ナンシー関の記憶スケッチアカデミー の商品レビュー
「通販生活」で連載し…
「通販生活」で連載していた投稿コーナー。記憶のあいまいさうんぬん以前に、「うそでしょ」「わざとやろ」と思うほどの拙い画力に驚きつつ、やはりナンシー関の的を得た芸のあるコメントに、唸る。笑える。なぜ続編が文庫化されないのかナゾ。
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うろ覚え選手権です。…
うろ覚え選手権です。原型をとどめていない、すさまじいイラストたちに、ナンシーさんがひとつひとつ楽しいコメントをつけてます。笑いすぎて涙が出ました。
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電車のなかで読んじゃ…
電車のなかで読んじゃダメ! 記憶だけをたよりにふだん見慣れた動物などをスケッチすると……。自分の記憶力のあやふやさに、きっと、わらってしまうことでしょう。
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情けない。だけど愛し…
情けない。だけど愛しい。これが人間なんだよ。これが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近『変な絵』という本が人気だが、本書の絵は"変"という表現を超越したものばかりだ。 3歳~94歳まで幅広い年齢の人に、何も見ずに記憶だけで絵を描いてもらっている。 お題は「カエル」「ペコちゃん」「エビ」など20個。 とても上手いものから、何を描いたの?という酷いものまでイロイロ。 まあ、ひと癖もふた癖もある絵を選んだのでしょうが、ナンシー関さんがそれらの絵にコメントを書いている。 素晴らしい絵は絶賛しているが、酷い絵に対してはボロクソです。 こいのぼりの絵では「重たそうだし生臭そう」、鬼の絵では「近所のバカのよう」、サンタクロースの絵では「この人は盗人で背中の袋の中は盗品」など言いたい放題です。 歯に衣着せぬコメントを読んで再度絵を見直すと実に的を射ており面白い。 面白いので他にも幾つか紹介しておくと、 小便小僧の絵では「単に小便をする一般の小僧」、自由の女神の絵では「場末の金髪ストリッパー」、フランケンシュタインの絵では「何か悪い病気にかかった人」といった感じ。 酷い絵には笑ってしまうが自分も同類だ。「金太郎」を描けと言われたら……「んっ?どんなだっけ?」となる。 第二部は考察で、第一部で紹介した絵をもとに、「画年令」や「眉毛問題」「擬人化」「自分化」「余白」など絵から読み取る人間性?について掘り下げている。 第三部は、押切伸一氏といとうせいこう氏を交えた座談会。 孫のためなら何でもするじいさんも、「じいちゃん、絵描いて!」と言われると「ばあちゃんに頼みなさい」となる。 これは字が下手と絵が下手は異なるからだ。大人は絵を描かなくても生活していける。絵は嫌なら避けて通れる。 パソコンではテキストは少ない容量で済むけど、画像になると急に容量が増える。 ちゃんと絵が描けないのは、多くの人は画像をテキストで記憶しているのではないかと考察している。 確かに「金太郎」を描けと言われたら、姿はぼやっとしているが、お腹に金という字が書いてありマサカリを持っていると特徴は文字で記憶している。 絵では顔のあるものは左向きになりがち、自転車なども進む方向(前)が左になりがちという傾向がある。 そういう絵が多いし、自分もおそらくそのように描く。これは利き手が右のせいかな? 普段から見慣れているからかも知れない。よく見ている「野鳥図鑑」の鳥も左向きだ。 右向きで描けと言われたら難易度が増すな。
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本書は、記憶を頼りに一般人が描いた絵を批評する企画である。 あやふやな記憶が絵になるとき、何が起こるか、記憶とは何かといったことに迫れる面白い企画ではあるが、もはや記憶以前の問題であるような作品が多い。例えるなら「立方体」がお題でも丸を描くようなレベルである。そこまでいくと、観...
本書は、記憶を頼りに一般人が描いた絵を批評する企画である。 あやふやな記憶が絵になるとき、何が起こるか、記憶とは何かといったことに迫れる面白い企画ではあるが、もはや記憶以前の問題であるような作品が多い。例えるなら「立方体」がお題でも丸を描くようなレベルである。そこまでいくと、観察眼や記憶力・画力というより、誠意の問題な気がした。 文章があまりに下手で支離滅裂だと、仕事に差し障る場合もあるし、伝える気すらないような文章しか書けないなら、社会生活すら危ぶまれることもある。 一方、絵は下手だと「画伯」などと呼ばれ、面白おかしくもてはやされることすらある。 作文にしろ、作画にしろ、認知機能やら手先の運動能力やらで上手くいかない場合は仕方ないとして、それ以外は純粋に技術の問題だと思う。名文や名画でなくても、最低限は伝わるものを書ける(描ける)に越したことはない。 本書とは関係がないが、絵が下手なことと、文字が下手なこと、図表を描くのが下手なことは相関するのか気になった。字は一文字一文字が楷書で美しいこととは別に、癖字だけど揃っていて読みやすいとか、バランスがいいとかデザイン力が問われる気がするけど、どうなのでしょう。
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本当におもしろい。 きちがいじみた作品が並びますが、それだけではただの「ファニー」。そこにナンシー関の絶妙なコメントが加わることで「インタレスト」に昇華しています。 ゲラゲラしますので、電車など旅の友にはなりません。
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ナンシー関さんの作品『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー (2003)』を読了。特にナンシー関さんと押切伸一氏といとうせいこう氏との「記憶スケッチ学会 座談会」も良いんだよね。
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産経新聞のビブリオエッセーに紹介されていたので、読んでみようと思いました。提示されたお題を記憶のみに頼って書くこと。なのでこちらの本を読むときはすっと笑いながら紙とペンをご用意ください。思い込みって怖い。あれここ、こんな感じだったかななどいろんな人とコミュニケーションを取るのにい...
産経新聞のビブリオエッセーに紹介されていたので、読んでみようと思いました。提示されたお題を記憶のみに頼って書くこと。なのでこちらの本を読むときはすっと笑いながら紙とペンをご用意ください。思い込みって怖い。あれここ、こんな感じだったかななどいろんな人とコミュニケーションを取るのにいいかも。このご時世ズームとかでもお互いにお題を出して遊べそうですね。
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かなり笑える。 出されたお題を、記憶だけに頼って書くことを「記憶スケッチ」と本書では呼んでいる。お題は、例えば、カエル・ペコちゃん・海老・ウルトラマン、等。読者の「記憶スケッチ」の投稿を、ナンシー関がコメントをつけて解説している本。 実際に、例えば、海老を記憶だけに頼って書いて...
かなり笑える。 出されたお題を、記憶だけに頼って書くことを「記憶スケッチ」と本書では呼んでいる。お題は、例えば、カエル・ペコちゃん・海老・ウルトラマン、等。読者の「記憶スケッチ」の投稿を、ナンシー関がコメントをつけて解説している本。 実際に、例えば、海老を記憶だけに頼って書いてみて欲しい。私も書いてみたが、とても海老とは思えないものしか書けなかった。人間の映像記憶が、すごく曖昧であることが、よく分かる。 読者の投稿した絵も笑えるが、ナンシー関の解説も同じくらい笑える。
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