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霊に守られて の商品レビュー

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2019/06/20

あの宜保愛子さんの著書。 冒頭の娘さん?の手記を除けば心霊とはほとんど関係がなくて、戦前戦中を数奇な運命のもとで生きた二人の女性の物語(伝記とも創作ともつかない)。 霊体験のくだりで背筋がゾゾっとする話もいくつかあったけれども、全編を通じて流れているのは、意外なことに慈愛の心...

あの宜保愛子さんの著書。 冒頭の娘さん?の手記を除けば心霊とはほとんど関係がなくて、戦前戦中を数奇な運命のもとで生きた二人の女性の物語(伝記とも創作ともつかない)。 霊体験のくだりで背筋がゾゾっとする話もいくつかあったけれども、全編を通じて流れているのは、意外なことに慈愛の心というか、優しさでありました。 要するに生きている人に対しても亡くなった人のことも、時々思い出したり思いやったりする(死者においては、それを供養と呼んだりする)。それが人として何より大切なことではないか、という主張が一貫しているんですね。 霊能者としてどうだったのかという話は所詮は不可知なんだけど、その人生観については、ああこれは「本物」ということでOK、と納得したひとときでありました。

Posted byブクログ