ユリシーズ(1) の商品レビュー
20世紀最高の文学「…
20世紀最高の文学「ユリシーズ」待望の文庫化!世界にも類のない作品。
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「この本を読んできち…
「この本を読んできちんとした感想を書ける奴がいたらお目にかかりたい」、大学在学中に英語教師がこう言った時、読書して感想を書くことがそんなに難しいのか、と思ったけれど…本を開いて数ページ読むと、納得。自分が読んでいるのが日本語であることすら信じられないぐらいの意味不明さ。
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途中までは別の訳で。続きはこちらで。 ひとまず読み通した…。 再読しないとまだ全体が見えなくてよくわからないかも。 次巻にチャレンジ。
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知的興奮に満ちた作品。 言葉やしぐさにさまざまな意味が隠されている。 モダンアートにも似た興奮がある。 読んでいて、自分の知識や教養の浅さを感じる。それはそれで良いだろう。例えば、名画と言われるものを前にして、その素晴らしさを感じる。それだけでも十分な体験になる。 もちろんその...
知的興奮に満ちた作品。 言葉やしぐさにさまざまな意味が隠されている。 モダンアートにも似た興奮がある。 読んでいて、自分の知識や教養の浅さを感じる。それはそれで良いだろう。例えば、名画と言われるものを前にして、その素晴らしさを感じる。それだけでも十分な体験になる。 もちろんその名画を読み解くことができればより充実した体験になるだろうが、まずは名画の前に立つという経験が必要だ。 そういう意味で、このユリシーズは素晴らしい体験を与えてくれる本だ。 最近のエンターテイメントではないが、何とも言えないスリリングな展開だ。日常生活を、こんなにスリリングに描写できる作家がいるとは驚きだ。 様々な言葉が入り乱れており、わかりにくい。1種の映画的な視覚効果を生んでいる。 どうしてこんなことができるんだろうか。ジェームスジョイスの腕もあるし、翻訳のうまさもあるのだろう。文章としてのかっこよさがある。 古典文学を読む価値を感じる。 ギリシャ神話との対比、もしくは関連についてはあまり気にしないで読んでいる。照合を始めると、読み進められなくなりそうだからだ。訳注も付いているが読んでいない。文章を読む流れを止めたくない。もちろん、訳註を読みながら理解をして進めていくのも良いだろうが、それだとスピードが死んでしまう。 フィネガンズ・ウェイクで挫折したことがあるので、ユリシーズはとにかく一通り読んでしまいたい。神話とのつながりがわからなくても充分面白い。 意味のない言葉を羅列しているだけだったら、ユリシーズがこの時代まで、現代まで、生き残ると思えない。生き残っているから素晴らしいと言うわけではないが、何かしらの理由があるはずだ。古典文学と言うものはなぜ現代まで残っているのか。それはそれで1つの疑問ではある。 自分のような知識の浅い人間にとって、ジョイスを深く理解すると言うのは無理な話で、そこはもう切り捨てて、とにかく読んでみる。そこが大切なところだ。 正直難解だ、ただし、読む価値があると感じる。読んでいて面白い。今の文学はこういった知的な面白さを与えてくれるものはない。どこか表面的で、ストーリーを追っているだけになっている。その違いがどこに生まれるのかはわからない。血の通った文章とでも言うのだろうか、そういった文章に出会うことが少ない。 この本は面白い。 世界が果てしなく広がっている感じがする。 文章にユーモアがある。この小説は、ユーモアを楽しむのが良いのかもしれない。何しろこの小説に含まれている神話との対応についてはよくわからないのだから。
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表現は俗悪だが、語感は素晴らしい。ドライヴ感がある。 ホメロスが表している無意識の信念を露わに解体して楽しんでいる風。 つかみどころない、途切れがちな言葉の流れの中で、ふっと素が見える瞬間がある。そこが面白い。 教師、葬儀の章が良かった。
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訳:丸谷才一・永川玲二・高松雄一、解説:結城英雄、エッセイ:池内紀、原書名:Ulysses(Joyce,James)
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挫折して十年越しに全4巻読了した。各巻100ページを超す注がとてつもなく多い。しかも2段組みの小さな字の注である。しかし本文でわからない言葉はかなり少ない。このあたりは源氏物語とは雲泥の差である。『オデュッセイア』を下敷きにエンターテインメント要素もあり、俗語、猥語の集合住宅とも...
挫折して十年越しに全4巻読了した。各巻100ページを超す注がとてつもなく多い。しかも2段組みの小さな字の注である。しかし本文でわからない言葉はかなり少ない。このあたりは源氏物語とは雲泥の差である。『オデュッセイア』を下敷きにエンターテインメント要素もあり、俗語、猥語の集合住宅とも言える。話の筋は特にない。寝取られ亭主の深夜の帰宅後の妻の独白と思われる言葉で話は閉じられる。アイルランド・ダブリンの実在の施設、家、商店や人物を背景と筋の一部にしているあたり勇気がいったことだろう。文学の表現力の極致に浸れた。
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花男ことブルームはちょっと残念な性癖の持ち主である。あらぬ妄想で頭を一杯にしながらダブリンの街を徘徊する。「ユリシーズ」はオデュッセウスの英語読みでホメロスの『オデュッセウス』をベースにアイルランドの歴史、文化、実在した人物、文学、カトリック、プロテスタント、ギリシア・ローマの文...
花男ことブルームはちょっと残念な性癖の持ち主である。あらぬ妄想で頭を一杯にしながらダブリンの街を徘徊する。「ユリシーズ」はオデュッセウスの英語読みでホメロスの『オデュッセウス』をベースにアイルランドの歴史、文化、実在した人物、文学、カトリック、プロテスタント、ギリシア・ローマの文化などなどで肉付けした物語。プルーストと並ぶ20世紀を代表する文学で「無意識的記憶」に対して「妄想の澱み」という感じ。単語から次々と連想が生まれ、会話も韻を踏んだり、懸詞が多様されており、源氏物語や好色一代男とオーバーラップする。 登場人物が多くて、ミスター・ブルームとスティーブン・ディーダラス(『若き芸術家の肖像』の主人公でジョイスの分身)以外は記号のような感じなのでなかなか頭に入らない。巻末の人名一覧で探しつつ、本文を読み、訳注を読むのでなかなか大変だった。じつはたいしたストーリーではないがとにかく先を読みたくなる「読ませる力」は『百年の孤独』と同じでさすが20世紀の古典という感じだ。とにかく先が読みたい。 『ダブリンの人々』や『若き芸術家の肖像』に登場する人物が出てくるがほとんど覚えてなかった!シェイクスピアを引用してもじってある部分もほとんど覚えてなかったり…。『神曲』や聖書も同じく。
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プルーストの『失われた時を求めて』と並ぶ20世紀文学の金字塔だが、難解さはこちらの方が圧倒的に上。何せ本編のページ数に対して脚注がその1/3頁もあるという異常な構成が4巻も続き、その上言葉遊びや語呂合わせ、"ジョイス語"とも呼ばれる翻訳泣かせの技法が縦横無尽に...
プルーストの『失われた時を求めて』と並ぶ20世紀文学の金字塔だが、難解さはこちらの方が圧倒的に上。何せ本編のページ数に対して脚注がその1/3頁もあるという異常な構成が4巻も続き、その上言葉遊びや語呂合わせ、"ジョイス語"とも呼ばれる翻訳泣かせの技法が縦横無尽に繰り広げられるのだから。プルーストが描いた意識の流れが1点から徐々に拡散していく、紅茶に浸透するミルクの様なものに対して、ジョイスの描くそれは個々の単語が語源や発音から派生し、無数の文脈を同時多発的に発生させる電子回路の様相を帯びている。偉業にして異形。
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