都市は戦争できない の商品レビュー
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2002年刊。著者は法政大学教授ほか。 都市における戦術論を叙述した書ではなく、災害(地震・原発・水害を含む。フクシマ前の刊行に注目)時の都市機能への影響、有事法制の問題点と国際比較を検討したもの。 前者は、フクシマで(悲しいかな)ある程度現実化してしまい、それを踏まえた他書も多い。ただ、災害時の初動と災害後数日内の目標・マニュアル策定の重要性を問うのが、阪神大震災の教訓を踏まえていて納得できる。 また、多元的・小規模(1万人程度)のコミュニティが災害後近接した時期での対応に適している点は意識すべき視座か。 後者にも他書があるかもしれないが、①日本も批准している人権B規約が、いわゆる戦時下でも規制してはならない人権(いわゆる戒厳令など)を列挙している点、それと有事法制との比較の必要性、②国際比較の必要性と意味と限界を感得できる点は買い。
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