脱カリスマの経営 の商品レビュー
グローバル企業のYKK(旧:吉田工業)の二代目社長である、吉田忠裕さんの著者。先代であり、起業家であり、父である初代経営者のバトンを受け継いだ立場で書かれた2003年の本。 初代経営者のイズムを受け継ぎ、時代と共に変えていくべきなところは、どう表現するか? 十年前の本ですが、グロ...
グローバル企業のYKK(旧:吉田工業)の二代目社長である、吉田忠裕さんの著者。先代であり、起業家であり、父である初代経営者のバトンを受け継いだ立場で書かれた2003年の本。 初代経営者のイズムを受け継ぎ、時代と共に変えていくべきなところは、どう表現するか? 十年前の本ですが、グローバル企業として、どう取り組んでいくか?経営者の観点、二代目としての葛藤とアクション、勉強になる本です。 この、語りかけが経営者には必要なんだなぁ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
YKKの2代目社長による経営論。ファスナー王とよばれた先代のカリスマ経営からの脱却がテーマの一つとなっているが、この著書の包括的なテーマは、市場の変化に対応していかに会社を変革するかということだろう。簡単にいえばプロダクトアウトの時代からマーケットインの時代への変化の対応。先代の時代は、ファスナー事業に関して規格化された製品を大量生産することでコスト競争力を保っていたが、その成功事例を建材事業にも適応しようとしたため、オーダーメードが中心のビル建材分野で後れを取り、多様化するニーズにも対応できず、計画生産のため納期に後れをとった。また社員全員が起業家精神を持てとの先代の理念により、従業員を株分けして販社を大量に作ったことから流通構造に欠陥が生じた。そこで著者は、建材事業を分社化し、販社の統合と直販体制の整備を進めて流通の効率化を図り、顧客のニーズに直に対応するためにR&D部門を工場から切り離し、マーケティングから生産までを統括するプロダクトマネージャー制を敷いた。また性善説を排して権限委譲にもメスを入れた。企業としての建前もあるから著者はあくまでも先代を立てているが、経営理念と経営手法は切り離せないものであって、これらの改革は先代の経営理念をも否定する部分もあったことだろう。一見行ってしかるべき改革であるが、そのためには過去の成功体験とカリスマの呪縛から会社を解放する必要があり、苦悩もあったことだろうと思う。 ところで興味深かったのは、ユニクロのような製造小売業を「プロダクトアウトの復権」と捉えている点である。顧客のニーズに応えるだけでなく、こちらから新しいコンセプトを製品に盛り込み、提案していかなければならない。なにもアパレルや建築業界に限った話ではなく、顧客の求める以上の製品を提供するのが、製造業に共通したテーマだろう。
Posted by
就活の一環として。 YKKの歴史と、2002年時点の方針がわかる。 「世襲・二代目」という動かし難い事実に対して、 一定の理由付けはできたつもり。ただ、その代わり 初代の影響力の大きさが浮かび上がってくる。 そっちに当たらないとだめかなぁ。 これから応募する身でいうのもなんで...
就活の一環として。 YKKの歴史と、2002年時点の方針がわかる。 「世襲・二代目」という動かし難い事実に対して、 一定の理由付けはできたつもり。ただ、その代わり 初代の影響力の大きさが浮かび上がってくる。 そっちに当たらないとだめかなぁ。 これから応募する身でいうのもなんですが、YKKに 興味がない人が読む理由は、あまり見出せません。 P.S.ポスト荒らしのせいで、2冊目です。許しません。
Posted by
ワンマン経営者の後を襲うというのはこういうことなのか、と感じさせられる本です。YKKの創業者の子息である著者が2代目社長として経営の指揮を執るとき、先代の何を捨て何を残すのか。2代目社長が弱いとされる、人を束ねること、決断力、をどう克服したのか、著者自らの生い立ちから語ります。著...
ワンマン経営者の後を襲うというのはこういうことなのか、と感じさせられる本です。YKKの創業者の子息である著者が2代目社長として経営の指揮を執るとき、先代の何を捨て何を残すのか。2代目社長が弱いとされる、人を束ねること、決断力、をどう克服したのか、著者自らの生い立ちから語ります。著者の会社に対する思い入れが伝わる一冊です。
Posted by
- 1