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地図がつくったタイ の商品レビュー

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2013/04/18

大学で地理学を専攻する身の上としては、タイトルに惹かれて読んだ本。この本自体はシャム=タイについて歴史的な経緯をもって概論とするものだけれど、とりわけアジア地域において、近世以前の国境線はアンビバレンスなものだった。この本では、そうした近世における困難な国境線の再編についての説明...

大学で地理学を専攻する身の上としては、タイトルに惹かれて読んだ本。この本自体はシャム=タイについて歴史的な経緯をもって概論とするものだけれど、とりわけアジア地域において、近世以前の国境線はアンビバレンスなものだった。この本では、そうした近世における困難な国境線の再編についての説明から、最終的にはそれがタイのナショナリズムに与えた影響まで遡及する。19世紀、東南アジアで唯一独立を保った国タイの近代史を考える本としても面白いし、「地図」や「国旗」のような抽象的な概念がいかにしてナショナリズムを形成する糧となる過程を描いた本としても、興味深く最後まで読むことができた。 ただ、最後に、一つだけ注釈を加えると、原典が日ごろなじみのない言語で書かれている本だけに、読むのには少し時間がかかりました。しかし、地理に是非関心がある方は触れられてみることをお勧めします。

Posted byブクログ

2009/10/04

国境という概念によっていかに恣意的に国家というものがつくられ、歴史が違う文脈で読みかえられてきたかをタイの事例から考察している。序論、結論だけでも大まかな内容はとれる・・というか多少くどい。第3章の「国境線」は歴史的なエピソードが盛り込まれていて個人的に楽しかった。

Posted byブクログ