世界をみにいこう の商品レビュー
最初の夜明けを見るまでの過程に、何ページも費やしている、この贅沢さは、お子さんには少々退屈に感じられるかもしれない。何もないじゃないかと。 しかし、私はそうは思わない。 だって、大地と空があればそれで充分だと思えるから。 そして、地平線から徐々に現れる太陽の温かさ。 いっしょ...
最初の夜明けを見るまでの過程に、何ページも費やしている、この贅沢さは、お子さんには少々退屈に感じられるかもしれない。何もないじゃないかと。 しかし、私はそうは思わない。 だって、大地と空があればそれで充分だと思えるから。 そして、地平線から徐々に現れる太陽の温かさ。 いっしょに世界を見に行こうと、くまさんに誘われた男の子の旅。 見に行く過程で、仲間がどんどん増えていき、その期待に胸を膨らませた楽しげな感じが、淡くやさしい絵柄に表れている。 また、夜明け前から始まり、少しずつ日が暮れてゆく流れも美しく、どんな世界なのか、更に期待が高まっていき、最後に見る、その眺めとは? 途中の動物たちの望み(そこには~がある?)と、私たちが望む、見に行きたくなる世界とは? を考えさせてくれる物語は、短めのシンプルな内容で、文字が大きく読みやすいことから、小さいお子さん向けだとは思うが、読みながら、今の世界は、果たして見に行きたくなるような世界なのか? ということも考えさせられました。
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