ユリシーズ(4) の商品レビュー
ブルームはスティーヴ…
ブルームはスティーヴンを喫茶店に連れて行き、モリーの写真を見せる。そのことをモリーに報告し・・・
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この量で、一日。しか…
この量で、一日。しかも期待するほど劇的なことは起こらない。「オデュッセイア」のパロディだと言われても、何がどう同じで違うのかを探すのがまず、大変。もはや“この膨大な本を読み通さねば”という奇妙な強迫観念のみが自己を突き動かす。読書を楽しみたい人ではなく、自分をとことんまで虐めぬき...
この量で、一日。しかも期待するほど劇的なことは起こらない。「オデュッセイア」のパロディだと言われても、何がどう同じで違うのかを探すのがまず、大変。もはや“この膨大な本を読み通さねば”という奇妙な強迫観念のみが自己を突き動かす。読書を楽しみたい人ではなく、自分をとことんまで虐めぬきたい人に、勧めます。
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最後のペネロペイアの章でのモリーの独白がすごい。何が凄いかって、男の幻想を打ち砕き、私の体は私のものというフェミニズムが勝ち取った主張が先取りされているから。ここに来て俗悪の意味が単なる露悪でなく、露人間であることに気づく。
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訳:丸谷才一・永川玲二・高松雄一、解説:結城英雄、エッセイ:池澤夏樹、原書名:Ulysses(Joyce,James)
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なんとか読了。ふう。 面白いかと言われると面白くない。 深いかと言われると深くない。 凄いかと言われると凄い。 ストーリーは「出かけて飲んで夜中に帰った」くらい。 主人公の考えも「おっ、いい女」とか。 そんなしょーもない内容を、考えられる限りの構成と表現方法で書き尽くした感じ...
なんとか読了。ふう。 面白いかと言われると面白くない。 深いかと言われると深くない。 凄いかと言われると凄い。 ストーリーは「出かけて飲んで夜中に帰った」くらい。 主人公の考えも「おっ、いい女」とか。 そんなしょーもない内容を、考えられる限りの構成と表現方法で書き尽くした感じ(ジョイスがドヤ顔してそうな気がする)。 ブルームの白昼夢?とかモリーの回想とか駄洒落とか文体模写のパロディとか勿体ぶった言い回しとかしつこいくらいの名詞の羅列とか「お前は中学生か」と突っ込みたくなるけど、ここまで徹底的に書いたところがジョイスの天才なんだろうか。 丸谷才一の「こう見えて実はエンターテイメント」とか 池澤夏樹のトルストイ、ドスエフスキーと比較した評価とか、解説は面白かった。 人生リタイアして暇になったら、各国語の辞書と片手に原文で読むのが正しいアプローチのような気がする。その前に聖書とシェイクスピアとイェイツを読破して。
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世紀の言語遊戯物語、遂に完結。小説が語りうるもの全てを詰め込もうとした本作を読みながら、自分は語り得るものについて考え抜き、晩年は言語ゲームに取り組んだウィトゲンシュタインの事を何度も思いだしていた。そういえばナポコフやボルヘスだって、語感や響きを楽しんだ言葉遊びの達人だ。そう、...
世紀の言語遊戯物語、遂に完結。小説が語りうるもの全てを詰め込もうとした本作を読みながら、自分は語り得るものについて考え抜き、晩年は言語ゲームに取り組んだウィトゲンシュタインの事を何度も思いだしていた。そういえばナポコフやボルヘスだって、語感や響きを楽しんだ言葉遊びの達人だ。そう、私達の言葉は時に、意味の重さに押しつぶされ、疲れきってしまっている。翻訳の向こう側に存在する言語感覚の快楽、それはブルームさんの残念な性癖以上にユーモアで満ちていた。難解さの彼岸で見えた楽しむことの喜び、それを何より大事にしたい。
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全4巻読了。 10ヶ月かけて読了。 第16挿話「エウマイオス」 覚えてない。 第17挿話「イタケ」 問答形式。 面白かった。 第18挿話「ペネロペイア」 句読点省略形式。 読者無視して突っ走って、最後にちらっとこっちを振り向いた感じ。 言葉で遊ぶこのスタイル、けっこう好き。
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ふう、最後まで行きました。17のイタケの問答調の文体は面白かったです。18ペネロペイアは最後までいくしかない、的でビートルズのアビーロードを想起させました。読んだ後、自分がまだまだこの小説を咀嚼できていないことをまず実感する、というすごい小説です。 それにしてもジョイスって女性...
ふう、最後まで行きました。17のイタケの問答調の文体は面白かったです。18ペネロペイアは最後までいくしかない、的でビートルズのアビーロードを想起させました。読んだ後、自分がまだまだこの小説を咀嚼できていないことをまず実感する、というすごい小説です。 それにしてもジョイスって女性の下着大好きですね。ユリシーズで彼は人間の欲望や猥雑さを肯定しました。フロイトとかぶるところがあります(フロイトが散々同時代のヨーロッパ人から非難され、ジョイスがアメリカで発禁になったのも理解できます)。談志は落語で人間の業を肯定しました。ぼくも医療の世界で人間の欲望や猥雑さや業を肯定するような形で医療をやっていたい。さて、どうやって形にできるか。
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ユリシーズ以前の「文学の百科事典」であり、 ユリシーズ以後をも含む「文体の百科事典」であり、 一日のできごとにして「アイルランドの歴史辞典」でもあり、人間辞典でもある! 読むのは確かに辛いけど、知らずのうちに中毒にもなる。 読後には読書観が一変すること請け合い! おふざけ満点の...
ユリシーズ以前の「文学の百科事典」であり、 ユリシーズ以後をも含む「文体の百科事典」であり、 一日のできごとにして「アイルランドの歴史辞典」でもあり、人間辞典でもある! 読むのは確かに辛いけど、知らずのうちに中毒にもなる。 読後には読書観が一変すること請け合い! おふざけ満点の一級コメディとも言える。yes!
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最終章「ペネロペイア」は圧巻でした。そんな表現方法アリ!?みたいな感じです。しかしなんともなぞのおおいさくひんですわほんとになにかんがえてこんなのかいちまったんでしょうねyes
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