なぜ日本の教育は変わらないのですか? の商品レビュー
著者が言うように、日本の高等教育は、瀕死の状態だ。 18歳人口は減り続け、現在は120万人(ピークは92年の180万人)。 92年以降、私立大学は334校から604校に増え、現在778校。 この10年で廃止された大学は10校を数える。 定員割れは250校を数え(約3割)、定員の...
著者が言うように、日本の高等教育は、瀕死の状態だ。 18歳人口は減り続け、現在は120万人(ピークは92年の180万人)。 92年以降、私立大学は334校から604校に増え、現在778校。 この10年で廃止された大学は10校を数える。 定員割れは250校を数え(約3割)、定員の8割未満の大学が114校(7割)。 出生数は今後60万にまで落ち込む。 半分以上の大学が規模を大幅に縮小するか、廃校になる。 今の若い研究者のポストは、少なくなるのが必須かつ不安定なものになる。 研究する場所も、ポストもなければ、 必然的に、日本のアカデミックは、競争力を失う。 このような中で大学教育の「質」が議論されて久しいが、 昨今の有名大学の学生の、集団強制わいせつ事件を見ていると、 教育の質の前に、人間として問題であり、犯罪行為をしてはいけないという、 教育が必要になっている。 最後に、 「英語が大切だ」と言われる。私はそう思わない。 著者もこの本で大学受験科目から英語を抜いた方が言っている。 私も、その意見に基本賛成。新学習指導要領にも、 相変わらず「グローバル化の対応=英語力強化」という文言が載っている。 不思議なのは、教育審議員の人にも、 文科省の人にもフェイスブックや様々なSNSを使って、 誰も【英語】で発信していないことだ。外国語を強化する一番適した方法は、発信することだと思う。 【言う側】は、出来ず、【言われる側】は、やらされる。この関係は、本当にまずいと思う。
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