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白川静 文字講話(3) の商品レビュー

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2021/12/09

白川静 「 文字講和 3/4 」 日常の生活で使われる文字を通して語られる日本文化論の講演。 文字は 古代の共同体にとって、共同体の神に近い存在なのではないか? 文字を通して 神と交通し、文字を媒介して共同体が維持されている 「歌謡や舞楽は、神に訴え、神を楽しませるため...

白川静 「 文字講和 3/4 」 日常の生活で使われる文字を通して語られる日本文化論の講演。 文字は 古代の共同体にとって、共同体の神に近い存在なのではないか? 文字を通して 神と交通し、文字を媒介して共同体が維持されている 「歌謡や舞楽は、神に訴え、神を楽しませるために生まれた」は 芸能民に対する畏敬と卑賎視の両義的な見方とリンクした 日常的に使う 「道」「生」の語源は衝撃的。「道」は 首の上に頭の毛がある〜首を手に持って、道を進んでいくことを意味する〜持ち歩く首は自分たちの保護霊を意味 「生」は生々発展して、時間的には世代の意味になり、万世に繋がっていく〜「生」は 草が生い茂る形〜幾重にも生い茂ると「世」になり、一世代をあらわす「葉」になる

Posted byブクログ

2010/09/26

故・白川静氏が2000年前後に数年を費やして行った講話の書き起こし。三巻は11回〜15回。 ある程度いままでの著作で書かれていたことの繰り返しで、それらのわかりやすいまとめになっていると思うし、語り口が軽妙なので、むしろ読んだことがない人・触れたことがない人にこそ読みやすいと思う...

故・白川静氏が2000年前後に数年を費やして行った講話の書き起こし。三巻は11回〜15回。 ある程度いままでの著作で書かれていたことの繰り返しで、それらのわかりやすいまとめになっていると思うし、語り口が軽妙なので、むしろ読んだことがない人・触れたことがない人にこそ読みやすいと思う。 もちろん、いままで何かしらポツポツと読んだことがあっても、充分に面白いけど。 「文字」は、祭事・呪術を抜きにしては語れないということが実感できる。その成り立ちにを読むと、文字が含む意の重さを感じる。 最近の“楽し気な漢字ブーム”の範疇では受け止めきれないほど 漢字・文字という物は奥が深いと思い知る。 もちろん、本来文字に限らず「言葉」という物はみな重いはず。古い時代において「実の名」を明かさないと言うことも、言葉が持つ重さ(呪術的な)に起因しているはずなのだろうから。 でも、どうもその「言葉の重さ」の解釈が、今の日本においてはーおそらく明治以降ーねじ曲げられてしまったんじゃないかしらん、と。もっとも個人的な妄想で、まだ上手くまとまった思考には成っていないので保留。 後付け足し的に気になったこと。 当然そこまで踏み込んで検証すると脱線になるから仕方ないのだけれども、「聖徳太子」という存在の有無の実証(注:厩戸王子の実証ということではなく、「聖徳太子」の実証のこと)を抜きにして語るのは、日本人の逃れられない宿命なのかしらん? (三教義疏や十七条憲法に疑問を差し挟みつつも、「太子が非常な学習力を持っていたことは〜」と、存在そのものは容認している) これほどの大先生でもそうなんだなぁ〜と、ぽんやりそう思っただけさぁ。だから別に何ってわけじゃない。

Posted byブクログ