すらすら読める風姿花伝 の商品レビュー
能という「芸能」について考え抜いた本であるが、今日の私にも活かせる哲学ばかり。 「小5小6頃の、男臭さもない、かといって幼児めいてもない、美少年の時期のかりそめの人気に奢るな。表面的人気を舞台で披露しつつも、稽古は稽古でひたすら基礎の技術を大切に練習しなければならない。」 →子...
能という「芸能」について考え抜いた本であるが、今日の私にも活かせる哲学ばかり。 「小5小6頃の、男臭さもない、かといって幼児めいてもない、美少年の時期のかりそめの人気に奢るな。表面的人気を舞台で披露しつつも、稽古は稽古でひたすら基礎の技術を大切に練習しなければならない。」 →子どもの頃にひたすら基礎を積み上げる大切さ。教育にももちろん活きる。 「初心忘るべからず」に芸道の全てがこもる。子どもの頃から磨き上げてきた技術が24.5の頃に花開くと、珍しさも含め実力以上に評価されることがある。そこで慢心して落ちていった人を何人目の当たりにしたことか。 →24.5で花開くのは芸の道ならでは感あるが(スポーツとかはそうかな)初心忘るべからずは、どの年代にも言えると思う。 自分の能力に慢心した時がその人の能力の行き止まりである。「上手は下手の手本、下手は上手の手本なり」 →今は下の立場でいることが多いが、自分が人の上に立つ身になったときこそ、慢心をもってはいけない。何も意識していないと、無意識に自惚れてしまう。日々反省し忘れぬように。 まずは基礎、なにはともあれ自分の専門を固めよ。万事はそこから始まり、それ以外の道はありえない。 →あれこれと手をつけず、まずは1つを極めるべき。
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現代語訳があるので読みやすかった。能について書かれているけど、人としてどうあるべきか、みたいなことも参考になった。
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風姿花伝の全文が載っているわけではないが、現代語訳もわかりやすい。 岩波文庫の「風姿花伝」の、わかりにくい所を確認するために読んだ。 丁寧な本だったと思う。 【memo】 世阿弥の幼名は鬼夜叉 花のように美しい稚児だったらしい。 父観阿弥が52歳で亡くなり、数えで22歳ほ...
風姿花伝の全文が載っているわけではないが、現代語訳もわかりやすい。 岩波文庫の「風姿花伝」の、わかりにくい所を確認するために読んだ。 丁寧な本だったと思う。 【memo】 世阿弥の幼名は鬼夜叉 花のように美しい稚児だったらしい。 父観阿弥が52歳で亡くなり、数えで22歳ほどの世阿弥が一座を受け継いだ。
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風姿を伝える。花を伝える。 「ことさらこの芸、その風を継ぐといえども、自力より出づるふるまいあれば、語にもおよびがたし。その風を得て、心より心に伝うる花なれば、『風姿花伝』と名づく。」 先人の教えである風姿=伝統を伝えるだけでは不足で、言葉に表しがたい「花」をいかに伝えるか、と...
風姿を伝える。花を伝える。 「ことさらこの芸、その風を継ぐといえども、自力より出づるふるまいあれば、語にもおよびがたし。その風を得て、心より心に伝うる花なれば、『風姿花伝』と名づく。」 先人の教えである風姿=伝統を伝えるだけでは不足で、言葉に表しがたい「花」をいかに伝えるか、という話。 「花」とは「珍しさ、「面白さ」。この3つは同義。これをいかに実現するかの技=種。 「秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず」
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おすすめ資料 第71回 「花」を求めて古文を読む(2008.8.15) 作家の林望氏の手になる、『風姿花伝』の入門書です。 書名に「すらすら読める」とあるとおり、自分で古文を「読む」ことを目的とし、本文には大きめの活字を用い、旧仮名遣いや漢字にはルビを振っています。 一般的...
おすすめ資料 第71回 「花」を求めて古文を読む(2008.8.15) 作家の林望氏の手になる、『風姿花伝』の入門書です。 書名に「すらすら読める」とあるとおり、自分で古文を「読む」ことを目的とし、本文には大きめの活字を用い、旧仮名遣いや漢字にはルビを振っています。 一般的には、能楽の大家である世阿弥の芸能論と言われていますが、教育論として読むこともできます。 たとえば「年来稽古条々」では7歳から始め、12歳頃、17歳頃、24歳頃、34歳頃、44歳頃、50歳過ぎ、の7段階を追って、その年頃にふさわしい稽古の有りようや望まれる到達度について述べます。 「時分の花」と「まことの花」の違いを強調しますが、その年齢に備わった長所である「時分の花」も否定しません。 観衆を舞台に集中させるためのコツにも触れています。 観衆の様子によって演じ方に少し変化をつけるのです。 それだけでなく、卓越した為手(シテ、能の主役を演じる)は、観衆の好みに沿って「花」を使い分けることもできると言っています。 「一年中の花の種をもちたらんがごとし」、季節や場所、観衆に合わせて演じ方を変えられるのが、プロだということのようです。 世阿弥ほどの境地に達することは難しいとしても、私たちなりの「花」を求めてみるのも一興ではないでしょうか。
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初心忘るべからず。 祥平塾の2014年の菅沼師範の揮毫から。 単純に気持ちを引き締める意味だけでも大変重要。 是非の初心 時事の初心 老後の初心 を意識していきたい。
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文字通り「すらすら」読める。日本屈指の芸能論。代々、才のある者だけに相伝を許された秘伝書は、合理的思考に貫かれた人間観察の賜物であり、芸能の範囲を越えて広く応用できる。示唆に富む内容である。
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5年くらい前に読みたかったものの入手できなかった本。どういうわけか Amazon にあったので購入。厳しいお父さんという感じで、今の自分の考えからはずれていました。その点を認識できてよかったです。
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借りたもの。 芸の大成に至る心構えだけでなく、それは人生の普遍的な教訓としても受け止められる。また、親子の教育の姿勢としても倣うべき事も多かった。 題名通り読みやすく、現代語に噛み砕いて書かれているので初心者にはとても入りやすかった。 大切な言葉は洗練され、簡潔に書かれている。...
借りたもの。 芸の大成に至る心構えだけでなく、それは人生の普遍的な教訓としても受け止められる。また、親子の教育の姿勢としても倣うべき事も多かった。 題名通り読みやすく、現代語に噛み砕いて書かれているので初心者にはとても入りやすかった。 大切な言葉は洗練され、簡潔に書かれている。 学生時代に読んでおくべきだったと痛感…しかし社会人になった今でも倣うべきものは多々あると感じている。
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世阿弥の生き様に興味を抱き、どんな考え方をしていたのか知りたかったのですが……能は敷居が高く、また古典は難解であるので躊躇してたので、この本にとびつきました。 風姿花伝の内容的は、世阿弥が能を演ずるためにどのような心がけで修行を積んでいったらよいか、切実なる思いを込めて記した秘伝...
世阿弥の生き様に興味を抱き、どんな考え方をしていたのか知りたかったのですが……能は敷居が高く、また古典は難解であるので躊躇してたので、この本にとびつきました。 風姿花伝の内容的は、世阿弥が能を演ずるためにどのような心がけで修行を積んでいったらよいか、切実なる思いを込めて記した秘伝の書です。 中世の人とは思えない現実的で明解な思考を著した芸術指南書ではないかと思います。そのあたりの鋭さを残して現代語訳されているために、心に響くものがちゃんと伝わってくるのではないかと思われます。 この本に中学生位の時に出会いたかったです。 すらすら読めるシリーズは初めてですが、他も読んでみたいと思いました。
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