家族 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本が出版された当時、「5人生存8人死亡」と北朝鮮からの発表があり、生存者の一時帰国が実現したところだった。 当初一時帰国のつもりで子どもたちを北朝鮮に残してきた彼らが、日本で子どもたちを待つことにするのは、それからあとのことである。 ある日突然家族の姿が消えてしまったら。 それが親であれ、兄弟であれ、その喪失感たるやいかばかりだろう。 私は親の目線で読んだので、本当につらくてつらくてしんどかった。 いつまでも気持ちの整理をつけることができず、「今頃どうしているのだろうか」と心配は絶えない。 実はこの本には「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」には加入していない人の記録もある。 その理由が、決意が、壮絶で辛い。 生きている息子の命を守るため、たった一人で戦い続けるしかない母。 言葉にすることが許されない真実の気持ち。 早く解決してほしいと心から思う。 政治家、外務省には真剣に頑張ってほしい。
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本書は手記ではなくノンフィクションである。やはり手記だと感情がまさってしまう。北朝鮮による拉致被害は1963年の寺越昭二〈てらこし・しょうじ〉、外雄〈そとお〉、武志さん失踪に始まる。横田めぐみさんが忽然(こつぜん)と姿を消したのは1977年のことであった。その後1983年まで被害...
本書は手記ではなくノンフィクションである。やはり手記だと感情がまさってしまう。北朝鮮による拉致被害は1963年の寺越昭二〈てらこし・しょうじ〉、外雄〈そとお〉、武志さん失踪に始まる。横田めぐみさんが忽然(こつぜん)と姿を消したのは1977年のことであった。その後1983年まで被害は続いた。「めぐみさんが北朝鮮にいる」と横田夫妻が知らされたのは1997年。失踪から既に20年を経過していた。それ以降も苦労は深まる一方であった。動かぬ政府、まともに取り合ってくれない官僚、そして絶えざる噂。読みながらこれほど泣いたのは東京HIV訴訟原告団著『薬害エイズ原告からの手紙』(三省堂、1995年)以来か。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/03/blog-post_17.html
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この本を読んでいるときに金正日の死去のニュースを聞いた ある日突然他人によって日常を奪われる不幸 本人にとっても家族にとっても生き地獄であろう 生きていると知ってからも、その地が北朝鮮であるが故のもどかしさは 察するに余りある
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北朝鮮拉致事件、それぞれの被害者ごとに、 ・拉致が起こるまでの経緯 ・被害者の生い立ち ・拉致当時の状況 ・その後の政府の対応 等が詳しく書かれている。 拉致被害者、とひとくくりにするのではなく。 個人個人の姿(?)が浮かんでくる感じかな…! ここでも感情移入しちゃって、恐怖・...
北朝鮮拉致事件、それぞれの被害者ごとに、 ・拉致が起こるまでの経緯 ・被害者の生い立ち ・拉致当時の状況 ・その後の政府の対応 等が詳しく書かれている。 拉致被害者、とひとくくりにするのではなく。 個人個人の姿(?)が浮かんでくる感じかな…! ここでも感情移入しちゃって、恐怖・怒りを感じずにはいられない。 ただ感情論で終わらせずに、北朝鮮という国家、何故・どのように拉致が行われたか分かりやすく書いてある○ この一冊で北朝鮮拉致事件についてかなり知れると思う! 衝撃をうけたのは寺越武志さんの話。 →『拉致』された疑いは濃厚。 だけど北朝鮮で立派な地位についた&子どもも孫もいるため、間違っても『拉致された』とは言えない立場にあり、拉致被害者と認定されない…。し、本人もそれを望んでおらず、『溺れているところを北朝鮮の船に助けられた』と主張せざるを得ないこと。 拉致被害者認定を、本人が望まないこともあるんだね…。 蓮池薫さんの話 →当時中央大学の法学部生だった。拉致されるちょっと前に、父親に『司法試験に挑戦したい』と決意を告げ、父親が泣かんばかりに喜んだという話。 そんな決意を告げた矢先に連れ去られちゃうなんて。 まだまだ若くて、人生に希望が溢れていたのに。これから夢を叶えるために頑張るぞ!っていうときに、人生滅茶苦茶にされたんだよね…。全く悪いことはしていないのにほんと理不尽だよね。
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