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世界史とヨーロッパ の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

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2011/12/09

有史以来のヨーロッパにて、時代時代で世界史がどう描かれどう捉えられてきたかが書かれている本。 歴史に疎いせいもあると思うが、宗教(キリスト教)的な思想、オリエンタリズム(西洋中心思想)など、「そうなのか」と思わせる部分が多々あり面白かった。 世界史、つまりは世界という物が時代時代...

有史以来のヨーロッパにて、時代時代で世界史がどう描かれどう捉えられてきたかが書かれている本。 歴史に疎いせいもあると思うが、宗教(キリスト教)的な思想、オリエンタリズム(西洋中心思想)など、「そうなのか」と思わせる部分が多々あり面白かった。 世界史、つまりは世界という物が時代時代のヨーロッパでどう捉えられ来たのか、そしてそれが現在の思想にどうつながっているのかがコンパクトにまとめられた良書。

Posted byブクログ

2011/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ヨーロッパ世界が世界史を著す過程について論じた本。著者の前著『聖書vs世界史』よりも一般向けの内容となっている。  古代には”アジア”、”ヨーロッパ”、”リビア”(アフリカ)という世界の三区分(ヘロドトス)、「人間の本性が同じである限り、過去に起きたことはまた将来にいつか起きる」という円環的な時間観念(トゥキュディデス)、自分たちの世界の外にはバルバロイや化物がいるという”化物世界誌”という思想体系が生まれる。この間には”自由”を享受するヨーロッパと専制君主に”隷属”させられているアジアという対比の構図が生まれ、後世に影響を与える。  ローマ帝国崩壊を経て中世には普遍史が確立し、ルネサンス、大航海時代には転換期を迎える。ニュートンが人間を神の似姿から自然体系の一員として見なし、物理学における絶対的時間という概念を発見して以来、文明や進歩の美名の下に植民地主義を肯定する風潮が生まれる。モンテスキューはアジアが未だに専制政治の下停滞しているのは風土によるものだ、としている。  19世紀にランケが登場することで、史料批判に基づく近代歴史学が確立する。また、マルクスは唯物史観に基づき、歴史は資本主義段階を通じて人類を解放する過程であると主張する。  このレビュー自体、あまり纏まりがないが、歴史というものは過去の人間が未知の人、モノ、考え方に直面したときに取った対応の過程を記したものであるという認識を改めて確認することになった本だった。

Posted byブクログ

2010/12/14

[ 内容 ] 「世界史」はどのように創られたのか。 キリスト教的歴史観の成立と変遷、国民主義的歴史の誕生など、西欧的世界観・歴史観を根本から考える。 [ 目次 ] 第1章 ヨーロッパ古代の世界史記述―世界史記述の発生(歴史観の世界観的基礎;古代的歴史学・世界史像の特質) 第2章...

[ 内容 ] 「世界史」はどのように創られたのか。 キリスト教的歴史観の成立と変遷、国民主義的歴史の誕生など、西欧的世界観・歴史観を根本から考える。 [ 目次 ] 第1章 ヨーロッパ古代の世界史記述―世界史記述の発生(歴史観の世界観的基礎;古代的歴史学・世界史像の特質) 第2章 ヨーロッパ中世のキリスト教的世界史記述―「普遍史」の時代(歴史観の世界観的基礎;中世的歴史学・世界史像の特質) 第3章 ヨーロッパ近世の世界史記述―普遍史の危機の時代(歴史観の世界観的基礎の変化;プロテスタント的普遍史の発生と年代学論争) 第4章 啓蒙主義の時代―文化史的世界史の形成と普遍史の崩壊(歴史観の世界観的基礎―「科学革命」による諸変化;啓蒙主義的歴史学・世界史像の特質) 第5章 近代ヨーロッパの世界史記述―科学的世界史(歴史観の世界観的基礎;ヨーロッパ近代における歴史学・世界史像の特質) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2010/01/31

ヘロドトスの時代から始めて、歴史がどのようにとらえられ、叙述されてきたのかを、当時の世界観や歴史観をもとに述べている。個人的には、日本における戦後歴史学の流れをもっと詳しく知りたかった。『世界史とヨーロッパ』なので書いてないのも当然ですが・・・

Posted byブクログ

2009/10/04

アテネ辺りから近代までの西洋人の視点・歴史観なんかをキリスト教感の変遷(カトリックとプロテスタントとか)とか、聖書の捉え方の観点から書いた本。 4章の科学革命による諸変化、啓蒙主義的歴史観、ロマン主義とナショナリズムなんかはかなり分かりやすく書いてあったYO。 序盤の聖書とか、そ...

アテネ辺りから近代までの西洋人の視点・歴史観なんかをキリスト教感の変遷(カトリックとプロテスタントとか)とか、聖書の捉え方の観点から書いた本。 4章の科学革命による諸変化、啓蒙主義的歴史観、ロマン主義とナショナリズムなんかはかなり分かりやすく書いてあったYO。 序盤の聖書とか、その辺は興味なさ過ぎたんであんま印象にないです、ごめんなさい。 それでも丁寧に分かりやすく解説してくれる良書であることは間違いない、基礎教養にどうぞ。 近代の章だけでも読む価値あると思います。 大学の図書館から借りて読了。

Posted byブクログ

2011/09/09

難しい話だが、おぉ〜という部分が多い。キリスト教でがんじがらめにされていた、ヨーロッパの歴史学者たちが、中国の歴史の古さに出会ったときの衝撃と困惑を想像するとおもしろい。

Posted byブクログ

2009/10/04

ヘロドトスからウォーラーステインと書いてあるのに、ウォーラーステインは数行だけでした。 世界史ではなく、世界史解釈の歴史?みたいな本。 大学生になった世界史の必要性を痛感したために読んだのだけれど……。 世界史解釈の本ではなく、世界史の本が欲しいです(笑)世界史分かってないと分か...

ヘロドトスからウォーラーステインと書いてあるのに、ウォーラーステインは数行だけでした。 世界史ではなく、世界史解釈の歴史?みたいな本。 大学生になった世界史の必要性を痛感したために読んだのだけれど……。 世界史解釈の本ではなく、世界史の本が欲しいです(笑)世界史分かってないと分からないです。 やっぱり新書ですませようなんて考えを抱くのか間違っていますね。

Posted byブクログ

2009/10/04

歴史の事象の変遷をついて書いた本は数多くあれど、世界観・歴史観・歴史学そのものの変遷についてをわかりやすく書いた本はあまりありません。これはまさにそれらをわかりやすく書いてくれた一冊です。これは「歴史の父」と呼ばれたヘロドトスから始まり、『神の国』でお馴染みのアウグスティヌス、近...

歴史の事象の変遷をついて書いた本は数多くあれど、世界観・歴史観・歴史学そのものの変遷についてをわかりやすく書いた本はあまりありません。これはまさにそれらをわかりやすく書いてくれた一冊です。これは「歴史の父」と呼ばれたヘロドトスから始まり、『神の国』でお馴染みのアウグスティヌス、近代歴史学の父ランケ、20世紀でもっとも影響力があった思想家カール・マルクス、偉大な社会学・経済学者であるマックス・ウェーバー、「世界システム論」のウォーラーステインまでの歴史学の変遷を書いた本です。歴史学の変遷について、手っ取り早くそして、わかりやすく書かれている良い本でオススメだと思いますので是非ご一読を!!最後に西洋人がいかに「驕る民」ということがよくわかる本でもあります。

Posted byブクログ

2009/10/04

高校のとき世界史の最初の授業で、先生が「われわれが今から学ぼうとしているのはヨーロッパから世界をみた歴史だということを念頭においておいて」と言っていた。そのときからずっとぼんやりとではあるがその意識を持って世界史をみていたけれど、この本を読んだときはっきりとそれが理解できた。 昔...

高校のとき世界史の最初の授業で、先生が「われわれが今から学ぼうとしているのはヨーロッパから世界をみた歴史だということを念頭においておいて」と言っていた。そのときからずっとぼんやりとではあるがその意識を持って世界史をみていたけれど、この本を読んだときはっきりとそれが理解できた。 昔のヨーロッパの人(という言い方は厳密には正しくないが)がどのように世界をとらえていたか、地理的にそして時間的にその変遷を理解できる。たぶん高校のとき世界史が好きだった人はおもしろく読めると思う。個人的には教父アウグスティヌスが果たした役割がいかにヨーロッパに影響を与えたかが興味深く思った。

Posted byブクログ

2009/10/04

「歴史」を相対的に見ること 我々が親しんでいる「歴史」や「世界史」というものは、事実を列記した確固としたものとして存在しているのではなく、そこにはさまざまな時代にさまざまな解釈がなされた、その結果の集大成なのである。本書が扱う歴史は主に西ヨーロッパ人から見た歴史観で、世界最古の...

「歴史」を相対的に見ること 我々が親しんでいる「歴史」や「世界史」というものは、事実を列記した確固としたものとして存在しているのではなく、そこにはさまざまな時代にさまざまな解釈がなされた、その結果の集大成なのである。本書が扱う歴史は主に西ヨーロッパ人から見た歴史観で、世界最古の「バビロニアの世界図(前600)」から説明が始まる。バビロニア人の世界(そこにはバビロニアしか存在していない)を受け継いだものがギリシア人。ホメーロスの『オデュッセイア』が有名。 各時代の歴史認識の変遷やそれに関わる聖書や、中国、イスラム帝国の問題などどの問題をとってもとても興味深い。後半はマルクス、マックスウェーバーなども出てきて問題領域がかなり広がっている。西ヨーロッパを中心にした世界観に長い間なてきたヨーロッパ人が、横柄なのもうなずける。彼らは数千年の歴史を経て優勢思考を生みつけられた。

Posted byブクログ