ロサリオの鋏 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 暴力が駆けめぐるコロンビアの都市メデジンで、美しい殺し屋は死に囲まれて生きてきた。 鋏と銃弾、セックスと報復、快楽と苦悩の人生を。 彼女は8歳で犯され、男の局部を鋏で突いて復讐したことから鋏のロサリオと呼ばれていた。 中南米のスラムを舞台に、美貌の殺し屋を巡る痛ましくも美しいラブ・ストーリー。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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読んでいる間中、頭の中に鮮やかな原色で構成された色彩が、火花と音を立てて舞っていた。彼女を手に入れられないと分かっていながらも愛したアントニオ(彼の名前は突如物語の最後で判明する)、彼女を上手く恋人にしながらも共に堕ちていったエミリオ、そして彼女、ロサリオ・ティヘラス。ぴったりと...
読んでいる間中、頭の中に鮮やかな原色で構成された色彩が、火花と音を立てて舞っていた。彼女を手に入れられないと分かっていながらも愛したアントニオ(彼の名前は突如物語の最後で判明する)、彼女を上手く恋人にしながらも共に堕ちていったエミリオ、そして彼女、ロサリオ・ティヘラス。ぴったりとしたジーンズに臍の出るTシャツ、剥き出しの肩の混血女の彼女は奔放で、激情家。人殺しをした後は恐怖から過食する。よく泣くが、悲しみからではなく、ほとんどが悔しさによるもの。―何と泥臭い、人間臭いんだろう。姓が一つしかないコンプレックスを愛称で隠し、兄ジョンエフェを亡くす前から既に自分で自分の身を守っていた。実にかっこいい、惚れ惚れするような女殺し屋。それが彼女、ロサリオ・ティヘラス。・・・彼女が死ぬ前、アントニオはおそらく彼女に対して失恋したと言う確信を抱いていたと思う。だから、彼女について思いをめぐらす時、それはややドライな印象を受けた。彼が回想を続け、時折ふっと現実に戻るが時計はずっと同じ時刻のまま。この時計、実は壊れて止まっていたと言うのがまあ心憎いこと。この本でホルヘ・フランコを知り、彼を好きになった。
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