1,800円以上の注文で送料無料

ピアニッシシモ の商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/08/11

松葉が幼い頃心慰めてくれた隣家のピアノが譲られた先で出逢った紗英。華やかで自信家の紗英に松葉は惹かれていくのだった。 性格も家庭環境も違うふたりの少女が出逢うことで始まる物語。しかしそこから想定される展開は待っていませんでした。憧れが自己を昇華してくれる訳でもなく、他者を受け容...

松葉が幼い頃心慰めてくれた隣家のピアノが譲られた先で出逢った紗英。華やかで自信家の紗英に松葉は惹かれていくのだった。 性格も家庭環境も違うふたりの少女が出逢うことで始まる物語。しかしそこから想定される展開は待っていませんでした。憧れが自己を昇華してくれる訳でもなく、他者を受け容れることで自己が変わっていく訳でもなく。なれ合いでも依存し合うのでもない友情。でも松葉と紗英は出逢うことで、それまでとは違う自分を見付けることになるのです。いや、それまで気付かなかった自分を見付けると言うべきでしょうか。 松葉は自分のことを平凡で良くも悪くも特化していないと思っています。周りに合わせて流される、そんな風にも思っています。しかしそれは松葉に嘘がないからかも知れません。他者に合わせてしまうのは他者への思いを真っ直ぐ見ているため。それは憧れだったり尊敬だったり幻滅だったり諦めだったり。相手への感情に嘘がないので、相手を見る目も容赦ないのかもしれません。それは親や先生への反抗ともなり、友達への想いに繋がる。その松葉の目がこの物語の核となり、松葉の周辺の人々を解体していきます。そして読者は松葉の目を通して、自らの親や友達への思いに気付くのかもしれません。 そんな目をもつ松葉だから、紗英によって変わっていくというよりも自己を確立していくように見えます。だから紗英が物語から逸れて行っても、松葉は自分の道を淡々と進んだのでしょう。そこに本人が気付いていなかったとしても。 何とも面白い読後感がありました。

Posted byブクログ

2019/03/15

松葉と紗英の物語。と言うより松葉の心の成長物語、かな。 不思議なお話では無いけれど意外なエンド。松葉はとっても強くなった。 2019/03/15読了。

Posted byブクログ

2017/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【あらすじ】 いちばん弱い音が、いちばん強く心に響く 1台のピアノが、結びつけた松葉と紗英。 ふたりが抱えるそれぞれの「痛み」。 幼い頃に松葉の孤独を慰めてくれたのは、隣の家から流れるピアノの音色だった。中学3年になった松葉は、そのピアノの行方を追い、新しい持ち主紗英と出会う。同い年でも、性格も家庭環境もまるで違うふたり。松葉は華やかで才能のある紗英に憧れ、心の拠り所を求めていくが……。 【感想】

Posted byブクログ

2011/06/09

けっこう昔に読んだ本。 透明だけれどどこか悲しいこのひとの書く文章が大好きです。 梨屋さんはもっと評価されるべきだと思います。

Posted byブクログ

2010/01/01

楽器を演奏するひとが、うらやましい。とてもうらやましい。 孤独をいやしてくれるのは、◯◯(←楽器のなまえ、ね)。 そう言えるひとは、ブキヨーものからすると、ほんとうらやましいものなんですよ。 「好きな音楽を聞く」以上に、心に効く(いやし、浄化、幸福感)らしいです、「好きな音楽を演...

楽器を演奏するひとが、うらやましい。とてもうらやましい。 孤独をいやしてくれるのは、◯◯(←楽器のなまえ、ね)。 そう言えるひとは、ブキヨーものからすると、ほんとうらやましいものなんですよ。 「好きな音楽を聞く」以上に、心に効く(いやし、浄化、幸福感)らしいです、「好きな音楽を演奏する」のは。 梨屋さんは、音と言葉を紡ぐひと、だと思います。

Posted byブクログ

2009/10/04

やっぱり図書館にて借りてきました。表紙が綺麗でジャケ買いならぬジャケ借りだった…。なんだかさらっと読めたなあ。紗英と松葉のすれ違いとか、凄く身近に思えます。そのぶんややこしく考える必要が無くて、この世代はこういうものなんだっていう理解方法みたいなのができるから楽に読めたのかもしれ...

やっぱり図書館にて借りてきました。表紙が綺麗でジャケ買いならぬジャケ借りだった…。なんだかさらっと読めたなあ。紗英と松葉のすれ違いとか、凄く身近に思えます。そのぶんややこしく考える必要が無くて、この世代はこういうものなんだっていう理解方法みたいなのができるから楽に読めたのかもしれない。ちょっぴり後味が悪いような気がしないでもないけれど。両親への思いが生々しかったです。

Posted byブクログ

2009/10/07

ピアノを弾くわがままで美しい少女に、次第に惹かれていく主人公の少女。友情なのか、愛情なのか・・・微妙な感情に振り回される少女たち。全体的に悪くはないのだが、ラストにいま一つ勢いが足りない。

Posted byブクログ