人間を幸福にする経済 の商品レビュー
経団連の当時の指針を指し示した内容。具体的な分析と対応策がわかりやすい。政党のマニュフェストもこのくらいの中身があるといいのだが・・・。内容が少し古いが、参考になった。一方で、当時問題とされている点が全く解決されていないことに危機感を感じてしまう。
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元トヨタ会長。 経団連としてのメッセージ発信であることに留意して読むべき。 まず企業が発展することが国のためになる、という前提がある。 そのために国に対して様々な要求を書きつづった本、と捉えて良いと思う。 だから視点は企業側に寄っている。 それでも、本書は企業や国が生き残るために何をすべきか考えるきっかけとなる。 新しい技術は、発明からその実用化までの間に「死の谷」があるという。 その「死の谷」を超えるための行政サポートが必要だという主張。 そして、基礎研究において他国に追いつくべく、国を挙げて目指すべきゴールはもうない。 そのため、サポートする分野を硬直的に指定するのではなく、個別にサポートすべき技術かどうかを検討することが求められる、と。 また、産業の競争力を高めるためには、国内製造業の空洞化はやむなし、と。 トヨタはこれまで、国内での生産に比較的こだわっていたように思う。 だからトヨタの元会長が言うと重い。 その代わり、技術面・資金面での競争環境にさらされることで、技術革新が可能となり、産業が成長すると言う。 これには賛成したい。 日本の市場は日々縮小している。 グローバル化は日々進んでいる。 生き残るためには、世界中の全ての企業と戦い、勝ち抜く必要がある。 そのためには、まずレースに参加することが非常に重要だと私は考える。 本書は東アジア経済圏の構想にも触れている。 もたらされるべきは平和、農作物市場開放、労働市場開放。 「平和」をキーワードとすることで日本がリーダーシップをとれるのだと主張する。 単独リーダーシップは難しいように私は思う。 しかしもしかすると、経済発展のためなら禍根を超えられるのだろうか。
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[ 内容 ] 改革の先送りはもう許されない! 巨額の財政赤字、激化する国際競争、少子化、高齢化の進展…。 足元から崩れてゆく日本をどう救うか。 財界トップが、異例の緊急提言。 「消費税一八%の現実予測」「政治寄付の促進」「州制の導入」「東アジア自由経済圏構想」など、タブーを恐れない改革メニューの真意を語る。 一方で、国民に痛みを強いるだけの政策に異議を。 医療や居住環境の改善策にも視野を広げる。 奥田ビジョンが掲げる「人間の顔をした市場経済」とは何か。 [ 目次 ] 序章 日本変革へのビジョン―周回遅れを取り戻すために 第1章 個人を社会の中心に―多様性とゆるやかな連帯の時代 第2章 企業の自律・地域の自立―「共感」と「信頼」の枠組みを 第3章 日本再生の前提―社会システムの再構築 第4章 新しい成長のための戦略―技術革新のダイナミズム 第5章 「第三の開国」を自らの手で―グローバル競争に挑む 第6章 日本経団連の決意―民主導の改革を実現させるために [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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2003年に日本経団連が発表した「新ビジョン」を当時の奥田会長が紹介した本。 2009年1月現在、実現の方向へ動いているもの、全く進展のないもの、逆に悪化しているもの。。。 当時のビジョンを考えた人達の先見性を検証しているようで面白かった。 内容的には、総論賛成的なものが多いので...
2003年に日本経団連が発表した「新ビジョン」を当時の奥田会長が紹介した本。 2009年1月現在、実現の方向へ動いているもの、全く進展のないもの、逆に悪化しているもの。。。 当時のビジョンを考えた人達の先見性を検証しているようで面白かった。 内容的には、総論賛成的なものが多いので、評価は★3つまで。
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本書は2003年、経団連初代会長であった元トヨタ自動車会長の奥田さんが発表した経団連の「新ビジョン」を広く普及させるために記した1冊である。 内容は各章のタイトルにある通りのテーマに沿って、それぞれへの「対策」について一般の人にも理解しやすい論調で説明していくといったものだ。 ...
本書は2003年、経団連初代会長であった元トヨタ自動車会長の奥田さんが発表した経団連の「新ビジョン」を広く普及させるために記した1冊である。 内容は各章のタイトルにある通りのテーマに沿って、それぞれへの「対策」について一般の人にも理解しやすい論調で説明していくといったものだ。 私がこの本を特に秀逸だと感じるのは、それぞれの対策について「過去」の遺物と棄却できないような提案を行っている点である。 しかし嘆かわしいことに、本書で提唱されている各案が現在において実行に至っていないどころか、それを実現するための体制が整ってすらいない状況であるということだ。 現在の経団連の凋落と一口に非難はできないが、強いリーダーシップをとってプランを実行しようとする人材はいないのだろうか。
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今後の日本のビジョンを示した本。さすが奥田氏で知見が深い。ただここで示した「幸福」を実際に享受することのできる日本人はどれほどいるんだろ。
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経団連初代会長、元トヨタ会長の奥田さんによる、うごめく世界経済の中での日本経済改革案を幅広くまとめ上げた一冊。これは我々日本人が生き残り、また、再興するための、実行を前提としたプランである。そのいくつかは既に、書かれた当時から現在の間に実現されている。
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