永遠の吉本隆明 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] なぜ安保世代、団塊の世代は彼の思想に魅せられたのか? なぜ共闘者との訣別を恐れず、「孤独」を貫きとおせたのか? 彼が貫いた思想の原則とはどこからくるのか? その誠実さゆえに「代償」としなくてはならなかったものはなにか? その思想にはどんな意義があり、私たちはなにを受け継げばよいのか? 吉本思想の「世界的同時代性」は、ほんとうに理解されているのか? 大いなる影響と敬意を認めつつも、新たな思想の展開を試みる橋爪大三郎による、二一世紀に向けたスリリングな挑戦。 [ 目次 ] 第1章 吉本隆明とはどんな思想家なのか(吉本隆明の全体像とその時代を考える;「近代という自由」と吉本思想) 第2章 吉本隆明の仕事を読んでみる(『擬制の終焉』が最初の転機だった;『共同幻想論』の独創性はどこにあるのか ほか) 第3章 吉本隆明はどう闘ってきたのか(「反核運動」への批判は、冷静な世界分析に立ってなされていた;マスメディアの犯罪報道に対し、吉本隆明は原則を貫いてきた ほか) 第4章 吉本思想と橋爪社会学と(私の社会学と吉本隆明;社会学とは何だろうか) 付録 吉本隆明はメディアである(一九八六) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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国家があるからこそ、自由である。 吉本氏は、徹底した反権力。国家の存在理由や価値を一切認めない。 キリスト教のそれまでの常識は悪魔とか国家とかにあるわけだから、教会をつくらなければ信仰を守ることができない、という考え方。 吉本氏は実直な方で、奇を衒わない。 吉本氏はドグマティック...
国家があるからこそ、自由である。 吉本氏は、徹底した反権力。国家の存在理由や価値を一切認めない。 キリスト教のそれまでの常識は悪魔とか国家とかにあるわけだから、教会をつくらなければ信仰を守ることができない、という考え方。 吉本氏は実直な方で、奇を衒わない。 吉本氏はドグマティックでリアリスティック。 吉本氏は、外部の権力、権威を信じない。一切のものを信じない。自分は個である。個人であり、何ものにも制約されずに自由である。そして文学を信じる。文学の理念を信じる。 吉本氏は本質的には共和主義者。
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