あ・うん 新装版 の商品レビュー
淡々としているけれど、色っぽい。きっと際立って美人ではないけれど、たみさんは色っぽい。 口に出さない愛、静かに燃えるプラトニック・ラブ。
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戦争中に寝食を共にした男二人とその妻との不思議な関係を綴った作品。「あ・うん」の関係の男二人は、どんなことも二人で一つ、相手が望むことならなんでもしてあげたいと思う。現代において、このような関係の男の人はいるのかいないのか。でも、女じゃなくて男だったらあるのかもしれない、などと考...
戦争中に寝食を共にした男二人とその妻との不思議な関係を綴った作品。「あ・うん」の関係の男二人は、どんなことも二人で一つ、相手が望むことならなんでもしてあげたいと思う。現代において、このような関係の男の人はいるのかいないのか。でも、女じゃなくて男だったらあるのかもしれない、などと考えてしまう。友人の妻を好きな気持ちを言葉には出さないけれど、それも分かった上でずっとつきあっているという不思議。妻も妻で、相手の気持ちを分かっていながら、知らんぷりをして過ごす不思議。いろんな不思議があるけれど、そんな関係が興味深かった。
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小説かと思ったらシナリオだった。 シナリオ書く人ってカット割まで考えてるのかな ちょっとドラマが見たくなった。
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作者名とタイトルだけどこかで見たことがあったので、手に取ってみた作品。こんなに昔の人で、尚且つ既にお亡くなりになっているとは知りませんでした。 戦時中の日本が舞台なはずなのに、あんまり戦争くささが出てこないなあ、と思いました。主人公の男二人の出会いは兵役のときだったんだけれど。そ...
作者名とタイトルだけどこかで見たことがあったので、手に取ってみた作品。こんなに昔の人で、尚且つ既にお亡くなりになっているとは知りませんでした。 戦時中の日本が舞台なはずなのに、あんまり戦争くささが出てこないなあ、と思いました。主人公の男二人の出会いは兵役のときだったんだけれど。それでもって片方は軍需景気で羽振りがいいんですけど、でもそれでも。ラストのラストに初めて戦争、が色濃く印象づいた感じでした。 私は男ではないのでいまいちわからない感情の機微なんかがあったんですけど、どんどんのめり込んで読んでいきました。ただ、この頃の日本では普通だったんでしょうけど、夫の妻や娘に対する態度が気に入らなくて気に入らなくて。私が娘の立場なら完全内心でキレてるなあと思いつつ。「亭主関白」だなあ。よく日本の妻たちは罵言に耐えてたなあ、と思います。逆に本当は強いんでしょう、女の方が。だから今の世の中こんなんなんでしょう。(笑)女の人が解放されたんだろうなあ。 (09.4.27 読了)
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山本夏彦さんが誉めてたので手に取ってみましたが、面白くて一気にファンになってしまった。 何が面白いって、何だろう?久しぶりに小説らしい小説を読んだ気分。 登場人物のキャラが皆しっかりしていて、生活風景が目に浮かぶようで・・・。ひと言で言うと本当に良い小説。
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さすが脚本家でもある人間が書いているだけあって、それぞれの場面が目に浮かぶようです。 登場人物が一直線でみんな魅力的なので、読んでいて楽しいです。
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こんな友情いいよなー・・ でも結構流し読みだった。主人公二人のうち、金持ちの方の男の会社が一度つぶれたはずなのに、しばらくしたらいつの間にか立ち直っていたのが不思議だった。単に私が読み飛ばしただけ??それとも浮き沈みが激しいのが当時の世相だったのかしら?
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私にとって向田邦子と言えば『思い出トランプ』。 家にぼろぼろになってあって、引越しの時に多くの本が捨てられたのにも関わらず生き残っていた1冊。 それに続いてこれ。 『あ・うん』の内容を知る前はてっきり夫婦の愛情たっぷり物語かなんかと思ってた。 夫婦関係が舞台になるの...
私にとって向田邦子と言えば『思い出トランプ』。 家にぼろぼろになってあって、引越しの時に多くの本が捨てられたのにも関わらず生き残っていた1冊。 それに続いてこれ。 『あ・うん』の内容を知る前はてっきり夫婦の愛情たっぷり物語かなんかと思ってた。 夫婦関係が舞台になるのは間違いないんだけど・・ どうなんだろ。すごく綺麗にまとまってるとは思った。 脚本家だから、やっぱり読ませるものとしてというよりか、 物語としての完成度が高いってゆーか。。 この男友達の友情、そして三者間に起きる恋愛模様、 こんなのって、どこの国でもどんな地域でもそこいらで 実は起きてるんじゃないかって思う。 なんら特別なことじゃない。 けど、とっても微妙な気持ちなので、 それをこんな風に表現できる人ってのは、やはり名の残る作家さんなんだろう。
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向田さんは男と女の色を的確につかむ。 男の気持ち、女の気持ち、性質や行動、言葉にいたるまで。 向田さんは全部、何もかも分かってる。 私は、そんな向田さんに嫉妬してしまう。 むかしの私は隠し事が嫌いだった。 隠すものなんて何もないと思ってた。友達との間でも、彼氏との間でも、家族の...
向田さんは男と女の色を的確につかむ。 男の気持ち、女の気持ち、性質や行動、言葉にいたるまで。 向田さんは全部、何もかも分かってる。 私は、そんな向田さんに嫉妬してしまう。 むかしの私は隠し事が嫌いだった。 隠すものなんて何もないと思ってた。友達との間でも、彼氏との間でも、家族の間でも。 友達との間に隠し事の影を感じると急に淋しくなり、彼氏との間に秘密が見えると全てが疑わしくなる。 お母さんが隠し事をしてるのが分かると「お母さんは私のこと好きじゃないんだ」といじけてみせた。 私は多分そういう隠し事に敏感だったんだと思う。 だから、 「親友だから隠し事はなしよ。」と指きりして、 「隠し事はお互いなしだよ」って彼氏と約束したりした。 けど、段々気づく。 1〜10まで人に自分のことを説明して全てを分かってもらうことは無理だし、隠さないといけないもの・隠したいものが世の中には存在することに。 隠さないといけないもの・隠したいものは年をおっていくごとに増えていく。 “大人は1番大事なことは人には言わない” 19歳のさと子が気づいたように、私も言わない方が良いものや、見なくていいものがあることに気づいた。 全て知らない方が、人間関係がうまくいくということも。
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第二次世界大戦前の話。 一般市民の水田仙吉は、昔気質のお父さん。社長の門倉修造は軍需景気で儲かっている社長。 この二人の友情を繋ぐものは、前の戦争で同室だった事と、仙吉の妻たみだった。 それぞれの微妙な思い・機微ってやつは、現代の小説にはないものでした。。。。
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