宿命の交わる城 の商品レビュー
文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…?王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカル...
文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…?王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカルヴィーノ文学の頂点。
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「タロット・カードの群れが浮きあがらせた絵物語、その意味を汲み取って、文字の世界へ再構築したもの」最後のカルヴィーノから読者へのメッセージも読み応えがあった。
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[ 内容 ] 文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…? 王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。 世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカルヴィーノ文学の頂点。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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この本はいろいろな人々が自分の旅をタロットカードになぞらえて進んでいきます。 タロットを持っているなら読みながら並べてみるのも面白いです。 そこからまた新しい物語を想像してみたりするのも一興かと思います。
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同作家の『柔らかい月』に苦戦していた最中、友達からカルヴィーノなら『宿命の交わる城』が読みやすくておもしろいと聞いたので読んでみることにした。 同じ人が書いているから勿論基本的には同じような語り口なのだが、別の作家のようにも感じられる本だった。 それに何より物語の作り方に...
同作家の『柔らかい月』に苦戦していた最中、友達からカルヴィーノなら『宿命の交わる城』が読みやすくておもしろいと聞いたので読んでみることにした。 同じ人が書いているから勿論基本的には同じような語り口なのだが、別の作家のようにも感じられる本だった。 それに何より物語の作り方にびっくりした。まるで初めて訪れる異国の地で見たこともない美しい風景を目にした時のような感覚を覚えた。目から鱗というのだろうか、心の膜がぺろりと一枚剥がれたような気分がした。 話はタロットを使って構成される。声ではなく指し示すカードの図柄で語り、そのカードは別の人の話とも交錯してまた別の意味合いで語られる。連なるカード、繋がる物語。もうそれは凄いとしか言いようがない。 そんな話だからややこしいし真剣に集中して読まないとまるでさっぱりついていけなくなるのだけど、新鮮でとても面白い。 描かれているタロットの絵もいい。私はしょっちゅう版画をやりたくなるのだが、またしても版画をやりたくなってしまった。
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面白いんだけど、肝心のタロットが小さく、ページも前後するので、見ながら読み進めるときにちょっとストレスが…いつかタロットを手に入れて、並べながら読みたい。そしてカバー、どうにかならんのか。
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久し振りに手に取ったカルヴィーノ作品。 宿命の交わる城、あるいは酒場で、無言の客人たちがタロットカードを用いて、自らの物語を語る。誰も声を発さず、食器の触れ合う音だけが響いているような情景の中、カードが一枚一枚並べられていく度に、場の静寂が徐々に揺らいでいく。 純粋にカー...
久し振りに手に取ったカルヴィーノ作品。 宿命の交わる城、あるいは酒場で、無言の客人たちがタロットカードを用いて、自らの物語を語る。誰も声を発さず、食器の触れ合う音だけが響いているような情景の中、カードが一枚一枚並べられていく度に、場の静寂が徐々に揺らいでいく。 純粋にカードの持つ寓意性を、語り手(著者)が妄想力によって紡いでゆく物語群。読み手の言語感覚や、想像力をぐらぐらと揺さぶってくる。 毎度の事だが、この作家は物凄い。
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