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九時から五時までの男 の商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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エリンらしい、黒い味…

エリンらしい、黒い味わいの短編が多数収録されています。

文庫OFF

短編の名手の名に恥じ…

短編の名手の名に恥じない名編を10本収めた短編集。

文庫OFF

2023/11/20

ちょっと古い話で、かつ海外のなので、時々理解に苦しむ話もあって。七つの大徳なんかはもう完全に分からん。キリスト教だろうか。 とは言え全体的には楽しげで、やっぱりショートで推理小説というとユーモアは必要ってことかね。でも英国のに比べるとひねりが足りん、、とか言ってみる。 ユーモアは...

ちょっと古い話で、かつ海外のなので、時々理解に苦しむ話もあって。七つの大徳なんかはもう完全に分からん。キリスト教だろうか。 とは言え全体的には楽しげで、やっぱりショートで推理小説というとユーモアは必要ってことかね。でも英国のに比べるとひねりが足りん、、とか言ってみる。 ユーモアはないかもだけど、ロバートはなかなか、子供らしい純粋さと恐ろしさが入り混じって二転三転、気に入ってしまったよ。今も昔も子どもの扱いのなんと難しいことよ。

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2023/07/29

敬愛する藤子不二雄A先生が、中野信子氏の「悪の脳科学」の中の対談でこちらの作品に大きく影響を受けていると紹介していたので読みました。 A先生が影響を受けただけの事はある、と感じる不思議ななんとも後味の悪い短編が沢山収録されている。 知らぬ間に事件に関わることになる「ブレッシン...

敬愛する藤子不二雄A先生が、中野信子氏の「悪の脳科学」の中の対談でこちらの作品に大きく影響を受けていると紹介していたので読みました。 A先生が影響を受けただけの事はある、と感じる不思議ななんとも後味の悪い短編が沢山収録されている。 知らぬ間に事件に関わることになる「ブレッシントン計画」、蚤のサーカス団をやっていたという男が失踪した蚤を探す「蚤をたずねて」、表題の「九時から五時までの男」、代々続く処刑の電気椅子のスイッチを押す仕事をする男の話「倅の質問」が特に面白かった。 人というのは、表向きの姿だけではわからないものだなとしみじみ思う。

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2022/01/30

本を読むのが好きといいながら、恥ずかしいことに「エリンか、ダールか」というワードに「誰それ?」となってしまったので、今更ながら異色短編作家の龍と虎といえる両作家の作品に触れてみることにしました。   結果、私はエリン。 ダールの作品も面白く読めましたが、エリンほうが物語の端々に...

本を読むのが好きといいながら、恥ずかしいことに「エリンか、ダールか」というワードに「誰それ?」となってしまったので、今更ながら異色短編作家の龍と虎といえる両作家の作品に触れてみることにしました。   結果、私はエリン。 ダールの作品も面白く読めましたが、エリンほうが物語の端々に皮肉が効いていて好きでした。 特に魅せられたのは「蚤をたずねて」。 蚤が出てくる物語にグッと引き込まれ、真剣に読んだのは初めての体験でした。 これからは「エリンか、ダールか」という話題になったら「エリン!」と即答したいと思います。

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2020/11/25

「特別料理」で有名な短編の名手エリン。かれこれ作品集読むのは3冊目だが、やっぱり面白い。なんとなくオチの予想がつく話もあったが、それでも面白い。語り口がうまいのだ。 書き出しだけで42回も書き直したという逸話があるようで、作品としてはたかだか数ページなのだが、選び抜かれた言葉と巧...

「特別料理」で有名な短編の名手エリン。かれこれ作品集読むのは3冊目だが、やっぱり面白い。なんとなくオチの予想がつく話もあったが、それでも面白い。語り口がうまいのだ。 書き出しだけで42回も書き直したという逸話があるようで、作品としてはたかだか数ページなのだが、選び抜かれた言葉と巧妙な構成、見事なオチである。 以下収録作品。 「プレシットン計画」「神様の思し召し」「いつまでもねんねえじゃいられない」「ロバート」「不当な疑惑」「運命の日」「蚤をたずねて」「七つの大徳」「九時から五時までの男」「倅の質問」 中でも唸ってしまったのは「不当な疑惑」と「九時~」。列車で近くに座った弁護士の強烈に残った過去の事件についての話に思わず耳を傾ける主人公。法律の盲点を突いて、伯父を殺しておきながら無罪放免で釈放される甥兄弟も凄いのだが…このオチ。主人公が思わず車窓を叩くのもわかる(笑「不当な疑惑」。「九時~」は良き夫であり父親である50代の男性。物販会社のセールスマンという表向きの仕事が実は…以前読んだ「贋金づくり」と似ているが、こちらの方がよりスタイリッシュ。これは確かに妻の甥っ子を物販会社に紹介してあげるのは無理だよなぁ(笑。 とにかく「不当な疑惑」を読めただけでも私には価値ある1冊だった。その他の作品もラスト部分をよく読みなおすと、タイトルの意味がよくわかる。

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2010/05/14

スタンリイ・エリンの短編集。 ミステリ風味のある短編で、題材やとっかかりの謎がどれも魅力的。そして最終的にはキッチリとオチがついている。正直言うと最初の「ブレッシントン計画」は、はじめに読んだときはいまいちでこんなものかと思ったが、読んだ後に回想してみると良さがじわじわと伝わって...

スタンリイ・エリンの短編集。 ミステリ風味のある短編で、題材やとっかかりの謎がどれも魅力的。そして最終的にはキッチリとオチがついている。正直言うと最初の「ブレッシントン計画」は、はじめに読んだときはいまいちでこんなものかと思ったが、読んだ後に回想してみると良さがじわじわと伝わってくる。いわゆるスルメ的作品。 「不当な疑惑」はここではなにも書けないけど傑作中の傑作。 その他、自宅で暴行を受けた温室育ちの若妻にさらに降りかかる悲劇「いつまでもねんねえじゃいられない」や生き馬の眼を抜く社会で働く心構え(?)を書いた「七つの大徳」など。 どれもこれもテーマの取り上げ方がおもしろくてうなる。 しかし、どうも翻訳が古いかな。ねんねえって・・・(笑)

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2009/10/04

短編小説を料理に例える事が良くありますが、「特別料理」という代表作(勿論未読)を持つエリンの短編はまさにシェフが技を凝らした奇妙な味の特別料理。洒落ていて、読んでいるだけでちょっとゆったりとした至福の時。日頃、吉牛や立ち喰いそばで済ませてしまう事の少なくない食生活を「これじゃいか...

短編小説を料理に例える事が良くありますが、「特別料理」という代表作(勿論未読)を持つエリンの短編はまさにシェフが技を凝らした奇妙な味の特別料理。洒落ていて、読んでいるだけでちょっとゆったりとした至福の時。日頃、吉牛や立ち喰いそばで済ませてしまう事の少なくない食生活を「これじゃいかんなぁ」と思えてきます。

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