海嶺 の商品レビュー
神尾修二シリーズ第六…
神尾修二シリーズ第六弾。大事な者のために死ぬのではなく、生き抜くことがハードボイルドだと感じた。
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パドレ・・・! 神尾は、背中で死んでいった子供・洋一をずっと引き摺って生きてきた。 誰よりも大事な恋人である恵子と、仲の良い友人の付き合いから進まないのも、そのせいだ。 しかし二人の前に現れたのだ。 深い悔恨に沈む二人を救う子供・マリオが! マリオの親になるのだと、神尾も恵子も思...
パドレ・・・! 神尾は、背中で死んでいった子供・洋一をずっと引き摺って生きてきた。 誰よりも大事な恋人である恵子と、仲の良い友人の付き合いから進まないのも、そのせいだ。 しかし二人の前に現れたのだ。 深い悔恨に沈む二人を救う子供・マリオが! マリオの親になるのだと、神尾も恵子も思っていたとき、イタリアからマリオの祖父がマリオを連れ戻しにかかる。 フザケンナ! と怒鳴りたいのは神尾でなくても。 マリオは両親と兄が死んだためにシチリアマフィアの直系の後継者になってしまったのだ。 それを振り切るにはイタリアに行き、祖父であり一族の長であるステファノにきっぱりといわなければならない。 マリオは、神尾と恵子の子供になるのだ。 しかし行ったら行ったで、神尾が大人しくしてるはずもなく(笑 簡単に孫を取り戻せると思っていたマフィアは神尾の存在に右往左往だ。 けれどマリオが一族を離れるには、一族の掟にしたがって試練を超えなければならない。 その試練は、神尾にとってみればまったく必要性も感じないクソみたいなもので。 しかししなければマリオは自分の息子にはなれなくて。 神尾はマリオを連れて、ステファノの待つメッシーナへ5人の殺し屋を掻い潜り向かわなければならないのだ。 死の境界線スレスレで、神尾は殺し屋の一人を殺してしまう。 その殺し屋には、マリオと同じくらいの息子がいた。 神尾は、その息子に殺されたかった。 その引き金を、引いてほしい、と秋野も思ったくらい神尾の気持ちはよく解かる。 でもマリオがいる。 神尾が死ねば、マリオが悲しむ。 ただマリオを手に入れるために、神尾はもう一度地獄を行く。 地獄の先に着いた場所は、神尾にとって天国よりも幸せな場所のはずだ。 息子に、つまらないことを教えて、母親に叱られてばかりいる。 そんな父親に、なって欲しいと本当に思う。
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