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宮城谷昌光全集(第11巻) の商品レビュー

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2020/02/14

宮城谷昌光 晏子 (あんし) 中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。 面白くて一気読み。 1巻は 晏弱による斉国の覇気復活、2巻は 父(晏弱)から子(晏嬰)へ宰相の心得伝授。3巻は 斉の政争、4巻は 名臣 晏嬰の諫言。 4巻は 「晏子春秋」「春秋左氏伝」を...

宮城谷昌光 晏子 (あんし) 中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。 面白くて一気読み。 1巻は 晏弱による斉国の覇気復活、2巻は 父(晏弱)から子(晏嬰)へ宰相の心得伝授。3巻は 斉の政争、4巻は 名臣 晏嬰の諫言。 4巻は 「晏子春秋」「春秋左氏伝」を読んでから、再読したい。 晏嬰の人物像をあらわす言葉「君主に愛されるより民に愛されよ〜君主は一代だが、民は永代である」 著者が伝えたかったのは、国の欲が誰から発したのかを見きわめる晏子の目線だと思う。君主から発した欲なのか、臣下や民から発した欲なのか によって、晏子がどう考えたかを物語のキーとしている。 *君主から発した欲は、私的な欲か、公的な欲かによって、臣下は従い方を変える *臣下から発した欲には従わない *民から発した欲は 天意の反映〜従わなければならない 欲は充足すると、おのれを滅ぼすものに変わる *富にはけじめが必要 *利益が増えすぎると敗亡の原因となる 晏弱と王湫(おうしゅう)の頭脳戦、晏嬰と崔杼の政争は 読み応えある。 社稷(しゃしょく)を主とする *社稷=国家 *社稷を存立させることができ〜道理をわきまえさせ、序列を定め、その役目をわきまえさせる 春秋時代の二大思想家の身長差に驚く(孔子の身長が216、晏嬰135)。晏嬰が孔子を批判したエピソードは興味深い *儒者は傲慢で独善である〜儒教は死者の服喪を最重要視するが〜いまの時代に合っていない *斉は礼の国でなく、利の国である〜礼儀には鈍感だが、利害には敏感である〜そういう国に儒教をかぶせたら、どうにもならない国になる 晏嬰は 礼を不要としたのでなく、礼は人間の集まりを秩序だてる根源であるとも言っている 礼を捨て去れば禽獣と変わらない〜動物は力によって支配を行い、強い者は弱い者を犯す。動物の世界は毎日、主が変わる

Posted byブクログ