記・日本書紀はたかが中間地点…というような記述が冒頭あって、ものすごく感心してしまった。目からウロコとはこのことだ。内容も...
国策や仏教その他の影響によって変容してきた日本の神々。その原型を探る。 日本の歴史を、人間として物心ついた弥生時代から現在までの長いスパンでとらえた場合、古事記・日本書紀はたかが中間地点…というような記述が冒頭あって、ものすごく感心してしまった。目からウロコとはこのことだ。内容もたいへんおもしろく、私は今、かつてないほど日本の神々のことを理解している。が、実を言うと本書を読むのは2度目。以前読んだときは、あまりピンとこなかった。同じものを読み、同じ話を聞いても、自分の方に受け取れるだけのものがないと素通りしてしまうということが良くわかる。次回読むときは、もっと理解できるようになっていますように。
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主に南の島々・アイヌを中心に日本の土着信仰を考察した本。先人たちの考えに自分なりの解釈を加え、更には本人のフィールドワークもあり。儀式の描写はゾゾッとする。
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少し南寄りのトピックスが多いかなとは思いますが、神々のなりたちについて考える材料として、ものすごく活用させてもらっている本。通勤での携帯率がすごく高いので、もうぼろぼろです。保存用に2冊目を買おうかな…
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