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永遠平和のために の商品レビュー

3.7

56件のお客様レビュー

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2012/10/24

カントの平和論が「ひとりひとりの心を変えれば世界は変わる」にとどまらない単なる理想論、単なる理念的なものではないことが分かる。 「一緒に生活する人間の間の平和状態は、なんら自然状態ではない。自然状態はむしろ戦争状態である。」 と現実を受け入れ認めつつ 「それゆえ、平和状態は創設...

カントの平和論が「ひとりひとりの心を変えれば世界は変わる」にとどまらない単なる理想論、単なる理念的なものではないことが分かる。 「一緒に生活する人間の間の平和状態は、なんら自然状態ではない。自然状態はむしろ戦争状態である。」 と現実を受け入れ認めつつ 「それゆえ、平和状態は創設されなければならない」 と、その現実を国家間において、具体的に様々な条項を提案することで永遠平和を実現しようとしているのである。

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2012/10/22

平和条約には未来の戦争の火種を残してはならない。平和のためには常備軍はあってはならない。 そんな感じのお話。 スイス辺りは比較的この条件に合致しているかもしれないが、今の世界は全然平和とは無縁といえる。

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2012/08/31

永遠平和について几帳面に語った書。 机上の空論と一蹴されないために、批判をひとつずつ虱潰しにしていき、かつその根拠をあげていっている。

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2012/08/16

「哲学者が政治について何かを語ってもそんなものは机上の空論であり何をも意味しない」と言う政治家がいるが、そう思うのであれば、私が述べることにとやっかく言わないで欲しいという序文に惚れた。確かに「永遠平和のために」が書かれた当時、その意見が採用され直接的な影響があったわけではない。...

「哲学者が政治について何かを語ってもそんなものは机上の空論であり何をも意味しない」と言う政治家がいるが、そう思うのであれば、私が述べることにとやっかく言わないで欲しいという序文に惚れた。確かに「永遠平和のために」が書かれた当時、その意見が採用され直接的な影響があったわけではない。しかし、第二次世界大戦後、理念的には永遠平和を目指してヨーロッパ連合が設立されたことを考えれば、この書物が少なからず影響したのであろう。思想、あるいは政治哲学の存在意義を実感させられる。

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2012/05/01

定言命法、カント的道徳、倫理観、永遠なる(一時的でない)世界平和の達成という理路を示した本。積んどいたのですが、ようやく読みました。日本の鎖国を高く評価する有名な部分も。道徳と政治の一致について、他国に対する経緯と当時の列強ヨーロッパの振る舞いへの懐疑は興味深い。むしろ後からのヘ...

定言命法、カント的道徳、倫理観、永遠なる(一時的でない)世界平和の達成という理路を示した本。積んどいたのですが、ようやく読みました。日本の鎖国を高く評価する有名な部分も。道徳と政治の一致について、他国に対する経緯と当時の列強ヨーロッパの振る舞いへの懐疑は興味深い。むしろ後からのヘーゲルのほうが、ヨーロッパやキリスト教への信頼はナイーブに過ぎるように今の眼からは思える。ただ、カントの永遠平和の根拠が自然(神?)の摂理というのは、これも今から思うとナイーブに過ぎるか、、、、もちと考えます。

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2012/04/25

18世紀末、フランス革命を経た国際社会を背景に、「永遠平和の実現」についてのイマヌエル・カントが真面目に考察した国際平和理論と実践方法。以下、概略。 【予備条項】 1、将来の戦争の種がひそむ平和条約は単なる休戦 2、独立している国家は互いに侵すことはできない 3、常備軍は廃止。但...

18世紀末、フランス革命を経た国際社会を背景に、「永遠平和の実現」についてのイマヌエル・カントが真面目に考察した国際平和理論と実践方法。以下、概略。 【予備条項】 1、将来の戦争の種がひそむ平和条約は単なる休戦 2、独立している国家は互いに侵すことはできない 3、常備軍は廃止。但し、防衛手段としてはOK 4、戦争遂行を気安くさせるので戦争国債は禁止 5、他国への不干渉 6、戦争時の卑劣な戦略は和平時の信頼性を損なわせる 【確定条項】 1、各国の政治体制は共和制がベスト 2、統一世界国家より諸国家の連合スタイルにすべき 3、世界市民法は各国市民が友好である権利を保障 【第1補説】 自然の摂理によって人間社会は次第に成熟すると、結局、利己的人間を抑制するとともに商業を発達させようとするので平和が望ましくなる。人間は永遠平和を道徳的義務とするはず。 【第2補説】 国家は哲学者のこうした意見を妨げてはならない。 【付録】 政治家はこうした道徳を手段に使うべきでなく、道徳の実現を目指すべき。政治は自ら取り決めた原則は、民衆に担保するため公表しなければならない。 21世紀初頭、2度の世界大戦、冷戦を経て、ここに書かれていることはシンプルな内容だけに不完全ながらも実現されているもの(国)も多い。そして、テロの時代。カントがある意味想定し、また想定を超えた国際社会と状況になっているが、当時も今も空想理論として斥けるのは容易いけれど、カントが実践論として真面目に考えた内容は時代を超えて不断な再構築の努力を惜しむべきではないだろう。 ちなみに、とある旅館の看板に付いていたという本書名はカントがやはりお茶目に名付けたのでしょうか、それとも真面目な義憤なんでしょうかねぇ?あれれ?っていう観点があるのは仕方がない。(笑)

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2011/12/17

カントはこのタイトルから連想してしまう、世界平和万歳といった盲目的な平和信者ではない。極めて現実的に平和について考えているナイスガイだ。 カントは世界国家なるものを信じない。いまある国家間で平等な条約を結んでいくことが平和を築くと考える。 しかし、平和を築く前には、必ず悲劇が起こ...

カントはこのタイトルから連想してしまう、世界平和万歳といった盲目的な平和信者ではない。極めて現実的に平和について考えているナイスガイだ。 カントは世界国家なるものを信じない。いまある国家間で平等な条約を結んでいくことが平和を築くと考える。 しかし、平和を築く前には、必ず悲劇が起こるという。この点、第二次世界大戦を想うと納得である。 本文には、平和を築くための条約に際して、前提条項と確定条項が書かれており、本の作りはいたってシンプルだ。

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2011/09/09

永遠平和は蜃気楼 もしカントが今生きていたとしても、きっとまだ同じ事を言ってるんだろうなぁ。 いつまでこれを言い続けるんだろうなぁ。 いつまでもこれを言い続けなければいけないんだろうなぁ。

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2011/09/06

講義の課題として読んだ。 哲学に関しては素人であるため、内容には触れないレビューとする。 たいしたページ数ではないとは言え、哲学書独特の言い回しは、やはり初学者の前に高く立ちはだかった。 しかし、巻末の訳者解説が非常に分かりやすく、理解の助けになった。 自分のような素人が読む順...

講義の課題として読んだ。 哲学に関しては素人であるため、内容には触れないレビューとする。 たいしたページ数ではないとは言え、哲学書独特の言い回しは、やはり初学者の前に高く立ちはだかった。 しかし、巻末の訳者解説が非常に分かりやすく、理解の助けになった。 自分のような素人が読む順番としては、本文を分からないながらも一読し、解説を読み、納得した上で再度本文を読むことで、内容まで読み込めるのではないだろうか。

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2012/07/20

この人が禁止していることがあらかた二度の大戦でやりつくされているっていう 国民軍の存在を正当化しているあたりにフランス革命の影響を感じる

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