宮城谷昌光全集(第11巻) の商品レビュー
宮城谷昌光 晏子 (あんし) 中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。 面白くて一気読み。 1巻は 晏弱による斉国の覇気復活、2巻は 父(晏弱)から子(晏嬰)へ宰相の心得伝授。3巻は 斉の政争、4巻は 名臣 晏嬰の諫言。 4巻は 「晏子春秋」「春秋左氏伝」を...
宮城谷昌光 晏子 (あんし) 中国春秋時代の歴史小説。斉の名臣 晏弱と晏嬰の物語。 面白くて一気読み。 1巻は 晏弱による斉国の覇気復活、2巻は 父(晏弱)から子(晏嬰)へ宰相の心得伝授。3巻は 斉の政争、4巻は 名臣 晏嬰の諫言。 4巻は 「晏子春秋」「春秋左氏伝」を読んでから、再読したい。 晏嬰の人物像をあらわす言葉「君主に愛されるより民に愛されよ〜君主は一代だが、民は永代である」 著者が伝えたかったのは、国の欲が誰から発したのかを見きわめる晏子の目線だと思う。君主から発した欲なのか、臣下や民から発した欲なのか によって、晏子がどう考えたかを物語のキーとしている。 *君主から発した欲は、私的な欲か、公的な欲かによって、臣下は従い方を変える *臣下から発した欲には従わない *民から発した欲は 天意の反映〜従わなければならない 欲は充足すると、おのれを滅ぼすものに変わる *富にはけじめが必要 *利益が増えすぎると敗亡の原因となる 晏弱と王湫(おうしゅう)の頭脳戦、晏嬰と崔杼の政争は 読み応えある。 社稷(しゃしょく)を主とする *社稷=国家 *社稷を存立させることができ〜道理をわきまえさせ、序列を定め、その役目をわきまえさせる 春秋時代の二大思想家の身長差に驚く(孔子の身長が216、晏嬰135)。晏嬰が孔子を批判したエピソードは興味深い *儒者は傲慢で独善である〜儒教は死者の服喪を最重要視するが〜いまの時代に合っていない *斉は礼の国でなく、利の国である〜礼儀には鈍感だが、利害には敏感である〜そういう国に儒教をかぶせたら、どうにもならない国になる 晏嬰は 礼を不要としたのでなく、礼は人間の集まりを秩序だてる根源であるとも言っている 礼を捨て去れば禽獣と変わらない〜動物は力によって支配を行い、強い者は弱い者を犯す。動物の世界は毎日、主が変わる
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