1,800円以上の注文で送料無料

壺中の天国 の商品レビュー

3.7

31件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    14

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/06/25

倉知淳はなんというか、 いい意味でとってもスケールが小さいのがすき。 「ぼくらのまちの大冒険」感というか、 生活や日常に強く根付いた作品が多い。 この作品もなんだかんだその系統が強い。 「おたく」性っていうのは結局だれしもが持つものなんだよね、それがちょっと方向が変わるとああなっ...

倉知淳はなんというか、 いい意味でとってもスケールが小さいのがすき。 「ぼくらのまちの大冒険」感というか、 生活や日常に強く根付いた作品が多い。 この作品もなんだかんだその系統が強い。 「おたく」性っていうのは結局だれしもが持つものなんだよね、それがちょっと方向が変わるとああなってしまうんだよね、というしみじみとした説得性のためにあのページ数。 ただ、「日曜日の夜は出たくない」にも通じる、積み重なる日常にしのびよる非日常感とか、すぐ後ろをふりむけば殺人犯がいるかもしれない、みたいなぞくぞくする感じ、あれはこの枚数が重ねられたからこそという感じもする。

Posted byブクログ

2015/10/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

裏表紙の解説によると,「本格ミステリの歴史に燦然と輝く,第1回本格ミステリ大賞受賞作」とある。とはいえ,この作品は,犯人当て小説としては傑作とは言えない。真犯人は,主人公の牧村知子が参加した鉄塔建設反対の集会でセールスマンに質問するという方法で登場していた,「姫木ぼこ」を作っていた職人さん。意外な真相といえば意外な真相だが,フーダニットとしてはルール違反ギリギリだろう。 この作品の特徴は,被害者を繋ぐミッシングリングが,被害者の体に身につけていた金属だったという点そして,もう一つのポイントが,犯人が被害者の話していたことばを聞き間違えたという点になる。 「望儒」を「傍受」と勘違いし,「受け取っている」ということばを「電波を受け取っている」と勘違いし,「更新」を「交信」と勘違いし,「受診,痩身」を「受信,送信」と勘違いしたという部分は,猫丸先輩シリーズの作者らしいしかけだと思う。 登場人物のキャラクターは魅力的だし,文章も読みやすく,嫌いな作品では決してないのだけど,「本格ミステリ大賞」か…。そこまでの作品ではないような気がする。 心に残るような深みはないが,読後感は爽やかだし,そこまで期待して読むのでなければ,読んで損をするような作品ではないと思う。★3かな。

Posted byブクログ

2015/02/19

再読。自分だけの閉じたパラダイスの価値を認めながらも、その内部から自己批判するこの作品が、閉じた世界観を大切にする本格ミステリの大賞を取っていることは意義深い。

Posted byブクログ

2013/07/28

本格小説というよりオタク小説かプロファイリング小説みたいでした。 テンポの良さと次第に大きくなっていくミッシング・リンクの謎が読む人のペースを上げ、あっという間に読み終えてしまいました。細かい複線も沢山張り巡らされており、純粋に推理を楽しむことが出来ました。 しかし、アンフェアと...

本格小説というよりオタク小説かプロファイリング小説みたいでした。 テンポの良さと次第に大きくなっていくミッシング・リンクの謎が読む人のペースを上げ、あっという間に読み終えてしまいました。細かい複線も沢山張り巡らされており、純粋に推理を楽しむことが出来ました。 しかし、アンフェアとも言えそうな犯人設定だったので、カタルシスを得られない微妙な読後感でした。

Posted byブクログ

2012/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2001年版本格ミステリ第3位。長かった。がんばって読んだけど、正直がっかり。何か納得いかないわ。結局妄想持ちの人が犯人だなんて。最初の電波おばさんの手紙はいかにも精神の人って感じでちょっと懐かしい感じだったけど。しかしこの手の文章ってどうしてこうも読みにくいんだろう。何か謎解きに重きを置いてないんだろうけど、かといって日常の描写が面白いわけでもないし。正太郎の子供達に好きなことに没頭させることが大事、という説には大いにうなづくけど。

Posted byブクログ

2011/12/21

読みやすいので苦にはなりませんが、無駄が多い感じがしました。タイトルの「壷中の天国」、それを書きたいというのはわかるのですが、なかだるみしてしまいそう。期待値が高いと残念に感じるかもしれません。

Posted byブクログ

2011/09/15

電波は君の上で舞踏を始めた。くるりくるりくりりりりrrkるりrkるりrkkるりkrkる。 頭がおかしくなった。

Posted byブクログ

2010/06/22

第一回本格ミステリー大賞受賞作である、倉知淳著「壷中の天国」という作品を読みました。「本格ミステリー大賞」というのは、本格ミステリー作家クラブという、「本格ミステリー」というジャンルを発展させるために毎年優秀作品を表彰しようということを考えた作家たちが設けた賞で、2001年の第一...

第一回本格ミステリー大賞受賞作である、倉知淳著「壷中の天国」という作品を読みました。「本格ミステリー大賞」というのは、本格ミステリー作家クラブという、「本格ミステリー」というジャンルを発展させるために毎年優秀作品を表彰しようということを考えた作家たちが設けた賞で、2001年の第一回大賞を受賞したのがこの作品でした。 『Bookデータベースより』 「全能にして全知の存在から電波を受信している私を妨害しないで頂きたい」―静かな地方都市で奇妙な怪文書が見つかる。それは、あたかも同市で発生した通り魔殺人の犯行声明のようであった。その後第二、第三の通り魔殺人が起こるごとに、バラ撤かれる「電波系」怪文書。果たして犯人の真の目的は?互いに無関係に思える被害者達を結ぶ、ミッシング・リンクは存在するのか…。本格ミステリの歴史に燦然と輝く、第一回本格ミステリ大賞受賞作。 物語の主人公は、離婚して娘を連れてお父さんのもとに出戻ってきた若い(?)お母さん。彼女が発明好きの店主のいるクリーニング店でパートをしながら、同級生やもと居候たちと会話を重ねて行くうちに、通り魔殺人は連続して起こっていきます。 最初は他人事だったものが、徐々に危険を感じます。 怪文書の異常さ、ストーリーの途中で流れるモデラーの妙なくだり... 被害者を結ぶ共通点は?そして犯人の目的は??? 実は、犯人を特定し、被害者同士をつなぐ推理の中身については、ある人物が突然、そう読者からしてみると突然疲労しちゃうのですが、振り返ってみると、物語のあちこちにヒントが隠されていたという話でした。 さて、作品のタイトルである「壷中の天国」ですが、これは「壷中の天」とも言うようですが、中国の物語らしく、どういうものか?は作品の中で主人公の同級生が明かしていますので、ここでは説明を省きましょう。 壷の中のささやかな幸せ。しかし、いつかは壷の外に出なくてはならない。出られなくなった人は不幸なのか、幸せなのか....。

Posted byブクログ

2010/01/13

犯人を推理することがこの作品の醍醐味なんだろうけど、それを忘れて読んでしまったために(意図的に)読みづらい文章がかなりの分量あり、そこで挫折してしまった、と云うのが私の場合。犯人捜しのゲーム感覚で読まないと辛いんじゃないかなと思う反面、舞台となる稲岡や、主役の知子さんの生活が生き...

犯人を推理することがこの作品の醍醐味なんだろうけど、それを忘れて読んでしまったために(意図的に)読みづらい文章がかなりの分量あり、そこで挫折してしまった、と云うのが私の場合。犯人捜しのゲーム感覚で読まないと辛いんじゃないかなと思う反面、舞台となる稲岡や、主役の知子さんの生活が生き生きと描かれていたり、過剰な人たちの主観的な描写などはそれだけで引き込まれるものがあり、単なる推理ゲームではないことも強調しておきたいところ。

Posted byブクログ

2009/10/04

平凡な街に起きる連続殺人。 ばら撒かれる怪文書。 背景描写、人物描写がリアル。 世界がちゃんとあるというか。 本の中の街がちゃんと想像できて 人物の人生がある感じ。 とにかく文章が好みです。

Posted byブクログ