風盗 の商品レビュー

戸部新十郎(著者)

2011/08/01

全1巻。
忍者な設定も多い、
秀吉のひいき曽呂利新左衛門。
の、
息子の話な伝奇もの。

曽呂利新左衛門と思ったら、
フィクションな息子が主人公。
で、
忍者的な曽呂利一党の一人として、
いろんなとこに使いにいく感じ。
ただ、主人公自体は特に忍者な感じではなく、
曽呂利な忍者もの想像してたのでちょっと残念。

著者が服部半蔵を書く10年前の作品らしく、
服部半蔵の基になってる気がした。

主人公がお使いな役割与えられて、
それを通して歴史のそれぞれの立場に接する構成とか、
主人公のさらりとした佇まいとか。
服部半蔵の登場人物もちょこっと出てくるし。

それなりにメリハリはあるものの
淡々とした感じ。
結局何者か分からない主人公とともに、
何言いたいか明言しないまま物語が終わる。
ただ、読後感は悪くない。

2009/10/04

織田信長の台頭から本能寺までの時代を舞台とした伝奇時代小説。主人公は曾呂利ノ高丸という架空の人物。史実に基づきながらフィクションを組み立てていくという著者の典型的な手法。高丸が自然体で運命に任せて行動するさまが物語に清々しさを与えていますが、彼が命じられた使命がよく理解できなかったのが残念。

2008.4.28読了