はじめてであうシートン動物記(8) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ついにシリーズ全8巻を完読しました。2巻に続いて敢えてまたクマで、しかもこの巻だけ1エピソード。なにかとっておきの物語なのでは?と少し期待して読みました。シリーズ最大最強の動物で、人を何人も殺し人間に与えた被害が最大、という点で確かに特別かもしれません。でも残念ながら、僕にとっては最も印象に残った物語にはなりませんでした。 さて幼稚園年長の息子への読み聞かせとしてシリーズを読んできたわけですが、彼も結構気に入っていたみたいです。終わっちゃったね、と残念そうです。シリーズを通して一番好きだったのは、旗尾リスらしいですね。他にも銀ギツネや峰の王者クラッグ(鹿)が印象に残っているみたいです。僕は結末が暗い物語が印象に残りました。主人を恋しがりながら死んだ犬の話や、姿を見せない他のクマに怯え最後は火山ガスで死んだクマの話。クラッグも暗い結末が印象を残しました。生き物は結局死んでしまうわけですが、動物の場合はなおさら生死のサイクルがあからさまで、観察しているとなにか悟るものがある、というのがシートン動物記の魅力の一つでしょうか。 ある程度決まったパターンがあるために、前に娘に読み聞かせしたときの僕のように全巻読まずに途中で離脱してしまう人も少なくないかもしれませんが、その繰り返しの中から学ぶこともあるというのが全巻読んでの感想です。ストーリー展開にバラエティを持たせる工夫も6巻から特に感じました。写実的で重厚感のある挿し絵もいいし、写真と解説を交えた図鑑部分が各話についているのもいいです。このシリーズ以外のシートンは長年手にとっていないので、内容がどう簡略化されているかは判断できませんが、小学生高学年が読んでも幼稚すぎるということはありません。総じてお勧めできます。
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